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- PCIで使い倒す IVUS徹底活用術改訂第2版
商品情報
内容
PCIを行うに際して,「もっとこうしたらIVUSをより有効に活用できる」という手順,方法などを実例とともにわかりやすく解説した,IVUSガイドPCIの実用書。エキスパートが教える,より効果的かつ安全にPCIを行うためのIVUSのコツ・注意点・adviceを満載し,基礎から応用,さらには次世代IVUSの活用に至るまで,あらゆるシーンですぐに役立つ内容となっている。
改訂にあたって全面的に内容を刷新。応用編を増量し,全編フルカラーに変更,さらに動画配信サービスも付いた充実の改訂第2版!
※本製品はPCでの閲覧も可能です。
製品のご購入後、「購入済ライセンス一覧」より、オンライン環境で閲覧可能なPDF版をご覧いただけます。詳細はこちらでご確認ください。
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序文
改訂第2 版 序文
2015 年に「IVUS 徹底活用術」の初版が発売されてから,早くも5 年以上が経過した。その間,IVUS 自体にも大きな進歩があった。①高周波化,②高速プルバックの導入,③ CTO に特化したIVUS カテーテルの導入である。
1.高周波化
各社から60MHz のIVUS カテーテルが出揃い,open vessel に対するPCI では60MHz のIVUS を用いるのが当たり前となった。分解能が向上したことでプラーク破綻像などプラーク内部の描出がより鮮明になり,さらに深達度も保たれてIVUS の利点が強調されることとなった。
2.高速プルバック
従来の40MHz では0.5 ~ 1mm/ 秒での自動プルバックが主体であったが,従来に加えてACIST 社からは2.5mm/ 秒・5mm/ 秒・10mm/ 秒,テルモ社からは3mm/ 秒,6mm/ 秒,9mm/ 秒の高速プルバックを行うことが可能となった。虚血時間を短くできるなどの利点はあるが,反面プルバック終了後に手を止めてreview を行う手間がかかる。当院では,プルバック画像を見ながらlanding zone やサイズ選択などを行い,その後手動操作でマーキングを行うため,現在でも1mm/ 秒でのプルバックを用いている。
3.CTO に特化したIVUS カテーテル
CTO ではIVUS トランスデューサから先端チップまでの距離が短いカテーテルが好んで用いられるが,従来はIVUS カテーテル自体を動かす必要があり,操作性にやや問題があった。最近,先端ショートモノレール,かつシース内でトランスデューサを動かすことができるAnteOwl WRTM が発売された。本書でも,AnteOwl WRTM を用いた手技について詳細に解説していただいており,CTO 症例での選択肢が広がったことは喜ばしい限りである。
第2 版では,IVUS に関するデータのアップデートや,高周波IVUS を用いた具体的な利用法について,初版にも増して解りやすい解説となっている。また,要望の多かった「石灰化病変」・「合併症」と「CTO」に関連する項目を大幅に増やし,複雑病変を安全かつ効果的に治療するためにIVUS をどう使いこなすかを徹底解説していただいた。まさに,日本におけるIVUS エキスパートの総力をあげて完成した書籍であると自負している。CAG 画像もIVUS 画像も徹底的に読み込み,質の高いPCI を行って,患者さんのお役に立ちたいという考えは,以前も今も変わることはない。 ご多忙のなか執筆をお願いした先生方と,本社の出版にあたりご尽力くださった山田麻祐子さん・メジカルビュー社の皆様方に感謝申し上げます。
令和2年10月
菊名記念病院循環器センター長
本江純子
目次
Ⅰ IVUSガイドPCIの基礎編
■カテ室スタッフの対応 添田信之
IVUSカテーテルの選択/準備/術中/術後
■アーチファクトをPCIに活用するには 瀬戸山航史,園田信成
アーチファクトとは?/高解像度(60MHz)IVUS のNURDを知る/血球エコーをPCI に生かす/ガイドワイヤーアーチファクトをPCIに生かす
■IVUSカテーテル操作上の注意点 本江純子
PCI に用いられる高周波IVUS /セットアップ時の注意点/カテーテルを進める際の注意点/PCI 治療前にIVUS カテーテルが病変部を通過しない場合/PCI 後にIVUS カテーテルが病変部を通過しない場合/IVUS画像記録時の注意/IVUS カテーテルを抜去する際の注意点
■CAG所見とIVUSとの対比 寺本智彦
血管解離/血栓/血腫/石灰化/ステント部でのプラーク逸脱/ステント圧着不良
■PCIに生かす,血管外のランドマークと冠動脈のオリエンテーション 納口英次,及川裕二
IVUS 観察のポイント/冠解剖とIVUS /血管外の構造物/装置に搭載された便利な機能を活用しよう/IVUS を用いPCI を有効かつ安全に行うために
■PCIの拡張機序を知る 児玉淳子,寺島充康
冠動脈内腔の拡張機序/vessel stretch/長軸方向のplaque redistribution/機械的プラーク破綻/ debulking /拡張機序を知り,PCIに生かす
■IVUSは虚血の指標に使えるか? 蔵満昭一
MLAとFFR の関係性/左主幹部病変の虚血評価にIVUS を生かす/IVUSを用いた新たな虚血指標
■合併症の予測と対処法
冠動脈破裂の予測と対策法 角辻 暁
穿孔(perforation)と破裂・破断(rupture)/冠動脈破裂の機序/冠動脈破裂の予測・予防/冠動脈破裂はIVUS で防げる
冠動脈解離・血腫とbail out法 瀬戸山航史,園田信成
解離とは/血腫とは/特発性冠動脈解離(SCAD)/解離・血腫を予測しうるプラークの特徴は?/PCI 手技時に伴う解離・血腫形成出現のシチュエーション
slow fl ow/no refl ow現象の機序と対処法 藤井健一
slow fl ow を予測するにあたって/IVUS 画像からslow fl ow を予測する
側枝閉塞の予測と側枝保護のためのテクニック 岡田興造,日比 潔
側枝閉塞/ IVUSで側枝閉塞を予測する/分岐部病変治療の基本戦略/側枝保護テクニック/分岐部病変治療/今後の展望
■IVUSの合併症とトラブルシューティング 本江純子
通常の手技に伴う合併症/ IVUSカテーテルとガイドワイヤーの交絡/IVUSカテーテルがステント遠位部で引っかかり抜去困難となる場合(IVUSスタック)
■病態に応じたIVUSガイドPCIの実際
IVUSガイドPCIの手順と方法 木村琢巳,森野禎浩
ステント留置部位・ステントサイズの決定/マーキングテクニック/エンドポイントの決定
ステントレス治療のコツ 小林智子
血管径と石灰化の有無による治療戦略/ステントレスのリスク評価
血栓の評価とPCIへの応用 北原秀喜,小林欣夫
IVUS による血栓の観察/血栓性病変でのIVUS の活用/高解像度IVUS による血栓の観察
責任病変より末梢部位をどう評価するか 大倉宏之
ステント治療直後に末梢を評価する/心周期で変化する狭窄病変/ステント治療直後にもっと末梢を評価する
ステントの病理:PCIへのフィードバック 井上勝美
ベアメタルステント(BMS)留置後の冠動脈病理像/ DES 留置後の冠動脈病理像/病理からみた第二世代以降のDES の問題点とは/今後の展望
Ⅱ IVUSガイドPCIの応用編
■DCA におけるIVUS のチェックポイント 松野俊介
プラーク分布と性状の把握/DCA のエンドポイントの決定
■分岐部
PCIに役立つIVUSの使い方 横井雅史,木下順久
分岐部病変に対するIVUSの実際/ CTO も分岐部病変/debulking時におけるIVUS の有用性/起こりやすいトラブル
長軸像を活用する 本江純子
左主幹部におけるプラークの分布/長軸像の活用
■びまん性病変におけるIVUSの使い方 迫田邦裕,田中信大
びまん性病変の対照血管(reference)とプラークの分布/PCI(ステント留置)時に注意すべき点/ landing zoneの決め方/マーキングテクニック
■小血管におけるIVUS 使用の注意点 石盛 博
小血管における有意狭窄の評価/小血管におけるIVUS計測の特徴/小血管のDCB 治療とIVUS /小血管へのステント留置
■石灰化病変
IVUSで石灰化の厚みを推測する 本江純子
CAGで,石灰化が認識できるかできないか/石灰化後方の情報/石灰化部位に近接する血管壁を観察し,石灰化表面から血管壁までの距離を推測
石灰化病変におけるロータブレーターの使い方・ガイドワイヤーバイアスを見極める 上野勝己
ガイドワイヤーバイアス(guidewire bias)とモーションスピードバイアス(motion speed bias)とは?/ロータブレーターの合併症とガイドワイヤーバイアス/IVUSによるガイドワイヤーバイアスの予測/IVUSを活用したロータブレータースタイルの確立
ロータブレーターを安全に行うためのポイント 坂倉建一
ロータブレーター前にIVUS を行うか?/ロータブレーター前のIVUS での石灰化評価/ロータブレーターにおけるlesion modifi cationとは?/ロータブレーター中のIVUS で徐々に方向修正していく
orbital atherectomyを安全に使用するためのポイント 栗山根廣
orbital atherectomyの特徴/ IVUS ガイド下でorbital atherectomyを使用する際の注意点
ロータブレーターを使用しない場合の治療戦略の決め方 前島信彦
石灰化に生じるcrack の意義とその予測因子について/石灰化病変に対する基本的なPCI 治療戦略/ IVUS ガイドの有用性/ロータブレーターの意義/IVUS ガイド下での治療戦略/IVUS が通過しないとき/cracking法と匍匐前進法/ステント留置後のIVUS
■入口部病変 中村 茂
IVUSで見えている画像は透視ではどこか?/LAD 入口部に合わせるステント植え込み/右冠動脈入口部症例/LMT入口部に合わせるステント植え込み例/入口部ステントのポイント
■慢性完全閉塞性病変
CTとIVUSの対比 山本明和
慢性完全閉塞性病変(CTO)/血管内イメージングから考えるCTOの成り立ち/ CTO-PCI の手技成功を予測するスコア/CTO と心筋ブリッジ
CTO-PCIにおけるCT情報の使い方 角辻 暁
CTO-PCI に心臓CTは必要か/質の高いCTO-PCI とは
CTOに対する治療戦略の立て方 落合正彦
CAG /冠動脈CT
antegrade approach 矢嶋純二
antegrade approachの手法/エントリーポイントの重要性/parallel wire technique/IVUS ガイドワイヤリング
retrograde approach 伊藤良明
reverse CART/ stent reverse CART/extended reverse CART/retrograde IVUS guide wire cross
3Dワイヤリングを極める 岡村篤徳
アンギオガイドの3D ワイヤリング/IVUS ガイドの3D ワイヤリング
■acute coronary syndrome 石川正人,村松 崇
ACS に対する血管内イメージングの有用性/ACS に対するイメージングモダリティ:IVUS ? OCT/OFDI ?/ ACS における組織診断とslow fow/no refl owに対するdistal protection の必要性
■spontaneous coronary dissectionの所見と対処法 藤井健一
SCAD とは/IVUS でSCADを診断する/SCAD の治療
■川崎病後遠隔期の冠動脈病変の評価 寺島充康
冠動脈後遺症とその経過/川崎病後遠隔期冠動脈病変とIVUS所見
■再狭窄
PCI再狭窄のメカニズム 矢作和之,田邉健吾
再狭窄の原因/ステント留置後の再狭窄/ステントの課題
ステント再狭窄に対する治療戦略 小林智子
ステント内protrusionが原因のステント血栓症症例/ステント留置時の拡張不良が原因のステント再狭窄症例/ステントフラクチャーによる再狭窄症例/ステントエッジ再狭窄症例/ステント内プラーク占有率減少を目指す治療戦略
病理と血管内イメージングの知識をPCIに役立てるには? 中澤 学
ステント留置後の病理学的所見とそれに対応する血管内イメージング所見/イメージングと病理
■静脈グラフトに対するPCI 小宮山伸之
SVGの病理学的経年変化とIVUS 画像所見/SVG 狭窄病変部位の病理学的特徴とIVUS所見/SVG に対するPCIの成績/ SVG に対するPCI におけるIVUSの意義
■ミニマムコントラストPCIのコツ 川瀬世史明
造影剤腎症とは/ミニマムコントラストPCIのコツ/ミニマムコントラストPCI の実際
■IVUSを用いた薬効評価 廣畑 敦
IVUSでの動脈内プラーク定量的評価方法と臨床試験結果/冠動脈プラーク定量的測定のポイントとなる点
Ⅲ その他のトピックス
■IB-IVUS をPCI で活用する 川崎雅規
IB-IVUS 画像の読み方とPCIで活用するための留意点/IB-IVUS 画像読影の留意点/ IB-IVUSをPCIで活用する
■NIRS-IVUSの活用法 高木 厚
NIRS-IVUS によるvulnerable plaqueの検出/ PCI手技中のembolismとの関連/ ACS におけるvulnerable plaqueの評価/非責任病変のプラークの予後/ NIRS-IVUS スタックへの対処
■三次元(3D)IVUSの活用法 廣 高史
3D イメージングとは/3D-IVUS 技術/3D-IVUS の未来
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書籍情報
- ISBN:9784758319706
- ページ数:384頁
- 書籍発行日:2020年11月
- 電子版発売日:2020年12月4日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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