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- 研修医のための神経内科診察
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序文
初期研修医・後期研修医に贈る神経内科診療の面白さ
2004 年から卒後臨床研修が義務化され,すべての医師が幅広い基本的臨床能力を身につけることを目標として,医学部卒業生が全国の基幹病院へ臨床研修に行く時代となりました。医学部で受けた教育を実際の臨床現場での研修によって自分のものとすることで,救急医療から慢性疾患まで幅広く医師としての将来的な発展のための基礎作りが標準化されたと言えます。神経内科(Neuro1ogy)は一般臨床上で頻度の高い頭痛やしびれ,めまいなどの診療を得意としているため研修に最適であるということで,卒後臨床研修のなかでも特に人気のあるローテーション分野になっています。
神経内科は生活習慣病やメタボリックシンドロームを基盤として発症する脳卒中や認知症,頭痛,パーキンソン病などの今後ますます患者数が増加する疾患をはじめ,神経変性疾患や神経免疫疾患,リハビリテーション医学などを対象としており,意識障害など救急医療においても神経内科研修経験は非常に役立ちます。神経内科診療は今後ますます面白くなる分野と考えられているだけでなく,あらゆる診療分野の中で限りなく患者サイドに近い立場での診療ができます。そのためか内科系あるいは外科系を問わず将来どの専門分野に進むにしても臨床医としての実力が付くと研修医の皆さんが考えているようです。
もしかしたら一見とっつきにくい分野と思われがちな神経内科ですが,逆に疾患理解や基本的な診察手技,診断技術のコツを会得すれば,日進月歩の脳画像診断と併せてむしろ日常研修が面白くてたまらないということになります。そこで本書は日々臨床現場で神経疾患患者を診療している初期研修医・後期研修医の皆さんが,実際に本書を片手にすぐ診断や検査,処置に興味をもって臨めるようにという配慮のもとで,全国的にご活躍中の先生方に分かりやすく解説をしていただきました。本書が神経内科の日常研修を遂行する上での一助となり,併せて医学生やその他の関連する診療科の先生方にもご活用いただければ幸いです。
2009 年9 月
阿部康二
目次
症候・検査・処置編
1.神経内科的診察法のポイント
2.神経心理的診察と検査のコツ
3.脳画像による脳梗塞の急性期診断
4.脳画像による認知症の鑑別診断
5.末梢神経伝導検査と針筋電図検査
6.腰椎穿刺と髄液細胞診
7.筋生検と神経生検
8.テンシロンテスト
9.重心動揺計
10.自律神経機能検査(含MIBG心筋シンチ)
11.頸部血管超音波検査と経頭蓋ドプラ検査
12.好気的運動負荷試験と阻血下前腕運動負荷試験
13.遺伝子診断の実際
14.ボツリヌス毒素注射法
15.血漿交換療法
16.嚥下障害対策と在宅経管栄養剤
17.コミュニケーション機器の活用
18.呼吸障害・喀痰吸引と人工呼吸器の選択
19.特定疾患と介護保険の活用
20.意識障害の診かたと脳死判定の実際
疾患編
1.脳卒中① 脳梗塞
2.脳卒中② 脳出血,くも膜下出血,もやもや病
3.脊髄血管障害
4.認知症① アルツハイマー病
5.認知症② レビー小体型認知症,前頭側頭型認知症
6.認知症③ 脳血管性認知症
7.髄膜炎,脳炎,脳膿瘍
8.パーキンソン病
9.パーキンソン症候群(SND,PSP,CBD)
10.脊髄小脳変性症と多系統萎縮症
11.筋萎縮性側索硬化症と運動ニューロン疾患
12.重症筋無力症
13.多発性硬化症,NMO
14.不随意運動をきたす疾患,ハンチントン病
15.てんかん
16.末梢神経障害
17.筋ジストロフィー,多発筋炎
18.頭痛,正常圧水頭症
19.膠原病関連神経疾患・がん関連神経疾患
20.プリオン病・亜急性硬化性全脳炎
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書籍情報
- ISBN:9784880027005
- ページ数:290頁
- 書籍発行日:2010年2月
- 電子版発売日:2020年7月10日
- 判:指定なし
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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