これからの腎不全看護

  • ページ数 : 176頁
  • 書籍発行日 : 2020年7月
  • 電子版発売日 : 2021年6月30日
3,080
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商品情報

内容

慢性腎不全患者の意思決定をどう支援するか?
患者の持つセルフケアの力を引き出し、その力を伸ばす支援とは?
日本赤十字社医療センターと日本赤十字看護大学が共同して現場の看護師の語りから、実践の知を「見える化」しました。

慢性疾患を持つ患者へのケアは、患者さんの状況や個性に応じて実践方法を工夫する必要があるため、一筋縄ではいきません。特に患者の意思決定を支援する時、どうやって患者の意思を把握し、その決定を支援できるのか。経験の浅い看護師にとっては、難しい課題です。
その課題を対応するため、日本赤十字社医療センターと日本赤十字看護大学が共同で、慢性腎臓病の患者のケアに関わる看護師の語りをもとに、看護あるいは医療における実践の知を「見える化」しました。
本書は「腎不全看護」の事例をもとに、患者・家族への援助を行う際の基本的な考え方、具体的な患者を想定して意思決定支援の実際、日本赤十字社医療センターで行われている外来や病棟での実践のしくみを紹介しています。また、意思決定支援に必要な知識もまとめています。
付属の動画では、患者の腎代替療法の導入に向けた意思決定支援のひとつであるピアラーニングについて、その進め方や看護師の役割について、実践的に解説しています。

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序文

はじめに

この本は、慢性腎臓病患者のケアに関わる看護師の語りをもとに、看護あるいは医療における実践の知を「見える化」しようと試みたものです。

腎臓病に限らず慢性疾患をもつ人々へのケアは一筋縄ではいきません。長期のケアが必要となり、病気への反応も人により、状況により異なるからです。マニュアルがあっても、目の前の患者への援助に際しては、その場の状況や患者の個性に応じて、実践方法を工夫する必要があります。特に患者の意思決定を支援するとき、どうやってその人の意思を把握し、その決定を支援できるのか。まだ経験の浅い看護師にとっては、難しい課題だと思われます。

このような課題に対応するために、私たちは2016 年から日本赤十字社医療センター(以下、医療センターと略す)の看護師の皆様と共同して、腎臓病患者と家族への援助方法や、医療センターで長年かかって編み出してきたチームの取り組みなどを聞き取り、まとめる作業を行いました。看護師の語りには、現場の看護実践の知(実践知)がたくさん含まれていましたので、今回、書籍としてさらにまとめ直しました。


Chapter1 と2 には、患者、家族への援助を行う際の基本的な考え方を整理しています。

特に意思決定支援をする際には、患者それぞれの価値観などを尊重する個別的なケアが重要となります。そのためには患者を理解することが大切です。意思決定支援、セルフケア支援などの考え方と、その基本として個別性や患者理解に関する考え方を紹介しています。

Chapter3 では、具体的な患者を想定し、意思決定支援の実際を紹介しています。患者と看護師との対話を読みながら、その人の状況にあった支援がどのように行われたか、読者の皆様と一緒に支援方法を考えられる内容となっています

Chapter4 では、医療センターで実際に行われている外来や病棟での実践のしくみを紹介しています。カンファレンスや記録方法、面談の方法、ピアラーニングなど、医療センターで医師や看護職などのスタッフがつくりあげた医療や看護のしくみや方法を具体的に説明しています。

最後にChapter5 では、意思決定支援に必要な知識をまとめています。


どのChapter から読んでも、読者の皆様が自分なりの実践を考えるうえでのヒントがあるのではないかと考えています。皆様のそれぞれの現場で、新たな方法やしくみなど、実践知を生み出すための参考に活用してくださることを願っています。


最後に、日本赤十字社医療センターの看護部、そして腎臓内科の医師、看護師、臨床心理士、栄養士等スタッフの皆様、そして書籍としてまとめる作業にご尽力いただきましたインターメディカ社長の赤土正幸様、関係者の皆様に深く感謝申し上げます。


2020 年5 月吉日

日本赤十字看護大学
守田美奈子/本庄恵子

目次

Chapter1 腎不全看護とは?

腎不全看護における個別的な看護支援

腎不全看護における意思決定支援

これからの腎不全看護のためのできること

Chapter2 個別的な看護の実践 患者の個別性に即した看護の行うために

個別的な看護の手がかりとなる現象学的アプローチ

個別的な腎不全看護へのステップ 一人ひとりの意思決定を支えるために

Chapter3 意思決定支援の実践

腎不全保存期から腎代替療法選択まで

腹膜透析導入期

透析維持期

エンド・オブ・ライフ期

Chapter4 意思決定を支える看護ケア

外来時の看護ケア

[外来時の看護ケア 1 ] 外来カンファレンス

[外来時の看護ケア 2 ] 面談

[外来時の看護ケア 3 ] ピアラーニング

[外来時の看護ケア 4 ] 学習支援

透析導入決定後の看護ケア

[透析導入決定後の看護ケア 1 ] 導入時カンファレンス

[透析導入決定後の看護ケア 2 ] 退院後療養者訪問

Chapter5 意思決定支援に必要な基礎知識

慢性腎臓病という疾患

透析導入のタイミング

腎代替療法

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書籍情報

  • ISBN:9784899964308
  • ページ数:176頁
  • 書籍発行日:2020年7月
  • 電子版発売日:2021年6月30日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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