腫瘍病理鑑別診断アトラス 肝癌 第2版

  • ページ数 : 324頁
  • 書籍発行日 : 2020年11月
  • 電子版発売日 : 2020年12月30日
19,800
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商品情報

内容

腫瘍病理鑑別診断シリーズ「肝癌」,待望の第2版.2010年の初版発行から約10年,2019年にはWHO分類第5版が発行されるなど,日々その更新されてきた状況を踏まえ,今回,肝臓病理のエキスパートが精選した病理写真とともに,定義や概念,診断上の要点を解説.肝癌病理診断の標準化を図りつつ鑑別疾患をも網羅し,さらに画像医学や治療法の要点・トピックも掲載.病理医をはじめ,臨床医の肝腫瘍に関する理解の一助としても役立つ1冊.

あわせて読む → 「腫瘍病理鑑別診断アトラス」シリーズ

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序文

第2版の序

「腫瘍病理鑑別診断アトラス 肝癌」が発行された2010年以降,WHO消化器腫瘍分類(WHO Classification of Tumours of the Digestive System,第4版)が発行され,2015年には原発性肝癌取扱い規約(第6版)が,さらに2019年にはWHO消化器腫瘍分類(第5版)が発刊された.この期間に大きな変遷がみられたテーマとしては,混合型肝癌の一亜型とした細胆管細胞癌の取り扱い,胆道系腫瘍の前癌病変または前浸潤癌病変としての胆管上皮内腫瘍,肝囊胞性腫瘍については膵粘液囊胞性腫瘍(MCN)のカウンターパートとした肝MCN,肝細胞腺腫における分子病理学的表現型に基づく疾患概念の定義と限局性結節性過形成との異同,またWHO分類(第5版)での肝細胞癌における遺伝子診断に基づく分類の導入などが挙げられる.

その他の動向としては混合型肝癌では病理組織学的用語の統一を図るべく2018年に「Hepatology」にコンセンサスレポートが発表されたが,今後引き続き混合型肝癌の概念,細胆管細胞癌の取り扱いが議論されると思われる.また,胆管上皮内腫瘍として胆管内乳頭状腫瘍(IPNB)と胆管内上皮内腫瘍(BilIN)がWHO分類(第5版)および原発性肝癌取扱い規約で採用されているが,IPNBの概念および組織学的基準については充分なコンセンサスを得られていなかったものの,type 1, type 2の亜分類とすることによりひとまずの混乱を回避している状態と思われる.

本書に先んじて刊行されたWHO分類(第5版)では,全般的に記載の簡略化がなされたが,新規の肝疾患項目としてBiliary adenofibroma,神経内分泌腫瘍neuroendocrine neoplasm(NEN)が追加された.いずれも典型例は極めて稀であるが,類似または関連した腫瘍を含めて本企画でも取り上げた.治療に関しては,従来の外科的切除,ラジオ波焼灼療法,肝動脈化学塞栓療法に加えて,分子標的薬や免疫チェックポイント阻害剤を併用した集学的治療も席巻しつつある.

今回の第2版発行にあたり,新WHO 分類(第5版)や近年のコンセンサスやトピックなど新規事項を取り入れつつ企画を立案し,わが国の肝臓病理専門医の総力を挙げての執筆をお願いした.肝癌病理診断の標準化を図りつつ鑑別疾患をも網羅し,さらに画像医学や治療法の要点・トピックも記載されている.病理医のみならず臨床医の肝腫瘍に関する理解の一助として,実臨床の現場で役立てていただければ幸いである.


令和2年10月

坂元亨宇
原田憲一

目次

第1部 検鏡前の確認事項

Ⅰ.肝癌組織分類の現状:肝癌取扱い規約とWHO分類から

 1.『原発性肝癌取扱い規約』による組織分類

 2.WHOによる組織分類

Ⅱ.病理標本の取扱い方

 1.肝臓手術検体の処理法

 2.生検組織検体の処理方法

 3.ゲノム医療における病理組織検体の取扱い

Ⅲ.肝癌の肉眼型診断

 1.肝細胞癌

 2.肝内胆管癌

Ⅳ.肝臓の解剖学・組織学

 1.肝臓の発生 

 2.肝臓の解剖

 3.肝臓の組織学

第2部 組織型と診断の実際

Ⅰ.肝細胞系腫瘍

 1.肝細胞癌

 2.早期肝細胞癌(dysplastic nodule, liver cell dysplasiaを含む)

 3.肝芽腫

 4.肝細胞癌の組織亜型

  1.硬化型肝細胞癌

  2.Fibrolamellar carcinoma

  3.Steatohepatitic HCC

  4.その他の亜型

  5.肝細胞腺腫

Ⅱ.胆管細胞系腫瘍

 1.肝内胆管癌(肝門部領域胆管癌を含む)

 2.細胆管細胞癌

 3.胆管内乳頭状腫瘍(IPNB)

 4.胆管内上皮内腫瘍(BilIN)

 5.粘液囊胞性腫瘍(MCN)

 6.胆管腺腫および類似病変

 7.Biliary adenofibroma

Ⅲ.混合型肝癌および未分化癌

 1.混合型肝癌

 2.未分化癌

Ⅳ.神経内分泌腫瘍(NEN)

 1.NET,NEC

 2.混合型

Ⅴ.腫瘍類似病変

 1.限局性結節性過形成

 2.その他の過形成性結節(結節性再生性過形成を含む)

 3.過誤腫

  1.胆管性微小過誤腫

  2.胆管周囲付属腺過誤腫

  3.肝間葉系過誤腫

  4.Multicystic biliary hamartoma

  5.前腸性肝囊胞

  6.その他の過誤腫性病変

 4.炎症性偽腫瘍/硬化性胆管炎

 5.肝内血行動態の変化に伴う偽病変・偽腫瘍

  1.偽病変・偽腫瘍の定義

  2.多血性偽病変

  3.third inflow 流入部の偽病変

Ⅵ.血管・間葉系腫瘍およびその他

 1.血管腫/肝紫斑症

  1.海綿状血管腫

  2.硬化性血管腫

  3.肝紫斑症

 2.血管肉腫/Hepatic small vessel neoplasm

 3.血管筋脂肪腫

 4.類上皮性血管内皮腫

 5.悪性リンパ腫および偽リンパ腫

  1.悪性リンパ腫

  2.偽リンパ腫

 6.その他

  1.未分化胎児性肉腫

  2.平滑筋肉腫

  3.孤立性線維性腫瘍

  4.胎児型横紋筋肉腫

  5.その他の稀な間葉系良性腫瘍

  6.その他の稀な間葉系悪性腫瘍

Ⅶ.転移性肝癌

 1.転移性肝癌と原発性肝癌との鑑別

 2.大腸癌肝転移における組織学的評価のポイント

 3.大腸癌肝転移に対する化学療法と化学療法関連肝障害

第3部 鑑別ポイント

Ⅰ.いわゆる境界病変の鑑別

 1.異型結節(DN)

 2.限局性脂肪化(FFC/FFL)

 3.限局性結節性過形成(FNH)およびFNH-like nodule

 4.血管筋脂肪腫(AML)

 5.肝細胞腺腫(HCA)

Ⅱ.多発肝細胞癌における多中心性発生と肝内転移

Ⅲ.腺癌の鑑別:偽腺管・硬化型,転移との鑑別

 1.胆管癌と鑑別を要する肝細胞癌

 2.胆管癌と鑑別を要する転移性肝癌

 3.胆管癌と鑑別を要する胆管病変

Ⅳ.肝門部胆管癌と肝内胆管癌の肝門部浸潤の鑑別

 1.肝門部領域癌に関する取扱いの現状

 2.腫瘍の主座を,詳細な切り出しと標本の観察で評価する

 3.肝門部に生じた腫瘍の評価方法

 4.問題点

Ⅴ.免疫染色からみた鑑別診断

 1.上皮性腫瘍

 2.非上皮系腫瘍

 3.転移性腫瘍

 4.腫瘍類似病変

Ⅵ.腫瘍鑑別診断のポイントと限界

 1.生検組織診断の実際

 2.様々な診断困難例とその対処法

 3.良性肝細胞性病変の生検診断法:旧来の診断法と新診断法

 4.肝細胞性病変の様々な非定型例に対する対応法:個別化診断(三次元診断)

第4部 臨床との連携

Ⅰ.背景肝病変・臨床所見との対比

 1.年代別変遷

 2.病態と予後

Ⅱ.代謝(メタボ)関連肝細胞癌

 1.非B非C肝細胞癌と代謝異常症

 2.メタボリック関連肝細胞癌の背景肝

 3.メタボリック関連肝細胞癌の臨床病理学的特徴

Ⅲ.画像所見との対比

 1.画像検査の特徴と画像所見

 2.肝癌の画像所見

 3.胆管癌の画像所見

Ⅳ.治療効果判定

 1.肝癌の治療効果判定における病理の役割

 2.肝動脈塞栓療法(TAE)の病理像

 3.Ablation療法の適応と問題点

 4.エタノール注入療法(PEI)の病理像

 5.ラジオ波熱凝固療法(RFA)の病理像

 6.TAE 併用RFA 療法の病理像

 7.分子標的治療薬の病理像

Ⅴ.病理診断報告書の記載:切除,生検

 1.申込書・依頼書

 2.病理診断報告書の実際

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書籍情報

  • ISBN:9784830622540
  • ページ数:324頁
  • 書籍発行日:2020年11月
  • 電子版発売日:2020年12月30日
  • 判:B5変型
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
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