PCIで使い倒す IVUS徹底活用術改訂第2版

  • ページ数 : 384頁
  • 書籍発行日 : 2020年11月
  • 電子版発売日 : 2020年12月4日
8,580
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商品情報

内容

IVUSでここまでできる! もっと効果的で安全なPCIのために“使い倒す”方法,教えます

PCIを行うに際して,「もっとこうしたらIVUSをより有効に活用できる」という手順,方法などを実例とともにわかりやすく解説した,IVUSガイドPCIの実用書。エキスパートが教える,より効果的かつ安全にPCIを行うためのIVUSのコツ・注意点・adviceを満載し,基礎から応用,さらには次世代IVUSの活用に至るまで,あらゆるシーンですぐに役立つ内容となっている。
改訂にあたって全面的に内容を刷新。応用編を増量し,全編フルカラーに変更,さらに動画配信サービスも付いた充実の改訂第2版!

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序文

改訂第2 版 序文

2015 年に「IVUS 徹底活用術」の初版が発売されてから,早くも5 年以上が経過した。その間,IVUS 自体にも大きな進歩があった。①高周波化,②高速プルバックの導入,③ CTO に特化したIVUS カテーテルの導入である。

1.高周波化

各社から60MHz のIVUS カテーテルが出揃い,open vessel に対するPCI では60MHz のIVUS を用いるのが当たり前となった。分解能が向上したことでプラーク破綻像などプラーク内部の描出がより鮮明になり,さらに深達度も保たれてIVUS の利点が強調されることとなった。

2.高速プルバック

従来の40MHz では0.5 ~ 1mm/ 秒での自動プルバックが主体であったが,従来に加えてACIST 社からは2.5mm/ 秒・5mm/ 秒・10mm/ 秒,テルモ社からは3mm/ 秒,6mm/ 秒,9mm/ 秒の高速プルバックを行うことが可能となった。虚血時間を短くできるなどの利点はあるが,反面プルバック終了後に手を止めてreview を行う手間がかかる。当院では,プルバック画像を見ながらlanding zone やサイズ選択などを行い,その後手動操作でマーキングを行うため,現在でも1mm/ 秒でのプルバックを用いている。

3.CTO に特化したIVUS カテーテル

CTO ではIVUS トランスデューサから先端チップまでの距離が短いカテーテルが好んで用いられるが,従来はIVUS カテーテル自体を動かす必要があり,操作性にやや問題があった。最近,先端ショートモノレール,かつシース内でトランスデューサを動かすことができるAnteOwl WRTM が発売された。本書でも,AnteOwl WRTM を用いた手技について詳細に解説していただいており,CTO 症例での選択肢が広がったことは喜ばしい限りである。

第2 版では,IVUS に関するデータのアップデートや,高周波IVUS を用いた具体的な利用法について,初版にも増して解りやすい解説となっている。また,要望の多かった「石灰化病変」・「合併症」と「CTO」に関連する項目を大幅に増やし,複雑病変を安全かつ効果的に治療するためにIVUS をどう使いこなすかを徹底解説していただいた。まさに,日本におけるIVUS エキスパートの総力をあげて完成した書籍であると自負している。CAG 画像もIVUS 画像も徹底的に読み込み,質の高いPCI を行って,患者さんのお役に立ちたいという考えは,以前も今も変わることはない。 ご多忙のなか執筆をお願いした先生方と,本社の出版にあたりご尽力くださった山田麻祐子さん・メジカルビュー社の皆様方に感謝申し上げます。


令和2年10月

菊名記念病院循環器センター長
本江純子

目次

Ⅰ IVUSガイドPCIの基礎編

■カテ室スタッフの対応  添田信之

  IVUSカテーテルの選択/準備/術中/術後

■アーチファクトをPCIに活用するには  瀬戸山航史,園田信成

  アーチファクトとは?/高解像度(60MHz)IVUS のNURDを知る/血球エコーをPCI に生かす/ガイドワイヤーアーチファクトをPCIに生かす

■IVUSカテーテル操作上の注意点  本江純子

  PCI に用いられる高周波IVUS /セットアップ時の注意点/カテーテルを進める際の注意点/PCI 治療前にIVUS カテーテルが病変部を通過しない場合/PCI 後にIVUS カテーテルが病変部を通過しない場合/IVUS画像記録時の注意/IVUS カテーテルを抜去する際の注意点

■CAG所見とIVUSとの対比  寺本智彦

  血管解離/血栓/血腫/石灰化/ステント部でのプラーク逸脱/ステント圧着不良

■PCIに生かす,血管外のランドマークと冠動脈のオリエンテーション  納口英次,及川裕二

  IVUS 観察のポイント/冠解剖とIVUS /血管外の構造物/装置に搭載された便利な機能を活用しよう/IVUS を用いPCI を有効かつ安全に行うために

■PCIの拡張機序を知る  児玉淳子,寺島充康

 冠動脈内腔の拡張機序/vessel stretch/長軸方向のplaque redistribution/機械的プラーク破綻/ debulking /拡張機序を知り,PCIに生かす

■IVUSは虚血の指標に使えるか?  蔵満昭一

  MLAとFFR の関係性/左主幹部病変の虚血評価にIVUS を生かす/IVUSを用いた新たな虚血指標

■合併症の予測と対処法

 冠動脈破裂の予測と対策法  角辻 暁

  穿孔(perforation)と破裂・破断(rupture)/冠動脈破裂の機序/冠動脈破裂の予測・予防/冠動脈破裂はIVUS で防げる

 冠動脈解離・血腫とbail out法  瀬戸山航史,園田信成

  解離とは/血腫とは/特発性冠動脈解離(SCAD)/解離・血腫を予測しうるプラークの特徴は?/PCI 手技時に伴う解離・血腫形成出現のシチュエーション

 slow fl ow/no refl ow現象の機序と対処法  藤井健一

  slow fl ow を予測するにあたって/IVUS 画像からslow fl ow を予測する

 側枝閉塞の予測と側枝保護のためのテクニック   岡田興造,日比 潔

  側枝閉塞/ IVUSで側枝閉塞を予測する/分岐部病変治療の基本戦略/側枝保護テクニック/分岐部病変治療/今後の展望

■IVUSの合併症とトラブルシューティング  本江純子

  通常の手技に伴う合併症/ IVUSカテーテルとガイドワイヤーの交絡/IVUSカテーテルがステント遠位部で引っかかり抜去困難となる場合(IVUSスタック)

■病態に応じたIVUSガイドPCIの実際

 IVUSガイドPCIの手順と方法  木村琢巳,森野禎浩

  ステント留置部位・ステントサイズの決定/マーキングテクニック/エンドポイントの決定

 ステントレス治療のコツ  小林智子

  血管径と石灰化の有無による治療戦略/ステントレスのリスク評価

 血栓の評価とPCIへの応用  北原秀喜,小林欣夫

  IVUS による血栓の観察/血栓性病変でのIVUS の活用/高解像度IVUS による血栓の観察

 責任病変より末梢部位をどう評価するか  大倉宏之

  ステント治療直後に末梢を評価する/心周期で変化する狭窄病変/ステント治療直後にもっと末梢を評価する

 ステントの病理:PCIへのフィードバック  井上勝美

  ベアメタルステント(BMS)留置後の冠動脈病理像/ DES 留置後の冠動脈病理像/病理からみた第二世代以降のDES の問題点とは/今後の展望

Ⅱ IVUSガイドPCIの応用編

■DCA におけるIVUS のチェックポイント  松野俊介

  プラーク分布と性状の把握/DCA のエンドポイントの決定

■分岐部

 PCIに役立つIVUSの使い方  横井雅史,木下順久

  分岐部病変に対するIVUSの実際/ CTO も分岐部病変/debulking時におけるIVUS の有用性/起こりやすいトラブル

 長軸像を活用する  本江純子

  左主幹部におけるプラークの分布/長軸像の活用

■びまん性病変におけるIVUSの使い方  迫田邦裕,田中信大

  びまん性病変の対照血管(reference)とプラークの分布/PCI(ステント留置)時に注意すべき点/ landing zoneの決め方/マーキングテクニック

■小血管におけるIVUS 使用の注意点  石盛 博

  小血管における有意狭窄の評価/小血管におけるIVUS計測の特徴/小血管のDCB 治療とIVUS /小血管へのステント留置

■石灰化病変

 IVUSで石灰化の厚みを推測する  本江純子

  CAGで,石灰化が認識できるかできないか/石灰化後方の情報/石灰化部位に近接する血管壁を観察し,石灰化表面から血管壁までの距離を推測

 石灰化病変におけるロータブレーターの使い方・ガイドワイヤーバイアスを見極める  上野勝己

  ガイドワイヤーバイアス(guidewire bias)とモーションスピードバイアス(motion speed bias)とは?/ロータブレーターの合併症とガイドワイヤーバイアス/IVUSによるガイドワイヤーバイアスの予測/IVUSを活用したロータブレータースタイルの確立

 ロータブレーターを安全に行うためのポイント  坂倉建一

  ロータブレーター前にIVUS を行うか?/ロータブレーター前のIVUS での石灰化評価/ロータブレーターにおけるlesion modifi cationとは?/ロータブレーター中のIVUS で徐々に方向修正していく

 orbital atherectomyを安全に使用するためのポイント  栗山根廣

  orbital atherectomyの特徴/ IVUS ガイド下でorbital atherectomyを使用する際の注意点

 ロータブレーターを使用しない場合の治療戦略の決め方   前島信彦

  石灰化に生じるcrack の意義とその予測因子について/石灰化病変に対する基本的なPCI 治療戦略/ IVUS ガイドの有用性/ロータブレーターの意義/IVUS ガイド下での治療戦略/IVUS が通過しないとき/cracking法と匍匐前進法/ステント留置後のIVUS

■入口部病変  中村 茂

  IVUSで見えている画像は透視ではどこか?/LAD 入口部に合わせるステント植え込み/右冠動脈入口部症例/LMT入口部に合わせるステント植え込み例/入口部ステントのポイント

■慢性完全閉塞性病変

 CTとIVUSの対比  山本明和

  慢性完全閉塞性病変(CTO)/血管内イメージングから考えるCTOの成り立ち/ CTO-PCI の手技成功を予測するスコア/CTO と心筋ブリッジ

 CTO-PCIにおけるCT情報の使い方  角辻 暁

  CTO-PCI に心臓CTは必要か/質の高いCTO-PCI とは

 CTOに対する治療戦略の立て方  落合正彦

  CAG /冠動脈CT

 antegrade approach  矢嶋純二

  antegrade approachの手法/エントリーポイントの重要性/parallel wire technique/IVUS ガイドワイヤリング

 retrograde approach  伊藤良明

  reverse CART/ stent reverse CART/extended reverse CART/retrograde IVUS guide wire cross

 3Dワイヤリングを極める  岡村篤徳

  アンギオガイドの3D ワイヤリング/IVUS ガイドの3D ワイヤリング

■acute coronary syndrome  石川正人,村松 崇

 ACS に対する血管内イメージングの有用性/ACS に対するイメージングモダリティ:IVUS ? OCT/OFDI ?/ ACS における組織診断とslow fow/no refl owに対するdistal protection の必要性

■spontaneous coronary dissectionの所見と対処法  藤井健一

  SCAD とは/IVUS でSCADを診断する/SCAD の治療

■川崎病後遠隔期の冠動脈病変の評価  寺島充康

  冠動脈後遺症とその経過/川崎病後遠隔期冠動脈病変とIVUS所見

■再狭窄

 PCI再狭窄のメカニズム  矢作和之,田邉健吾

  再狭窄の原因/ステント留置後の再狭窄/ステントの課題

 ステント再狭窄に対する治療戦略  小林智子

  ステント内protrusionが原因のステント血栓症症例/ステント留置時の拡張不良が原因のステント再狭窄症例/ステントフラクチャーによる再狭窄症例/ステントエッジ再狭窄症例/ステント内プラーク占有率減少を目指す治療戦略

 病理と血管内イメージングの知識をPCIに役立てるには?  中澤 学

  ステント留置後の病理学的所見とそれに対応する血管内イメージング所見/イメージングと病理

■静脈グラフトに対するPCI  小宮山伸之

  SVGの病理学的経年変化とIVUS 画像所見/SVG 狭窄病変部位の病理学的特徴とIVUS所見/SVG に対するPCIの成績/ SVG に対するPCI におけるIVUSの意義

■ミニマムコントラストPCIのコツ  川瀬世史明

  造影剤腎症とは/ミニマムコントラストPCIのコツ/ミニマムコントラストPCI の実際

■IVUSを用いた薬効評価  廣畑 敦

  IVUSでの動脈内プラーク定量的評価方法と臨床試験結果/冠動脈プラーク定量的測定のポイントとなる点

Ⅲ その他のトピックス

■IB-IVUS をPCI で活用する  川崎雅規

  IB-IVUS 画像の読み方とPCIで活用するための留意点/IB-IVUS 画像読影の留意点/ IB-IVUSをPCIで活用する

■NIRS-IVUSの活用法  高木 厚

  NIRS-IVUS によるvulnerable plaqueの検出/ PCI手技中のembolismとの関連/ ACS におけるvulnerable plaqueの評価/非責任病変のプラークの予後/ NIRS-IVUS スタックへの対処

■三次元(3D)IVUSの活用法  廣 高史

  3D イメージングとは/3D-IVUS 技術/3D-IVUS の未来

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書籍情報

  • ISBN:9784758319706
  • ページ数:384頁
  • 書籍発行日:2020年11月
  • 電子版発売日:2020年12月4日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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