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- 神経診察クローズアップ 正しい病巣診断のコツ 第3版
商品情報
内容
ロングセラーが5年ぶりにアップデート。OSCE対策/臨床実習/研修時に役立つ神経診察の方法と,その診察から導かれる病巣部位について必要十分な内容を掲載。
診察方法はコマ送りのイラストを豊富に記載し,医師と患者の動作や立ち位置の場面をリアルに表現。診察の仕方やコツ・ポイントなどが,写真よりわかりやすい表現・解説となっている。さらに①検者から患者への指示出しが吹き出しで示され,②正しい診察法と誤った診察法や③正常者と患者の反応が併記され,さらに④正しい診察するための重要ポイント(Check!!マーク)や⑤OSCEの学習に必須の臨床技術を表しているイラスト(OSCEマーク)が示され,初心者でも理解しやすい工夫が満載。
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序文
第3版 序 文
このたび,『第3版 神経診察クローズアップ』が出版される運びとなった。臨床神経学の根幹ともいえる神経学的診察の理論と手技を,初学者にも理解しやすく解説することを目的として編集された『神経診察クローズアップ』の初版が刊行されたのは2011年3月であった。本書は幸い好評をもって世に受け入れられ,第1版は第8刷まで増刷され,2015年には改訂第2版が発刊され第9刷まで増刷された。
神経診察(神経学的診察)は,日本神経学会の積年の努力によって,2008年の厚労省診療報酬改定において「神経学的検査」として保険収載された。この改定によって,脳神経内科の臨床経験を10年以上有し,地方厚生局長等に届け出ている医師が,定められた保険医療機関において神経学的検査を行い,その結果を患者およびその家族等に説明した場合に保険請求ができるようになった。神経学的検査は,意識状態,言語,脳神経,運動系,感覚系,反射,協調運動,髄膜刺激症状,起立歩行等を網羅的・総合的に診察し,結果を神経学的検査チャートに記載することによって算定される。2008年当初の「神経学的検査」の保険点数は300点であったが,2012年に400点,2016年には450点に,さらに2018年からは500点の算定となっている。
また,神経診察は,医学教育において知識だけではなく手技・実技についても重要視され,その習熟度が客観的に評価されるようになった。それは,文科省により共用試験とともに2014年から開始された,基礎医学を修めた後に臨床実習に進むために受験する客観的臨床能力試験(Objective Structured Clinical Examination;OSCE)においてである。神経診察からは多くの診察手技が必修課題として採択され,OSCEの中できわめて重要な位置を占めている。
以上のように,神経診察は実臨床においても,また医学教育においても重要性が増してきている。このような状況において本書に対して改訂と刷新の必要性が高まり,第3版が企画編集された。本改訂ではOSCEに準拠して,基本的で必修とも捉えられる項目に「OSCE」のマーカーを付した。本書が臨床の現場とともに医学教育の臨床実習の場でもさらに活用されるようになることを期待したい。
神経学的診察をお教えいただいた恩師慶應義塾大学名誉教授後藤文男先生が2019年5月に享年93歳で逝去された。筆を擱くにあたり,改めて後藤先生のご恩に感謝し,本第3版を捧げたい。
2020年11月
湘南慶育病院院長
慶應義塾大学名誉教授
鈴木 則宏
目次
神経診察に必要な診察器具
OSCE掲載頁一覧
神経解剖用語一覧
略語一覧
凡例(本書の特徴と使い方)
神経学的病巣診断の重要性 鈴木則宏
的確な医療面接(問診)と正しい神経診察が,より正確な診断をもたらす
神経内科とは
神経内科の診察の特徴
神経診察の方法と病巣部位
脳神経
●第Ⅰ脳神経(嗅神経)/髙橋愼一
診察の方法
嗅覚
診断プロセスからみる第Ⅰ脳神経の異常
病巣部位
考えられる疾患,鑑別に必要な検査
●第Ⅱ脳神経(視神経)/髙橋愼一
診察の方法
視力
視野(対座法)
眼底
診断プロセスからみる第Ⅱ脳神経の異常
病巣部位
考えられる疾患,鑑別に必要な検査
●第Ⅲ・Ⅳ・Ⅵ脳神経(動眼神経・滑車神経・外転神経)/髙橋愼一
診察の方法
瞳孔径,左右差,対光反射の診察
眼位,眼球運動の診察
眼振の診察
眼瞼下垂の診察
調節反射,輻輳反射,近見反射の診察
診断プロセスからみる第Ⅲ・Ⅳ・Ⅵ脳神経の異常
病巣部位
考えられる疾患,鑑別に必要な検査
●第Ⅴ脳神経(三叉神経)/髙橋愼一
診察の方法
顔面の触覚,温痛覚の診察
角膜反射の診察
咬筋の診察
診断プロセスからみる第Ⅴ脳神経の異常
病巣部位
考えられる疾患,鑑別に必要な検査
●第Ⅶ脳神経(顔面神経)/柴田 護
診察の方法
視診
額のしわ寄せの診察
閉眼の診察
鼻唇溝の診察
その他の診察
診断プロセスからみる顔面神経の診察
病巣部位
考えられる疾患,鑑別に必要な検査
●第Ⅷ脳神経(前庭蝸牛神経)/柴田 護
診察の方法
聴力検査
Rinne試験
Weber試験
前庭機能検査
診断プロセスからみる前庭蝸牛神経の診察
病巣部位
考えられる疾患,鑑別に必要な検査
●第Ⅸ・Ⅹ脳神経(舌咽・迷走神経)/柴田 護
診察の方法
咽頭の診察
催吐反射の診察
診断プロセスからみる舌咽・迷走神経の診察
病巣部位
考えられる疾患,鑑別に必要な検査
●第Ⅺ脳神経(副神経)/柴田 護
診察の方法
視診
胸鎖乳突筋の診察
上部僧帽筋の診察
診断プロセスからみる副神経の診察
病巣部位
考えられる疾患,鑑別に必要な検査
●第Ⅻ脳神経(舌下神経)/柴田 護
診察の方法
視診
挺舌
診断プロセスからみる舌下神経の診察
病巣部位
考えられる疾患,鑑別に必要な検査
運動系
●筋肉,筋トーヌス/高橋一司
診察の方法
筋肉の診察
筋トーヌスの診察
診断プロセスからみる筋肉,筋トーヌスの診察
神経原性筋萎縮か,筋原性筋萎縮か
錐体路の障害か,錐体外路の障害か
上位運動ニューロンの障害か,下位運動ニューロンの障害か
上位運動ニューロンについて
●筋力のみかた/高橋一司
診察の方法
徒手筋力検査の評価
徒手筋力検査による診察法/基礎レベル
徒手筋力検査による診察法/専門医レベル
診断プロセスからみる筋力の診察
●不随意運動/高橋一司
診察の方法
振戦
舞踏運動
チック
アテトーゼ
バリズム
ミオクローヌス
ジストニア
ジスキネジア
アステリキシス
偽性アテトーゼ
診断プロセスからみる不随意運動の診察
錐体外路について
各種の不随意運動の出現と病巣部位の関係
●姿勢,歩行/高橋一司
診察の方法
姿勢,歩行の診察
主な歩行異常
診断プロセスからみる姿勢,歩行の診察
反射/鈴木重明
診察の方法
腱反射の診察
間代の診察
表在反射の診察
病的反射の診察
原始反射の診察
姿勢反射の診察
反射の記載法
診断プロセスからみる反射の診察
反射から病巣部位を考える
具体例から考える
感覚系/伊藤義彰
診察の方法
表在感覚
深部感覚
診断プロセスからみる感覚障害の診察
病巣部位
感覚の経路
感覚障害の分布による局在診断
考えられる疾患,鑑別に必要な検査
小脳症状/清水利彦
診察の方法
手回内・回外試験
指鼻指試験
踵膝試験
膝叩き試験
Stewart-Holmes反跳現象の診察
Pendulousness
体幹運動失調の診察
構音障害
その他
診断プロセスからみる小脳症状の診察
病巣部位
考えられる疾患,鑑別に必要な検査
髄膜刺激症状/伊藤義彰
診察の方法
項部硬直の診察
Kernig徴候の診察
Brudzinski徴候の診察
jolt accentuation of headache 試験
鑑別すべき脊髄神経根刺激徴候の診察の方法
Lasègue徴候の診察
Jacksonテスト
Spurlingテスト
Lhermitte徴候の診察
診断プロセスからみる髄膜刺激症状の診察
それぞれの徴候の発現機序と病巣部位,鑑別疾患
考えられる疾患,鑑別に必要な検査
高次機能
●失語/伊東大介
診察の方法
診断プロセスからみる失語の診察
病巣部位
考えられる疾患,鑑別に必要な検査
●失行/伊東大介
診察の方法
診断プロセスからみる失行の診察
病巣部位
考えられる疾患,鑑別に必要な検査
●失認/伊東大介
診察の方法
診断プロセスからみる失認の診察
病巣部位
その他の重要な症候群
考えられる疾患,鑑別に必要な検査
●障害と責任病巣/伊東大介
意識障害患者の神経診察の方法 星野晴彦
意識レベル
日本式昏睡尺度,グラスゴー昏睡尺度
無動性無言,失外套症候群,閉じ込め症候群,せん妄の鑑別
眼底
視野
瞳孔
眼位,眼球運動
刺激を加えた際の眼球運動
角膜反射,睫毛反射
顔面神経麻痺
運動麻痺
感覚系
反射
髄膜刺激徴候
正しい病巣診断のために
病巣部位からみた神経局所症候/清水利彦,鈴木則宏
大脳皮質
内包
基底核
視床および視床下部
脳幹
小脳
脊髄
末梢神経
脳神経に関する症候群一覧/柴田 護
病巣診断の進め方/清水利彦,鈴木則宏
病巣診断とはなにか?
病巣診断の原則
中枢神経系の病巣診断
末梢神経の病巣診断
神経診察の記録/鈴木則宏,清水利彦
神経診察で得た所見をどのように記録するか
神経学的検査の記録
神経診察の記録の注意
総括
索引
疾患・症候群 索引
診察・検査名 索引
総索引
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書籍情報
- ISBN:9784758318129
- ページ数:333頁
- 書籍発行日:2020年11月
- 電子版発売日:2021年1月15日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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