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- 新 骨軟部画像診断の勘ドコロ
商品情報
内容
初版を2006年に刊行し,日々の診断で必要な押さえるべき事項,なおかつ技術的なことがわかりやすく簡潔に解説されている点で稀有であり,多岐にわたり多くの先生方に好評を博した人気シリーズが,時代に即した技術的最新知見をふまえ,臨床では心臓,頭頸部,脊髄などを新たに加え,より実用的に充実した内容で新たに刊行。
あわせて読む → 「画像診断の勘ドコロ」シリーズ
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序文
監修の序
ある教科書の内容が優れていることと,それが売れるということは,必ずしも共存しない現象である。一見わかりやすく,本屋で思わず買ってしまっても,あとでゆっくりと読んでみると浅薄な感じが否めない教科書は少なくはない。監修者として甚だ手前味噌ではあるが, 『勘ドコロ』 シリーズは,稀少にも,このふたつの要件を満たし得たものであったのではないかと自負している。事実,この8年の間,継続して多くの書店の書架に陳列され,確実に多くのファンを得てきたという実感を持っている。
そして,この度,本シリーズの新版を上梓することになった。初版が発刊されてから,すでに8年の歳月が流れたが,画像医学の進歩において,この8年という時の流れはあまりに長く,近年,多くの読者から新版発行のご希望を頂戴するようになった。そこで,編集部の方々,編者の先生方と議論を重ね,リニューアル版の方向性を確認したあと,原稿依頼の作業に取りかかり,原稿をいただいてからの長い校正作業を経て,こうして発刊と相成ったわけである。
本シリーズの基本コンセプトは,旧版からそのまま受け継がれている。それは, 「増加する一方の画像診断への需要に限られた時間で対応していくため,必要なことが簡潔に記載された教科書」 というものである。具体的には, 「先輩が後輩に現場で伝授している診断のおさえどころ」 をイメージし,若手医師への効率のよい教育に貢献できるようにすることが最大の狙いである。そして,もちろん,本シリーズはベテランの先生方が自らの知識の復習とブラッシュアップのためにも十二分な機能を果たせることも視野に入れている。さらに,本シリーズは,旧版と同様に,診療放射線技師の方々が,本書により,様々な病態と関連する画像医学ならびに関連する技術学を学んでいただけるという特徴も継承している。
本シリーズの編集は,前回と同様に,頭部が前田正幸先生,腹部が兼松雅之先生,胸部は私が担当させていただき,骨軟部は新たに藤本肇先生にお願いすることとなった。また,頭部には新たに頭頸部領域を加えていただき,骨軟部には脊髄領域を加えていただくことになった。全体に大幅なボリュームアップとなってしまったが,それぞれの編者の先生方が,たいへん魅力的な構成を構築されており,旧版とは味わいの異なった全く新しい勘ドコロシリーズとなっている。このように,本シリーズは,編者の各先生の迸る情熱と中澤 恵さんたち編集部の方々の真摯で沈着な編集作業によってようやく完成に漕ぎ着けたものであるが,監修者として何より感謝の意を表したいのは,各巻に珠玉の文章と画像をご提供頂いた各執筆者の先生方である。いずれも,日常臨床,研究,教育,講演,執筆と非常に多忙な方ばかりであり,おそらく,本教科書の執筆に当たって,我々が想像する以上のご迷惑をおかけしたものと考えている。日本の放射線診療の向上のためという大義のため,そこは何とかご容赦いただきたくお願いする次第である。
2014年2月
髙橋雅士
編集の序
朋友・佐志隆士先生からの依頼で, 『新 骨軟部画像診断の勘ドコロ』 の編集を引き継ぐこととなった。初版が出て8年が経過し,他の領域と同様,骨軟部の画像診断においても様々な変革が進行しつつある。
初版からの引き継ぎにあたり,全体を3章に再構成することとした。
第1章は検査のモダリティ別レビューで,単純X 線写真,CT,MRIに加えて新たに核医学と超音波検査の項を設けた。
第2章は系統別の疾患レビューとして,特定の部位にかかわらず発生しうる疾患(腫瘍や感染症,骨系統疾患など)について,各論をまとめた。
第3章は部位別疾患レビューとして,各部位別(脊椎,肩,肘…)に主要な疾患を解説している。脊椎・脊髄疾患もこの巻で取り扱うこととなり,組み入れた。
これに伴い,執筆陣を大幅に補強し,新たに多数の方々に加わっていただいた。例えば超音波検査を担当された皆川洋至先生は整形外科医で,我が国におけるこの道のトップランナーのひとりである。骨系統疾患については宮嵜治先生に独創的なアプローチ法を解説していただいた。その他の章も,全てその道の第一人者とされる気鋭のメンバーを配置した。
骨軟部疾患は頭蓋骨から足の末節骨まで,全身の様々な部位がかかわってくるが,第2章と第3章は言うなれば“ 縦糸” と“ 横糸” のような関連があり,さらに検査のモダリティという“ 斜め糸” が複雑に絡み合って画像診断の体系が構築されていることになる。
本書の基本コンセプトは,“これだけは押さえておこうという基本的事項”を簡潔にまとめることである。これは初版から受け継がれているもので,全巻に共通した事項である。この巻では,特に “簡潔な記載” に力点をおくため,長い文章での表現をできるだけ避け,箇条書きを多用した。多忙な日常臨床の合間に素早く重要事項を把握できるよう,配慮したつもりである。
基本的な疾患は網羅したつもりであるが,紙数の制約もあり,割愛した事項も少なくない。世の中にある全ての疾患を載せることは困難であり,そもそも,たった600頁足らずの書物をもってmusculoskeletal radiologyという深遠で果てしない世界を語り尽くすなど不可能で,畏れ多い話である。
読者諸氏は,本書だけで100点満点をとろうなどとはどうか思わないで欲しい。本書は,これから骨軟部画像診断を学ぼうとする者が, “ 70 点くらい” を目指して勉強するための座右の書になるように企画したつもりである。70点とっていれば大学の成績なら優・良・可の3段階のうち真ん中の “良” くらいは貰えるだろう。それを踏み台にして,さらに各自で勉学を深めていただきたい。
多忙のところ,企画の意図を酌んで貴重な時間を割いて原稿を執筆していただいた各著者の先生方に,深く御礼を申し上げる。初版の編者である佐志隆士先生には,引き続き執筆陣に加わってもらうだけでなく,編集についてもアドバイスをいただいた。また,企画と出版に際して,終始,冷静かつ粛々と編集作業を続けていただいた編集部の中澤 恵さんと伊藤 彩さんにこの場を借りて感謝の意を表する。
本書が,骨軟部疾患の画像診断に興味を持つ全ての医師,放射線技師,その他のコメディカルの人々,さらには学生の方々の入門書としての役割を果たすことができれば,編者としてこの上ない喜びである。
2014年12月
雪化粧した富士山をながめつつ
藤本 肇
目次
Ⅰ 検査のモダリティ:撮像と画像再構成の勘ドコロ
01 これだけは知っておきたい骨・関節X線撮影の技術学
02 単純X線撮影の基本
03 CTの技術学
04 MRIの技術学
Part Ⅰ これだけは知っておきたい骨軟部MRIのコントラスト
Part Ⅱ これだけは知っておきたいMRIの機器構成と撮像法
【APPENDIX】全身MRIによる骨転移のスクリーニング
05 超音波診断
06 核医学診断:骨シンチ・タリウムシンチ
【APPENDIX】骨シンチ診断支援ソフト“BONENAVI”とは
07 核医学診断:PET/CTによる骨転移診断
Ⅱ 系統別疾患レビュー:診断のおさえどころ
01 関節炎:その1 総論・関節リウマチおよび類縁疾患
02 関節炎:その2 その他の骨と関節の炎症
03 変形性関節症
Part Ⅰ 疾患概念と画像所見の基本
Part Ⅱ MRIによる早期診断
04 代謝性骨疾患
05 骨系統疾患—診断に寄与するkey findingを見出すための読影ポイント—
06 疲労骨折と脆弱性骨折
Part Ⅰ 疲労骨折
Part Ⅱ 脆弱性骨折
07 転移性骨腫瘍
08 原発性骨腫瘍
Part Ⅰ 原発性骨腫瘍総論
Part Ⅱ 原発性骨腫瘍各論
09 軟部腫瘍
【APPENDIX】軟部腫瘍の拡散強調像に関する最近のトピック—治療効果・予後予測 —
10 軟部の非腫瘍性疾患
11 骨髄疾患
12 全身性疾患・その他の骨軟部病変
Ⅲ 部位別疾患レビュー
01 脊椎・脊髄
MRIポジショニングの要点
脊椎疾患
脊髄疾患
02 肩関節
MRIポジショニングの要点
画像解剖
疾患各論
【APPENDIX】どこを撮像するか? どの方向に撮像するか? どのようなシーケンスで撮影するか?
【APPENDIX】肩関節MRIを撮像するのはとても難しい — chain obliqueの立ち振舞いを知っているか?—
03 肘関節
MRIポジショニングの要点
画像解剖
疾患総論
疾患各論
04 手関節
MRIポジショニングの要点
画像解剖
疾患各論
05 股関節
MRIポジショニングの要点
画像解剖
疾患各論
06 膝関節
MRIポジショニングの要点
画像解剖
疾患各論
07 足関節・足部
MRIポジショニングの要点
画像解剖
疾患各論
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書籍情報
- ISBN:9784758308984
- ページ数:580頁
- 書籍発行日:2014年12月
- 電子版発売日:2020年10月21日
- 判:B5変型
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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