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- 婦人科美容・形成術の基本手技
商品情報
内容
女性の悩みに向き合う待望の手術書
婦人科美容・形成術は比較的新しい分野。昨今,女性のウェルネスが叫ばれ,外陰部(V.I.O)脱毛が一般化し,手術や治療を希望する患者は劇的に増加している。術式・治療法を標準化し,解剖やピッフォールまで多数のイラストで学べる国内初のテキスト刊!(カバーのイラストはアーティスト・空山基さん)。
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序文
企画・編集にあたって
女性の外性器の形を整える婦人科美容や婦人科形成術は,2000年代になって注目されはじめた比較的新しい分野である。女性のウェルネスが叫ばれる中,手術や治療を希望する患者の増加もあり,新しい術式や美容機器の開発について次々と発表されている。国際的な動向としては,2016年には第1回ヨーロッパ婦人科形成外科学会(The European Society of Aesthetic Gynecology:ESAG)が,2018年には第1回国際婦人科美容形成・性科学会(InternationalCongress of Reconstructive–Aesthetic Genital Surgery & Sexology:RAGSS)が開催され,学術的な検証や議論が活発になされるとともに,ますます注目が高まっている。
近年,日本国内では欧米文化の流入により,外陰部(V. I. O)脱毛が一般化しつつあり,若年層を中心に男女ともに脱毛する人口が劇的に増加している。これに伴い,外性があらわになるという理由からも,婦人科美容・形成術の希望者も年々増加している。症例の増加にはインターネットなどの情報の流通も影響しているかもしれない。
一方で,女性器の外観や機能の悩みに関しては,「触れてはいけないもの」「我慢するべきもの」とされてきた歴史がある。特に恥の文化が強い日本では,この傾向が顕著だと思われる。婦人科で相談しても,「正常」「老化」の一言で治療対象とされず,悩みを抱え込んでしまうケースも多い。著者が治療してきた症例でも,「治療ができると思わなかった」「もっと早く知りたかった」という言葉が聞かれる。残念なことに,婦人科美容・形成外科分野では,その術式や治療法を標準化した日本語のテキストはいまだに出版されていない。このため,手術に必要な解剖や術式およびピッフォールを学ぶ機会が少なく,各医師が独自の手術を行っているのが現状である。著者は,他院で施術された結果,術後変形や後遺症が生じ,その修正を希望する症例を多数経験した。そして,その多くは基本的な知識と技術があれば回避可能のように思えた。だからこそ,婦人科美容・形成外科を1つの学術分野として共有することで,まずは医療関係者の皆様にも,このような悩みをもつ人が少なからず存在すること,それは特殊な悩みではないこと,そして治療する方法があるのだという認識が生まれることを期待したい。今回,婦人科美容・形成外科を学ぶ若手医師に向けて,標準的な術式をシンプルでわかりやすいイラストや症例写真とともに紹介する教科書の執筆を企画した。本企画は,コロナ渦で全世界が一変した2020年7月に始まり,ステイホーム中はひたすら執筆に邁進した。婦人科美容・形成外科学の発展の一助となれば幸いである。
本書のカバーの絵は,故マリリン・モンロー(1926〜1962年)のセクシーロボットである。作者の空山基氏は,人体の曲線美とロボットを融合させた「セクシーロボット シリーズ」で知られ,海外のセレブリティからも熱烈に支持される現代アーティストである。その作品はニューヨーク近代美術館にも収蔵されており,SONY の初代AIBO やエアロスミスのアルバムジャケットのデザイン,またファッションブランドのXLARGE とのコラボ商品も手掛けている。2019年にはDior とコラボして話題になったことも記憶に新しい。空山氏の代表的なモチーフであるマリリン・モンローは,本書のコンセプトにぴったりだと思い,カバーの絵として特別にご提供いただいた。マリリン・モンローは,当時の女性の理想像とはかけ離れたファッションで独自の美学を切り開き,波乱に満ちた生涯を閉じた後も,大衆文化のアイコン,美のシンボルとして愛され続けている。「Everyone’s a star and deserves theright to twinkle.(誰もがスターなのよ。みんな輝く権利をもっている)」という彼女の言葉がある。幼少期を孤児院で過ごした彼女が,第二次世界大戦直後の混乱した時代を生き抜き,スターとして輝くには並々ならぬ苦労があっただろう。そんな彼女から発せられたからこそ,説得力を感じる。形成外科医は,技術や知識を武器に外観のコンプレックスや機能を改善し,その人らしく「輝く」ためのサポートをする科といえる。本書が婦人科美容・形成外科学の発展,そして誰かが「輝く」一助となれば幸いである。
最後に,本企画にあたり最初から最後まで多大にご尽力くださった克誠堂出版(株)編集部の堀江拓さん,ご多忙の中,快く執筆を引き受けてくださった加藤晴之輔先生,中務秀一先生,松本智恵子先生,幡手亜梨子先生,石川嵩紘さん,表紙の画像を提供してくれた空山基さん,沢山のイラストを描いてくださったイラストレーターの川本満さん,表紙デザインを担当してくださった飛鷹宏明さん,内容の相談にのってくださった安井幹雄さん,宗田聡先生,企画に賛同し支えてくださったすべての皆様に,心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
2021年3月
佐野 仁美
目次
企画・編集にあたって
婦人科美容・形成に必要な配慮とインフォームドコンセント
婦人科美容・形成に必要な解剖学
婦人科美容・形成術に必要な基本知識と手技
婦人科美容・形成手術手技
1. 小陰唇形成術・縮小術 ―線状切除法,楔状(V字)切除法―
2. 副皮切除術
3. 陰核包茎手術(陰核包皮縮小術)
4. 大陰唇形成術・縮小術
5. 傷をきれいに仕上げる一工夫 ―ボンドアウト法―
6. ヒアルロン酸注入による大陰唇形成術
7. 脂肪移植による大陰唇形成術
8. 腟内ヒアルロン酸注入
9. 腟への脂肪移植術
10. 会陰形成術・腟形成術
11. 処女膜切開術
Column
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書籍情報
- ISBN:9784771905436
- ページ数:144頁
- 書籍発行日:2021年4月
- 電子版発売日:2021年6月30日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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