- m3.com 電子書籍
- 中山書店
- 脳卒中データバンク2021
脳卒中データバンク2021
国循脳卒中データバンク2021編集委員会 (編) / 中山書店
商品情報
内容
※本製品はPCでの閲覧も可能です。
製品のご購入後、「購入済ライセンス一覧」より、オンライン環境で閲覧可能なPDF版をご覧いただけます。詳細はこちらでご確認ください。
推奨ブラウザ: Firefox 最新版 / Google Chrome 最新版 / Safari 最新版
序文
『脳卒中データバンク2021』発刊にあたって
2001年冬,当時勤務していた福岡の市中病院で,患者退院要約を新たに組まれたウェブ入力方式の症例登録票に写し直すよう上長から依頼されました.日々の診療に追われていた私には,この作業が産み出す価値に気づくゆとりも,ましてやこの取り組みの依頼者サイドに将来自分が立つと予感することもなく,黙々と入力作業を続けました.
2004年晩秋,島根大学の小林祥泰先生から上長経由で13,000件の臨床情報を手渡され,脳梗塞急性期再発を調べるよう依頼されました.わずか数年でこれほどの情報を蓄えたのかと驚きました.簡単なまとめでしたが,『脳卒中データバンク2005』の書籍に掲載していただき,成果を国内,国際学会での発表,英文誌への原著論文掲載にまで繋げることができて,多施設共同研究の小さな成功体験を得ることができました.
2014年初秋,颱風が去ったばかりの出雲,島根大学に,峰松一夫国立循環器病研究センター(国循)名誉院長(当時副院長),同僚の吉村壮平君と3人で向かいました.小林先生畢生の事業と思われた脳卒中データバンクの管理運営を,国循に移したいと自らおっしゃり,私は仰天し意気に感じ,より正直に云えばとんでもない荷物を背負わされた困惑を覚えました.
2021年早春,今世紀20年間の本事業の成果を集約した本書『脳卒中データバンク2021』を,同僚たちとともに編集し上梓できることに,巡り合わせの妙を感じます.同時にこの5年間の国循での管理運営の成果が世に晒され,読者の皆様からどう評価されるか,恐ろしくもあります.全国の「20年前の私」が学術的対価を求めようともせずに入力した個票の集積に,果たして社会や医学に貢献できる価値を加えられただろうかと,責任を感じています.本書の発刊に先駆けて,2020年10月に脳卒中医療を含めた循環器病対策推進基本計画も閣議決定されました.今後より需要が高まるであろう脳卒中情報の発信材料として,この書籍を皆様が使っていただければ幸いです.
本書は2018年末までに入院し登録された199,599例の情報をもとに,執筆されています.第2部では登録件数500件以上の参加施設の先生方から手挙げ方式で分担課題を選んで,執筆していただきました.先生方への負担を軽減しようと20程度の課題に絞り込んだのですが,それを大きく上回る御施設から執筆希望を名乗り出ていただき,結果として多くの先生方に執筆をお断りする結果となりました.自らの不明を愧じます.第3部では脳卒中データバンクの情報を用いて英語原著論文を発表された先生方に,論文内容の解説をお願いしました.発表当時のデータで良いですよとお伝えしましたが,多くの先生方が最新の情報を加えて論文成果を更新した解析結果を執筆してくださいました.
また,小林祥泰先生に,本事業の歴史と将来展望について寄稿していただきました.医療情報をインターネットで取り扱うことが稀であった時代に本事業を立ち上げ,大きく結実させた過程が分かります.峰松一夫先生には,2018年12月に成立した「脳卒中・循環器病対策基本法」と,それを背景とした脳卒中登録事業の必要性を,分かりやすく解説していただきました.
発刊にあたって,膨大な臨床情報の提供にご尽力くださった全国の参加施設の皆様,分担執筆者の先生方,中山書店編集部の皆様,国循循環器病統合情報センター並びに脳血管内科の編集委員会メンバーに,深く感謝いたします.内輪褒めになりますが,編集委員会の皆が忙しい他業務を遣り繰りして編集を加勢してくれた中で,とくに循環器病統合情報センター統計解析室の中井陸運(みちかず)室長が,今回の分担執筆内容の解析の実行と確認を行ったことを,記させていただきます.読者の皆様が本書の解析内容に得心していただけるのであれば,中井室長の頑張りが少なからず寄与していると思います.
2021年1月
国循脳卒中データバンク2021 編集委員会委員長
国立循環器病研究センター副院長
豊田 一則
目次
第1部日本脳卒中データバンク(JSDB)の概要
1.日本脳卒中データバンクの運営システムと臨床情報入力システム/吉村壮平,笹原祐介
2.日本脳卒中データバンクの解析の方針と診断名,評価尺度/豊田一則
3.日本脳卒中データバンク─ 17 万例の臨床情報解析結果─/豊田一則,中井陸運
特別寄稿1.日本脳卒中データバンク(JSDB)の歴史と将来展望/小林祥泰
特別寄稿2.脳卒中・循環器病対策基本法と脳卒中登録事業/峰松一夫
第2部脳卒中診療のホットテーマとエビデンス
1.脳卒中と血圧値,高血圧症/上山憲司,大里俊明,渡部寿一,麓 健太朗,荻野達也,中村博彦
2.脳卒中と糖・脂質代謝障害/八木田佳樹,大山直紀
3.心疾患合併脳卒中/吉村壮平
4.腎機能障害と脳卒中(脳梗塞,脳出血)/三輪佳織
5.深部白質病変の進展が脳卒中の重症度,転帰に与える影響/園田和隆
6.脳動脈解離,もやもや病と脳卒中/柏原健一
7.一過性脳虚血発作後の虚血イベントの頻度および予測因子/上原敏志
8.虚血性脳血管障害例における頭蓋内動脈狭窄の特徴/徳田直輝,今井啓輔
9. branch atheromatous disease(BAD)とラクナ梗塞の臨床的比較検討/梅村敏隆
10.日本における椎骨脳底動脈系の脳梗塞の特徴/小柳正臣・波多野武人
11.脳梗塞急性期の頸動脈エコー検査/吉村壮平
12.頸動脈狭窄症と頸動脈内膜剝離術(CEA),頸動脈ステント留置術(CAS)/西村 中・飯原弘二
13.脳梗塞患者の救急受診と静注血栓溶解療法,急性期脳血管内治療/丸山路之
14.虚血性脳血管障害に対する急性期抗血小板薬併用療法/杉森 宏
15.脳梗塞への抗凝固療法/板橋 亮
16.急性期リハビリテーションの実施状況と食事に関する検討/福田弘毅
17.脳梗塞入院後の進行,再発と症候性頭蓋内出血/佐々木正弘,鈴木明文,師井淳太,石川達哉
18.脳出血部位,血腫量と転帰/宇野昌明
19.脳出血患者における抗血栓薬内服割合の変遷とその影響/園田和隆
20.脳出血の外科治療/大仲佳祐,溝上達也,若林伸一
21.脳血管攣縮の頻度と転帰/玉井雄大,井上雅人,原 徹男
22.脳卒中と栄養管理─病型,来院時 NIHSSと栄養摂取経路,嚥下評価,栄養サポートチーム評価日,言語聴覚士介入日─/片山正輝,小泉健三,菅 貞郎
23.脳卒中患者の来院方法と時間帯/大前智也,柳澤俊晴
第3部JSDBを用いた最近の研究
緒 言
1.脳卒中と性差/前田亘一郎
2.脳卒中の季節変動/瀧澤俊也
3.飲酒と脳梗塞/汐月博之,西條泰明,大櫛陽一,小林祥泰
4.発症前抗血栓療法と入院時神経学的重症度の経年的変化/祢津智久,細見直永,丸山博文
5.加齢の面からみた虚血性脳卒中/加藤裕司
6.心房細動の種類と脳梗塞/出口一郎
7.脳梗塞のエダラボン治療/小林 奏
8.スタチン治療と脳梗塞転帰 J-STARS-L ‐本試験のJ-START 終了後から振り返って‐/野村栄一
9.脳出血重症度と転帰の危険因子/細見直永
10.くも膜下出血と続発性正常圧水頭症/山田茂樹
11.破裂脳動脈瘤の退院時転帰/井川房夫
12.破裂脳動脈瘤に対する開頭手術と脳血管内手術のスコアリングモデル開発と検証/吉山道貫,井川房夫
日本脳卒中データバンク運営規約,運営委員会,事務局,2021 編集委員会
日本脳卒中データバンク参加施設
索引
便利機能
- 対応
- 一部対応
- 未対応
-
全文・
串刺検索 -
目次・
索引リンク - PCブラウザ閲覧
- メモ・付箋
-
PubMed
リンク - 動画再生
- 音声再生
- 今日の治療薬リンク
- イヤーノートリンク
-
南山堂医学
大辞典
リンク
- 対応
- 一部対応
- 未対応
対応機種
-
iOS 最新バージョンのOSをご利用ください
外部メモリ:19.5MB以上(インストール時:45.2MB以上)
ダウンロード時に必要なメモリ:78.2MB以上
-
AndroidOS 最新バージョンのOSをご利用ください
外部メモリ:19.5MB以上(インストール時:45.2MB以上)
ダウンロード時に必要なメモリ:78.2MB以上
- コンテンツのインストールにあたり、無線LANへの接続環境が必要です(3G回線によるインストールも可能ですが、データ量の多い通信のため、通信料が高額となりますので、無線LANを推奨しております)。
- コンテンツの使用にあたり、m3.com電子書籍アプリが必要です。 導入方法の詳細はこちら
- Appleロゴは、Apple Inc.の商標です。
- Androidロゴは Google LLC の商標です。
書籍情報
- ISBN:9784521748856
- ページ数:199頁
- 書籍発行日:2021年3月
- 電子版発売日:2021年3月31日
- 判:AB判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
お客様の声
まだ投稿されていません
特記事項
※ご入金確認後、メールにてご案内するダウンロード方法によりダウンロードしていただくとご使用いただけます。
※コンテンツの使用にあたり、m3.com 電子書籍が必要です。
※eBook版は、書籍の体裁そのままで表示しますので、ディスプレイサイズが7インチ以上の端末でのご使用を推奨します。