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- レジデントノート増刊 Vol.22 No.14 できる!使いたくなる!腹部エコー
商品情報
内容
腹部エコーを的確に描出するための解剖学的知識,プローブの走査の仕方を丁寧に解説.さらにポイントとなる異常所見をとりあげ所見の診かた・注意点も紹介.腹部エコーを適切に活用し,診断につなげることができる!
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序文
序
超音波検査は患者さんと対話しながら行う診察の延長線上にある検査手技であり,病歴聴取や通常の身体診察では得られなかった情報をベッドサイドでリアルタイムに得ることができます.しかし,最近では医師の超音波検査離れが著しく,特に救急外来では単純CT による全身スクリーニングが多用される傾向にあります.この理由として,超音波検査は検査を施行した担当者自身が診断を確定する必要があり,その診断能は検査担当者の描出技術や医学知識に強く影響を受けることに加え,超音波検査を指導できる指導医が不足していることなどがあげられます.
私は大学を卒業して30数年たちますが,今までにたくさんの講演会や講習会といった教育の場に参加してきました.最近では講演会や講習会後に受講者にアンケートを依頼する機会が増えており,「早速明日から実行してみたい」というようなよいフィードバックをいただくこともあれば,「説明が難しすぎてわからなかった」あるいは「もっと実践的な内容を聞きたかった」といった耳の痛いフィードバックをいただくこともあります.
ところで,学校教育では教師が子どもに「知識を伝達する」関係にあり,子どもの主観や状況は考慮せず定められた内容を無条件に伝達します(教師主導型学習).一方,成人は学ぶ内容や学習計画などを自分自身で決めたいという心理的要求があるため,学習内容や手段を自己決定します(自己主導型学習).このように成人に対する教育は学校教育とは全く異なります.
それでは,研修医の皆さんに達成感や満足感を味わってもらうためには,どのように教育・指導すればよいのでしょうか.まず,肩の張らないリラックスした雰囲気のなかでお互いの人格や意思を尊重し合う雰囲気づくりが重要です.そのためには,少しカジュアルな服装でお茶を飲みながら指導するのもよいかもしれません.指導者は受講者の個々の能力,背景などを可能な限り事前に把握し,各自が設定した目標に対して不足する能力に受講者自身が気づき,自分の力(努力)で目標が達成できるよう支援することが必要です.
具体的に用いる手法としては,座学よりも体験型学習(実習)が有用と考えられます.「何かを学ぶためには自分で体験する以上によい方法はない」というアインシュタインの言葉が示すように,成人の能力開発の70 %以上は経験によって説明されるといわれています.超音波検査の指導に置き換えれば,講演会よりはハンズオンやライブデモンストレーションといった体験型の学習スタイルがより好ましいと考えられます.もちろん,残りの30%を占める知識や理論体系について学ぶ講演会(座学)も必要です.その際にも,実際の症例を提示して受講者に考えさせたり,レポートやシェーマを書かせるなど参加型の内容を盛り込むと知識の定着率がより向上します.さらに,学んだ技術や知識を人に指導することは知識の定着率を上げるため,講習会終了時に学んだことを人に指導する機会を設けるよう受講者に促すことも重要なポイントと考えられます.
さて今回の増刊号は,読者対象である初期研修医および総合診療やプライマリー志向の専攻医の皆さんにリラックスして読んでいただけるよう,文末を「です・ます調」に統一してみました.さらに少しでも体験型学習(実習)に近づけるため,初心者や研修医の皆さんを指導している医師あるいは検査技師の先生方に,病院内で実際に指導している状況を想定して執筆していただくようにお願いしました.
ある程度独学でも超音波検査が行えるように,第1章で腹部エコーの基本について解説した後,第2章では救急患者の診かた(考え方)やポイントとなる疾患について解説しています.第2章は超音波検査やその解釈のみならず,救急患者の初療時にも役立つ内容になっていると思いますのでくり返し読んでください.第3章~第5章では超音波画像の描出や画像の解釈に必要な解剖と重要な超音波所見につき臓器ごとに解説しています.掲載されているシェーマや正常例の画像との比較を参照することにより,学生時代に学んだ解剖や疾患の知識を系統的に整理し,ブラッシュアップできると思います.また,第6章では皆さんがよく出合う疑問に答えており,困ったときの助けになってくれるはずです.
超音波検査を初めて学ぶ皆さんは,各項の始めに記載されている“Point”や,“ ここがピットフォール” あるいは“ ここがポイント”などに記載されている内容をまずマスターしてください. もう少しこの分野のことを深く知りたいと思ったときには,“Advanced Lecture”の内容をマスターし,“ 引用文献”や“ 参考文献”を活用してもう少し詳細な知識を学んでいただければ幸いです.
今回の増刊号が研修医の皆さんに超音波検査に興味をもっていただけるきっかけとなることを期待しています.それでは超音波検査の基本から一緒に学んでいきましょう.
2020年11月
飯田市立病院消化器内科
岡庭信司
目次
序【岡庭信司】
執筆者一覧
第1章 腹部エコーの基本の「き」
1. 被験者の準備と超音波診断装置の条件設定【関口隆三】
2. プローブの握り方,基本走査と体位変換【松本和也】
3. 見逃しのない腹部スクリーニング検査【小川眞広】
4. ドプラの条件設定と活用【刑部恵介】
5. 超音波診断のアーチファクト【桑島 章】
第2章 救急患者の腹部エコー
1. 救急患者の診かた【亀田 徹】
2. 救急診療でポイントとなる疾患①:肝・胆・膵・消化管【西村重彦】
3. 救急診療でポイントとなる疾患②:泌尿器・婦人科・腹部血管【米今知佐,丸上永晃,平井都始子】
4. 腹部エコーのパニック像と対処【川端 聡】
第3章 肝・胆・膵の解剖と異常所見
1. 肝・胆・膵の解剖と走査のポイント【田中浩敬,廣岡芳樹】
2. 肝臓の異常所見【黒田英克】
3. 胆嚢の異常所見【有坂好史,篠田和子,山添直子】
4. 肝外胆管の異常所見【岡庭信司】
5. 膵臓の異常所見【比佐岳史】
第4章 消化管の解剖と異常所見
1. 消化管の解剖と走査のポイント【谷口真由美,畠 二郎,竹之内陽子】
2. 消化管の異常所見①:炎症性疾患【長谷川雄一,万代恭史】
3. 消化管の異常所見②:腫瘍性疾患【西田 睦,大野正芳,高桑恵美】
第5章 泌尿器,婦人科,腹部血管の解剖と異常所見
1. 泌尿器科領域の解剖と走査のポイント【皆川倫範】
2. 泌尿器領域の異常所見【白石周一】
3. 婦人科領域の解剖と走査のポイント【山岸絵美】
4. 婦人科領域の異常所見【丸山憲一】
5. 腹部血管の解剖と異常所見【齊藤弥穂】
第6章 研修医からの質問〜描出のコツを教えてください!
1. 肝区域はどのようにみたらよいか教えてください【松本直樹】
2. 膵臓の描出のコツを教えてください【岡庭信司】
3. 肝外胆管の描出のコツを教えてください【岡庭信司】
4. 虫垂の描出のコツを教えてください【今村祐志】
5. 経腹超音波でわかる妊娠所見と卵巣の異常【柴田綾子】
索引
Column
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書籍情報
- ISBN:9784758116541
- ページ数:264頁
- 書籍発行日:2020年11月
- 電子版発売日:2020年12月2日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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