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- 脊椎脊髄ジャーナル31巻8号 頸椎前方手術Up To Date
商品情報
内容
特集にあたって・・・山崎正志
頸椎前方アプローチにおける解剖・・・相庭温臣, 他
頸椎前方除圧固定における合併症と対策―安全な周術期管理のために・・・宮本 敬, 他
ほか
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序文
特集にあたって
筑波大学整形外科 山崎正志
わが国における頸椎外科の歴史を振り返ると,いわゆる振り子現象のように,前方法が主流の時代と後方法主流の時代が繰り返されて,頸椎外科全体が発展しているように思われる.そして,その趨勢は,欧米のそれとは若干,様相が異なっている.本邦における頸椎外科が独自の発展を遂げていることの主な要因として,病態として2つ,術式として2つ,本邦ならではの特性を挙げてみたい.病態としては,日本人の頸椎の脊柱管が欧米人に比して狭いこと,もう1つは,占拠率の大きい後縦靭帯骨化に伴う重度の脊髄障害の患者さんが本邦で圧倒的に多いことである.術式としては,本邦における椎弓形成術の開発とその隆盛,そして,中下位頸椎(C3-C7)の椎弓根スクリューの開発とその普及である.
わが国の頸椎外科は,当初は,欧米と同様に前方法が主流であった.しかし,脊柱管が狭いことで,前方除圧固定術後の隣接椎間障害に伴う脊髄症の再増悪が多発する結果となった.欧米でも同様に隣接椎間障害は発生していたが,こちらは神経根症が主であったので,本邦ほど深刻な問題とはならなかった.そして,巨大な後縦靭帯骨化を開削する前方法は難度がきわめて高く,本邦の脊椎外科医を悩ませた.
そこに登場した椎弓形成術は,上述の問題を解決できる救世主的な存在であった.前方法に比べて,手技がはるかに容易であり,加えて術後の管理も苦労が少なかった.本邦における頸椎手術の多くが後方法にシフトしたのも,もっともといえる.一時期は,ほとんどの頸椎症性脊髄症,後縦靭帯骨化症の手術が椎弓形成術で対応可能であるという風潮が日本全土に広まった感がある.椎間板ヘルニアまでもが,椎弓形成術で対応可能という報告が散見された.
C3-C7椎弓根スクリューの登場も,後方法の普及に弾みをつけた.欧米,特に米国では,現在でもほとんど行われていない椎弓根スクリューが,本邦では相当に普及した.本邦の脊椎外科医の技量の高さ,高度な技術を習得せんとする職人気質が,この普及を後押ししたように思う.確かに,椎弓根スクリューを主軸とする頸椎インストゥルメンテーションの発展は,後方からの脊柱再建を可能とした.
このような後方法の隆盛に伴って,前方法を行う施設が激減した.限られた施設を除き,本邦のほとんどの施設が後方法に大きくシフトして頸椎手術を行うようになった.若い先生方にとっては,頸椎の前方手術を執刀する機会が圧倒的に少なくなった.
ところが,後方法が主流の時代のデータが蓄積され,それが解析されると,後方法では対応できない症例が少なからず存在することが明らかになってきた.K-lineなどの術式選択の基準についても,報告がなされるようになった.後方インストゥルメンテーション手術についても,合併症のリスクが次第に明らかになってきた.後方インストゥルメンテーション手術では,後方筋群に対する侵襲が大きいが,前方法であれば,より低侵襲で手術が可能であることも周知されてきた.
このような状況下,最近では,前方法への振り戻しが生じているように思う.加えて最近では,前方法の手術手技にもさまざまな進歩がみられる.頸椎用のケージ,プレート・スクリューのシステム,人工骨の開発などである.後方法主流の時代にあっても前方法を続けてきた施設では,手術手技の向上に関するノウハウが蓄積された.前方法の合併症の詳細も解析され,それらに対する対策も整備されつつある.頸椎人工椎間板の臨床使用が本邦で始まったことも,前方法の追い風になっている.
今回の特集では,わが国の脊椎外科医の関心が前方法に向けられつつある中で,前方法の最近の進歩についてまとめてみたいと思い,「頸椎前方手術Up To Date」を企画した.
本誌の編集会議では,整形外科と脳神経外科では,前方法に関する考え方,歴史,対象とする疾患,手技が少なからず異なることが話題となった.そこで,整形外科と脳神経外科の共同企画ということで,本特集の編集を進めた.脳神経外科関連の項目に関しては,飛驒一利先生(札幌麻布脳神経外科病院)に取りまとめをお願いした.飛驒先生のご尽力に,この場を借りて御礼を申し上げる次第である.
目次
■特集 椎前方手術Up To Date
特集にあたって・・・山崎正志
頸椎前方アプローチにおける解剖・・・相庭温臣, 他
頸椎前方除圧固定における合併症と対策―安全な周術期管理のために・・・宮本 敬, 他Midline groove法を用いた頸椎前方除圧固定術・・・三原久範, 他
頸椎前方経椎体キーホール神経根減圧術・・・高安正和
チタンコーティングPEEKケージと多孔質HAp/Col人工骨を用いた頸椎前方椎体間固定術・・・松倉 遊, 他
チタンケージを用いた頸椎症,頸椎後縦靭帯骨化症の手術・・・水野正喜
頸椎前方アプローチによる脊髄髄外腫瘍の手術適応と注意点・・・髙見俊宏, 他
頸髄腹側の脊髄動静脈瘻に対する前方からの外科治療・・・飛騨一利
頸椎前方椎弓根スクリューを用いた頸椎前方除圧固定術・・・新籾正明
頸椎人工椎間板置換術・・・吉井俊貴
■Nomade
引っ越しからの贈り物・・・武者芳朗
■特別対談
外科医にとって手術イラストを描く意義とは ?―『Dr. BABAのメディカルイラストレーション講座』発刊に寄せて・・・馬場元毅, 山崎正志
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書籍情報
- ISBN:9784013003108
- ページ数:90頁
- 書籍発行日:2018年7月
- 電子版発売日:2021年3月5日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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