脊椎脊髄ジャーナル33巻2号 脊柱靭帯骨化症UP TO DATE

  • ページ数 : 90頁
  • 書籍発行日 : 2020年1月
  • 電子版発売日 : 2021年2月17日
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内容

■特集 脊柱靭帯骨化症UP TO DATE
特集にあたって・・・山崎正志
脊柱靭帯骨化症診療ガイドラインの改訂にあたって・・・川口善治
K-lineを用いた頸椎後縦靭帯骨化症の術式選択・・・古矢丈雄, 他
ほか

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序文

特集にあたって

筑波大学医学医療系整形外科 山崎正志


後縦靭帯骨化という概念が初めて世に出たのは,1960 年の月本裕国先生による剖検例の報告による.それに端を発し,重篤な脊髄症状を呈する後縦靭帯骨化症(OPLL)の報告が本邦から相次ぎ,一時は,OPLL はJapanese Disease であると考えられた時期もあった.その後,諸外国からも報告がなされるようになり,本症が日本特有の疾患であるという誤解は解かれた.しかし,依然として脊柱管占拠率の大きい巨大な骨化に伴う治療困難例は本邦で圧倒的に多い.

当初,OPLL に関する疫学や病態の多くは不明であり,臨床の現場における診断・治療も混沌としていた.このような状況下,当時の厚生省(現・厚生労働省)が1975 年にOPLL を特定疾患(難病)に指定し,同時に「後縦靭帯骨化症調査研究班」(初代班長:津山直一先生)が組織され,脊椎外科を専門とする全国の整形外科医が中心となり,ALL JAPAN 体制で研究が開始された.そして,この研究班を中心に多くの情報が蓄積され,診断・治療の進歩につながった.特に,椎弓形成術をはじめとする安定した手術法が開発され,全国に広く普及するに至った.研究事業も1982 年に「脊柱靭帯骨化症調査研究班」と名称を変更し,今日まで継続している.

研究班の活動の一環として,OPLL に対するガイドラインが作成され,知識の平準化に大きく貢献した.研究班の対象は,初期には頸椎OPLL が主であったが,その後,胸椎OPLL,黄色靭帯骨化症,強直性脊椎骨増殖症などに対する研究が加わっている.

OPLL をはじめとする脊柱靭帯骨化症に関しては,疫学・自然経過,成因・病理・病態,診断,治療など,本誌でもこれまでに多くの論文が取り上げられてきた.ただ,それらの多くは特定の施設,あるいはグループからの報告であった.

2014 年に組織された「脊柱靭帯骨化症に関する調査研究班」(班長:大川淳先生)において,全国の多くの施設が参加する多施設研究,特に多施設前向き症例登録研究が数多く企画された.これらの研究は,脊柱靭帯骨化症の治療,特に手術に関してのエビデンスを打ち出し,普遍的な治療体系を確立することを目指すものである.研究班の活動は活発に行われ,十分なデータが蓄積してきたこともあり,今回,本誌での特集を企画した.

本特集では,研究班において多施設研究のデータのとりまとめに実際に携わっている先生方に執筆をお願いした.執筆にあたっては,脊柱靭帯骨化症診療の最近の進歩について具体的に記載していただいた.是非ご熟読いただき,読者の先生方の知識の整理・向上にお役立ていただければ幸甚である.

目次

特集

脊柱靭帯骨化症UP TO DATE


特集にあたって・・・山崎正志

脊柱靭帯骨化症診療ガイドラインの改訂にあたって・・・川口善治

K-lineを用いた頸椎後縦靭帯骨化症の術式選択・・・古矢丈雄, 他

頸椎後縦靭帯骨化症の手術治療・・・吉井俊貴

圧迫性頸髄症手術前後の転倒による症状悪化・・・木村 敦

頸椎後縦靭帯骨化症患者の全脊柱における靭帯骨化巣の評価・・・平井高志, 他

胸椎後縦靭帯骨化症の手術治療―最近の進歩・・・今釜史郎, 他

後縦靭帯骨化症に対する術中脊髄モニタリング・・・吉田 剛, 他

びまん性特発性骨増殖症に伴った脊椎損傷・・・岡田英次朗, 他

胸椎黄色靭帯骨化症に対する手術治療・・・安藤 圭, 他

進行性骨化性線維異形成症に関する臨床研究・・・芳賀信彦, 他

脊柱靭帯骨化症に対するロボットリハビリテーション・・・久保田茂希, 他

Nomade

臨床倫理を考える・・・矢野俊介

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書籍情報

  • ISBN:9784013003302
  • ページ数:90頁
  • 書籍発行日:2020年1月
  • 電子版発売日:2021年2月17日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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