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- ダウン症のすべて 改訂2版
商品情報
内容
知っておきたいこと,知ってほしいこと
すべてが詰まった決定版です!
妊娠出産の高齢化に伴って増えてきているダウン症児について,その身体的特徴から可能性の高い疾患の診断・治療,リハビリ,さらには生活面のサポートまでを網羅したガイドブック.正しい知識と対応法が分かりやすいと,医療者のみならず学校関係者等にも好評を得てきた.今版では近年の進歩や変化を踏まえて全体を見直し,形成外科や歯科,ファシリティードッグなど,新たな項目も追加.さらにパワーアップした決定版である.
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序文
2 版の序
初版「ダウン症のすべて」が2018 年8 月に発刊され,1 年と少し経った頃,出版社からメールをいただきました.それは,初版本の在庫が少なくなってきたため増刷が必要だという嬉しいご連絡でした.まだ出版されて間もないのでそのまま増刷でよいかとも悩みましたが,追加したい内容も出てきたため,新たに項目を加え,第2 版として全体を見直すこととしました.初版からの項目は,一部内容の追加や更新を行いました.
新たに加えた項目は,
①成人期の特徴や外来の成人移行,そしてダウン症研究の歴史や最前線情報
②側弯症について
③ 「形成外科分野」を追加し,内眼角贅皮,睫毛内反,口唇口蓋裂などに対する機能的な治療に加えて,整容的治療やその適応などについて
④ダウン症の成長過程でとても重要な「摂食」を含む歯科分野
⑤ 患児およびご家族を含めた心のサポートやケアを目的とする,CLS(child life specialists)やファシリティドッグの活動内容の紹介
です.新しくスペシャリストの方々に執筆していただき,ダウン症のちびっこの生活に直結する問題点を知りその対応やサポートについて理解する大切な内容となりました.
初版以来,「とても濃い内容で診療に役立ちました」,「循環器の先生にお勧めしました」「(ご家族から)図書館で読みました」など,多くの方々に声をかけていただきました.また大先輩の先生方に「こういう本を作りたかった」とか,いかに新生児医療が発達してきたかについてなど熱いお手紙をいただいたこともありました.2020 年は新型コロナの世界的パンデミックにより,医療の臨床の現場でとても大きな影響を受けましたが,それと同時に,医学の学術の世界でも学会・研究会・セミナーなどの学術活動が縮小や中止に追い込まれました.そのように新しい研究発表・学習・情報交換の場が少ないなか,この「ダウン症のすべて」は本当に多くの方々に手に取っていただけているんだなと実感でき,とても感激し励まされました.その書籍に,新たに最新の情報を付け加えることができ,さらに内容を充実させることができましたこと,お忙しい中執筆をしてくださった著者の方々への感謝に堪えません.
この本を一歩ずつ前進させ,その先にはダウン症のみんな,そしてその家族,まわりの方々が,よりよい環境でより健康で幸せに生活できるように,その一助となる百科事典となったら嬉しいです.
2021年3月
独立行政法人静岡県立病院機構 静岡県立こども病院 麻酔科 医長
諏訪まゆみ
目次
I 総 論
1 ダウン症候群(21トリソミー・trisomy 21)とは〈石切山 敏〉
(1) ダウン症候群と21トリソミー
(2) ダウン症候群の臨床像(臨床所見と合併症・予後)
(3) 予後
(4) 発生率
(5) 病因
(6) 遺伝予後
2 診断
1.出生前診断・胎児診断〈西口富三〉
(1) 出生前診断の手法
(2) 非確定的検査
(3) 確定的診断法
(4) 検査にあたっての留意点
2.胎児診断・出生後診断〈満下紀恵〉
(1) 胎児診断・出生前診断
(2) 21トリソミー児の合併疾患
(3) 胎児超音波検査
(4) 出生後診断
(5) 親への告知と家族支援
3.最終診断〈石切山 敏〉
3 発育・発達〈小林繁一〉
(1) 発育
(2) 運動発達
(3) 知的発達
(4) 言語発達
(5) 社会性の発達
(6) 就学と就労
(7) 老化
(8) 発達障害
4 ダウン症候群のトータルケア〈清水健司〉
(1) トータルケアの実際
(2) 包括的診療連携
(3) 成人期への移行期医療
II 各 論
1 循環器疾患
1.正常な心臓〈田中靖彦〉
(1) 心臓の構造
(2) 内分泌器官としての心臓
(3) 血液の流れ
2.動脈管と大動脈弓およびその分枝の異常〈金 成海〉
(1) 動脈管開存症
(2) 大動脈弓とその分枝の異常
3.心房中隔欠損症
(1) 症状〈金 成海〉
(2) 診断〈金 成海〉
(3) 閉鎖術の適応および至適時期〈金 成海〉
(4) 経カテーテル的閉鎖術〈金 成海〉
(5) 手術〈村田眞哉〉
(6) 術後経過・外来フォロー〈金 成海〉
4.心室中隔欠損症
(1) 心室中隔欠損の分類〈芳本 潤〉
(2) 病態〈芳本 潤〉
(3) 症状と身体所見〈芳本 潤〉
(4) 治療と術前管理〈芳本 潤〉
(5) 手術〈村田眞哉〉
(6) 術後経過,検査,外来フォロー〈芳本 潤〉
5.ファロー四徴症
(1) 疫学,解剖,病理〈芳本 潤〉
(2) 症状・診察および検査所見〈芳本 潤〉
(3) 治療方針と術前管理〈芳本 潤〉
(4) 手術〈村田眞哉〉
(5) 術後経過,検査,外来フォロー〈芳本 潤〉
6.房室中隔欠損症
(1) AVSDの分類〈新居正基〉
(2) 頻度〈新居正基〉
(3) 血行動態〈新居正基〉
(4) 症状〈新居正基〉
(5) 診断〈新居正基〉
(6) 術前管理〈新居正基〉
(7) 手術〈村田眞哉〉
(8) 術後経過〈新居正基〉
7.肺高血圧〈田中靖彦〉
(1) 肺高血圧とは
(2) ダウン症候群における肺高血圧
(3) 先天性心疾患と肺高血圧
(4) 胎児循環から生後循環へ
(5) 左右短絡疾患における肺血管抵抗,肺動脈圧の変化
(6) ダウン症候群における先天性心疾患での肺高血圧の進行
(7) 肺高血圧がなぜ問題になるのか
(8) ダウン症候群における肺高血圧の症状
(9) 肺高血圧の診断
(10) 肺高血圧の治療
(11) アイゼンメンジャー症候群
(12) 上気道閉塞による肺高血圧
8.麻酔管理〈平野博史〉
(1) 術前診察
(2) 前投薬
(3) 麻酔導入〜気管挿管
(4) 麻酔維持
(5) 覚醒〜抜管
(6) 特殊な事例
9.術後管理〈大崎真樹 濱本奈央〉
(1) 循環管理
(2) 気道管理
(3) 呼吸管理
(4) 鎮静・鎮痛
(5) 栄養
10.看護管理〈杵塚美知〉
(1) 術前看護
(2) 術後看護
(3) 回復期・退院前管理
11.人工心肺って?〈岩城秀平〉
(1) 送血ポンプ
(2) 人工肺
(3) 人工心肺回路
(4) 心筋保護液(供給装置)
(5) 心臓手術の実際の流れ(心室中隔欠損症の一例)
2 消化器疾患
1.十二指腸閉鎖症・狭窄症〈福澤宏明〉
(1) 症状
(2) 検査・診断
(3) 治療・手術
(4) 術後管理
(5) 予後
2.直腸肛門奇形(鎖肛)〈森田圭一〉
(1) 病型
(2) 診断
(3) 手術
(4) 術後管理・予後
3.ヒルシュスプルング病〈福澤宏明〉
(1) 症状
(2) 検査・診断
(3) 治療・手術
4.便秘症〈森田圭一〉
(1) 症状
(2) 診断
(3) 治療
5.腹部手術の鎮痛〈諏訪まゆみ〉
(1) 硬膜外ブロック
(2) 脊髄くも膜下ブロック
(3) 末梢神経ブロック
(4) 静脈鎮痛
(5) 静脈鎮静
3 呼吸器疾患
1.呼吸器感染症〈小林 匡 川崎達也〉
(1) 呼吸器感染症に影響を及ぼしうるダウン症の特徴
(2) ダウン症と上気道炎
(3) ダウン症と下気道炎・肺炎
(4) ダウン症児と新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
(5) ダウン症児の重症管理
(6) ダウン症と感染予防
(7) 家族,学校関係者など医療に従事していない方へ
2.気道狭窄〈福本弘二〉
(1) 症状
(2) 診断
(3) 治療
3.気道疾患の麻酔管理〈諏訪まゆみ〉
(1) 気道の検査の麻酔
(2) 気管支ファイバー治療の麻酔
(3) 気管切開の麻酔
(4) 気管手術の麻酔
4 眼科疾患〈西村香澄〉
(1) 眼瞼
(2) 屈折異常
(3) 視力
(4) 調節
(5) 斜視
(6) 眼振
(7) 涙道
(8) 角膜
(9) 虹彩
(10) 水晶体
(11) 眼底
(12) 視神経
(13) 緑内障
5 耳鼻咽喉科疾患
1.聴覚障害〈橋本亜矢子〉
(1) 伝音難聴
(2) 感音難聴
2.中耳炎
(1) 症状〈橋本亜矢子〉
(2) 診断・分類〈橋本亜矢子〉
(3) 治療・手術〈橋本亜矢子〉
(4) 麻酔,術後管理,鎮静鎮痛〈北村祐司〉
3.閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)
(1) 症状〈橋本亜矢子〉
(2) 診断〈橋本亜矢子〉
(3) 治療・手術〈橋本亜矢子〉
(4) 麻酔,術後管理,鎮静鎮痛〈北村祐司〉
6 整形外科疾患
(1) 環軸椎亜脱臼〈滝川一晴〉
(2) 脊柱側弯症〈藤本 陽〉
(3) 股関節疾患〈滝川一晴〉
(4) 恒久性・習慣性膝蓋骨脱臼(亜脱臼)〈滝川一晴〉
(5) 外反扁平足〈滝川一晴〉
(6) 麻酔管理〈平野博史〉
7 血液疾患
1.急性白血病〈堀越泰雄〉
(1) 疫学
(2) 病態
(3) 症状
(4) 診断,分類
(5) 検査
(6) 治療
2.一過性骨髄異常増殖症〈堀越泰雄〉
(1) 病態
(2) 疫学
(3) 症状
(4) 診断
(5) 検査
(6) 治療
(7) ガイドライン
3.麻酔管理〈平野博史〉
8 内分泌代謝疾患〈上松あゆ美〉
(1) 甲状腺機能低下症
(2) 甲状腺機能亢進症(バセドウ病)
(3) 低身長
(4) 肥満
9 神経疾患〈渡邉誠司〉
(1) 神経学的特性に起因する症状
(2) 早期認知機能低下,早老
(3) てんかん
10 形成外科疾患〈加持秀明〉
(1) 睫毛内反症
(2) 耳介低位・耳介変形
(3) 多母指症
(4) 口唇口蓋裂
(5) ダウン症候群特異的顔貌に対する整容的手術
11 歯科的特徴〈渡邉桂太 竹下育男〉
(1) 口腔内の特徴
(2) 歯科診療における注意点
(3) 摂食嚥下障害
12 麻酔のトピックス
1.呼吸管理〈北村祐司〉
(1) 上気道閉塞のメカニズムを理解しよう
(2) 解剖学的バランスと神経性調節が上気道開通維持のカギ
(3) 成長発達に伴って21トリソミー患児の上気道開通性は変化する
2.鎮静〈加古裕美〉
(1) 術後鎮静
(2) 検査鎮静
3.鎮痛〈加古裕美〉
(1) Multimodal analgesia
(2) 術後鎮痛
4.その他〈加古裕美〉
(1) 頸椎不安定性
(2) 末梢血管確保
(3) 総合的な麻酔計画
13 院内での心のサポート
1.CLS(Child Life Specialist)〈作田和代〉
(1) 子どもの特徴を共有する
(2) 子どもが安心できる環境をつくる
(3) 子どもとの効果的なコミュニケーション
(4) 医療を受ける子どもへのプリパレーション
2.ファシリティドッグ〈村田夏子 鈴木恵子〉
(1) 概要
(2) 感染症対策
(3) 実際の事例
14 手術室ってどんなところ?〈古賀里恵〉
(1) 術前
(2) 手術室で
(3) 術後
15 新生児期・乳児期の発育発達,早産児〈伴 由布子〉
(1) 発育発達に関わる因子
(2) 身体発育
(3) 発達
(4) 早産,低出生体重児
(5) 早期療育の重要性
16 理学療法・作業療法・言語聴覚療法
1.理学療法〈稲員恵美〉
(1) ダウン症の運動発達特性
(2) 低緊張に対する乳児期早期の姿勢ケア
(3) 頸定発達
(4) 寝返りについて
(5) シャフリングについて
(6) 座位の発達
(7) 立位歩行の発達
2.作業療法〈鴨下賢一〉
(1) ダウン症の特徴
(2) 新生児期・乳児期の作業療法
(3) 幼児期から学齢期の作業療法
(4) 食事について
(5) 着替えについて
(6) 排泄について
(7) 学習に使用する道具操作について
(8) 就労に向けての作業療法
3.言語聴覚療法〈北野市子 鈴木 藍〉
(1) ダウン症児の言葉の特徴
(2) 基礎的な関わり方
(3) 聴力検査について
(4) 合併症を考慮した関わり
17 読書〈塚田薫代〉
(1) ダウン症の子に本を読むこと
(2) 実は読む人にも良い効果がある
(3) ダウン症児は感性豊か
(4) ダウン症がテーマの本
(5) その他役立つ本と情報など
18 音楽療法〈勝山真弓〉
(1) 「在宅」という場
(2) 楽器を使うこと
(3) 声を出すこと
(4) かかわりあい
(5) 「場」の拡がり
19 保育について ― 生活習慣と遊び〈山本和子〉
(1) 保育のポイント
20 学校・就労サポートについて〈貞森保秀 徳増五郎 池上千穂〉
(1) 特別支援教育をめぐる制度について
(2) 就学に関する手続きについて
(3) 通常学級,通級指導教室,特別支援学級について
(4) 特別支援学校について(現行の学習指導要領による)
(5) 進路指導について
(6) 移行・定着支援について
21 妊娠・出産について〈大西庸子〉
(1) 妊娠について
(2) 出産について
(3) 避妊について
III ダウン症候群 研究最前線2020〈清水健司〉
(1) 背景
(2) 病態解明の進歩
(3) 創薬・治療研究
医療費助成制度・福祉制度〈城戸貴史〉
在宅支援に関連したもの ― 子どもの場合〈城戸貴史〉
ダウン症児の母となって〈M.Y.〉
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書籍情報
- ISBN:9784498145634
- ページ数:324頁
- 書籍発行日:2021年4月
- 電子版発売日:2021年4月7日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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