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救急現場における精神科的問題の初期対応;PEECガイドブック改訂第2版;多職種で切れ目のない標準的ケアを目指して
日本臨床救急医学会 (総監修) / 日本臨床救急医学会「自殺企図者のケアに関する検討委員会 (監) / PEECガイドブック改訂第2版編集委員会 (編) / へるす出版
商品情報
内容
多職種チームで救急現場の精神科的問題に挑む
・自殺未遂者の多くが救急医療機関に搬送されている現状を受け、日本臨床救急医学会では、2007年に「自殺企図者のケアに関する検討委員会」を立ち上げ、テキストの作成と講習会を開催してきました。こうした活動のなかで、その必要性から、アルコールや薬物依存患者、混迷状態の患者やトラブルを起こす患者への対応などにも範囲を広げ作成されたものが本書です。
・本書は、救急現場で精神科医のいない状況でも、精神科的症状を呈する患者へ、安全で患者にとっても安心な“標準的”初期対応ができるためのガイドブックであり、「PEEC(ピーク)」とよばれる同教育コースのテキストにあたります。
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序文
監修にあたり
このたび,日本臨床救急医学会(本学会)の総監修の下「PEECTM(PsychiatricEvaluation in Emergency Care)ガイドブック」の改訂第2 版が発行されることになりました。
救急医療の現場では精神疾患を抱えた患者に遭遇することがしばしばあります。精神疾患による精神症状を主訴として来院する患者だけでなく,自殺企図により外傷,熱傷や急性中毒などの外因性疾患で搬入される患者,身体症状を訴えて来院したが,その背景にアルコールや薬物依存あるいは精神疾患の既往をもつ患者などさまざまな状況があります。日常的には身体的な救急疾患を主な対象としている救急医や救急看護師にとって,このような精神疾患に対応することに慣れていないため戸惑うことも多く,時には診療を忌避したくなるような深刻な事態もありますが,身体疾患の治療と並行して併存する精神疾患に対応することも当然の責務となります。救急部門で精神科医の迅速な支援が得られれば,このような患者の精神症状を評価し,自殺企図や潜在する精神疾患に対する精神科的介入の契機とすることができますが,そのような体制をとれる施設は少数です。多くの施設では,救急医や救急看護師が精神科的アプローチを習得し,自ら対応せざるを得ないのが実情です。
本学会ではこの問題の解決を図るため「自殺企図者のケアに関する検討委員会」を立ち上げて講習会を開催してきました。平成24(2012)年には対象にアルコールや薬物依存患者,昏迷状態の患者やトラブルを起こす患者への対応などにも範囲を広げて本書の初版を上梓しました。以後,全国で行われるPEECTMコースのテキストとして,臨床現場における指針として,チーム医療における共通言語として長く活用されてきましたが,6 年の歳月を経る間に読者の皆様からいただいたご意見も参考にして全面改訂を果たすことにいたしました。本学会の特色である多職種によるチーム医療の推進を重視し,冒頭の総論において救急医,精神科医,看護師,ソーシャルワーカー,臨床心理士のそれぞれの立場にとってのPEECTMについて解説を行いました。また,救急隊員や救急救命士が直面する病院前の精神症状の評価とトリアージについても取り上げました。災害時のメンタルヘルスケアとDPAT(災害派遣精神医療チーム)も新たなシナリオを加えて言及いたしました。その他の各章も最新の知見を取り入れ,より理解しやすく改訂を行いました。
他に類をみない学際的なテキストである本書が,今回の改訂によりさらに使いやすいものとなり,救急現場の負担軽減と救急診療の質の向上に活用されることを期待しています。
2018年4月
一般社団法人 日本臨床救急医学会
代表理事 坂本 哲也
目次
Ⅰ章 総論
1 身体科救急スタッフにとってのPEECTM―その歩み,現状と今後
2 救急医療における精神科的問題への対応―PEECTM精神科医編
3 救急医療における精神科的問題への対応―PEECTM看護師編
4 救急医療における精神科的問題への対応―PEECTMソーシャルワーカー編
5 救急医療における精神科的問題への対応―PEECTM臨床心理士編
Ⅱ章 各論
1 病院前における精神症状の評価とトリアージ
2 救急医療機関における精神症状の評価
3 救急医療における精神症状を呈する患者に対する面接法
4 精神症状を呈する患者の診療手順
5 自殺未遂患者への対応
6 自傷他害のおそれのある患者への対応
7 昏迷状態患者への対応
8 アルコール・薬物依存が疑われる患者への対応
9 せん妄が疑われる入院患者への対応―高齢者,認知症も含めて
10 子どもの精神科救急―自殺と虐待を中心に
11 医療従事者に対してトラブルを引き起こす患者への対応
12 身体的治療の実際
13 在宅医療における精神科的問題への対処
14 違法薬物摂取が疑われる患者の診療で留意すべき法的問題
15 救急医療における行動制限(抑制・拘束)
Ⅲ章 コース開催の概略,カリキュラム,必要物品,運営のコツ
1 PEECTMコース開催の実際と救急医の役割
2 ファシリテーターの役割
3 コースアシスタントの役割
Ⅳ章 ケースシナリオ
事例1 大量服薬を繰り返すパーソナリティ障害の事例,身体的な治療継続が必要であるが,退院要求が強い事例
事例2 過換気症候群・パニック発作による頻回受診の事例
事例3 合併する統合失調症により不穏・興奮を示す事例,ICUにおいて鎮静抵抗が強く,追加の抗精神病薬投与など対策を行う必要がある事例
事例4 睡眠薬の過量服薬によって搬送され,尿検査でアンフェタミンが検出された30代女性の事例
事例5 アルコール依存の事例(大量連続飲酒を続けて,救命救急センターに入院した後に離脱せん妄をきたすような事例),退院後の精神科受診をかたくなに拒否している事例
事例6 器質性疾患との鑑別が難しい身体症状を呈する事例―今後の治療へつなぐための方略
事例7 自殺企図により搬送された50代男性の事例―混乱した家族のケアが必要であった事例
事例8 災害時のメンタルヘルス問題への対応
Ⅴ章 精神科救急医療,自殺関連問題に関するトピックス
1 新しい精神科救急医療の構築に向けて
2 地域における精神科と救急科の協働
3 精神科救急医療体制における受診前相談―精神科救急情報センターと精神医療相談窓口
4 自殺企図者のケアに関する医療システム,相談窓口,社会資源
5 ACTION—J:わが国から発信された自殺未遂者の自殺再企図抑止のエビデンス
6 Mental Health First AidおよびNOCOMIT—J
7 妊産婦の自殺未遂者ケア
8 自殺で遺された人への支援
9 自殺事故に関連した医療スタッフのケア
10 DPAT(災害派遣精神医療チーム)について
Column 救命救急センターから始まる遺族対応
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書籍情報
- ISBN:9784892699504
- ページ数:320頁
- 書籍発行日:2018年5月
- 電子版発売日:2021年5月14日
- 判:B6判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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