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臨牀消化器内科 2021 Vol.36 No.8 〈7月増刊号〉消化管がん検診・スクリーニングの手引き
山道 信毅 (監) / 臨牀消化器内科編集委員会 (編) / 日本メディカルセンター
商品情報
内容
諸疾患の疫学的動向,検診・スクリーニングの現状と展望は,がん検診に携わる者は常に把握しておくべきであるが,忙しい日々のなか,古い知識のままで検診に携わっている医師が少なくないのが実情である.多くの先生方にご活用いただき,がん検診の知識のブラッシュアップに少しでもお役に立てば幸いである.(序文より抜粋)
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序文
序文
全世界がCOVID—19の猛威にさらされる2020年の初秋に,消化管がん検診の増刊号のゲストエディターのお話をいただいた.伝統ある「臨牀消化器内科」の編集委員の先生方からご推挙いただき,日頃,本誌の愛読者でもある私は光栄に感じる一方で,一抹の逡巡が過ぎったのも事実であった.未知のウイルスによるパンデミックが世界を覆い,多くの医師が感染症対策に奔走するなかで,予防医学や検診を語ることが難しい雰囲気が垂れ込めているのを肌で感じる日々だったからである.医学界が臨床の比重を高めざるをえないこの時期に,がん検診関連の原稿を引き受けていただける先生方がどれだけいるだろうか,思い悩む心境であった.冷静に考えれば,悪性腫瘍はCOVID—19とは別に対応すべき重大疾患であることに変わりはなく,消化管がん検診を疎かにするべきではないのはもちろんであり,こんなときだからこそと考えて,引き受けさせていただいた.2021年に入っても,COVID—19の第3波・第4波が相次いで本邦を覆う厳しい状況が続いているが,そんななかで本増刊号の企画に賛同いただき,ご執筆を快諾していただいた諸先生方には,深く感謝申し上げるばかりである.
本特集号では,冒頭に「検診・スクリーニングを理解するためのプロローグ」という章を設けることにした.消化管疾患を専攻する医師は,内視鏡や腹部超音波によるスクリーニング検査を中心に,初期・後期研修の頃からがん検診に携わることが少なくないため,こうした分野に自然と慣れ親しむことが多い一方で,スクリーニングの設定やがん検診のエビデンス構築の難しさ,検診におけるharm の理解と精度管理の重要性,検診・健診を支える社会的な仕組みなどを体系的に学ぶ機会はほとんどないのが実際である.予防医学や検診・健診への理解が不十分なまま,消化管がん検診に携わることには大きなリスクとデメリットがあり,本書がこうした点の改善に少しでも繋がれば幸いである.次いで,「消化管がんの疫学」「胃がん・大腸がんの検診・スクリーニング」「知っておくべき前癌状態と腫瘍性疾患」,さらに「この分野のトピックス」について,各分野のエキスパートの先生方に概説いただいた.諸疾患の疫学的動向,検診・スクリーニングの現状と展望は,がん検診に携わる者は常に把握しておくべきであるが,忙しい日々のなか,古い知識のままで検診に携わっている医師が少なくないのが実情である.多くの先生方にご活用いただき,がん検診の知識のブラッシュアップに少しでもお役に立てば幸いである.
「コロナ禍」がいよいよ厳しいなか,お力添えをいただいた諸先生方に重ね重ね御礼を申し上げるとともに,消化管がん検診に携わるすべての方々のご健勝,ならびに,お役に立てるよう腐心した本書を一人でも多くの先生方に活用いただくことを,願うばかりである.
2021年6月
東京大学医学部附属病院予防医学センター/消化器内科
山道 信毅
目次
第Ⅰ章● 検診・スクリーニングを理解するためのプロローグ
❶ スクリーニング:定義と歴史,検診における概念
Ⅰ がん検診の歴史
Ⅱ 検診ガイドライン
Ⅲ 診療と検診の違い
Ⅳ リスク層別化は検診か?
❷ 現在のわが国の健診・検診:根拠法令とその対象
Ⅰ 母子保健制度
Ⅱ 学校保健制度
Ⅲ 労働衛生対策制度
Ⅳ 医療保険による保健事業制度
Ⅴ 医療保険による特定健康診査制度
Ⅵ 健康増進事業制度
Ⅶ その他の健康診断
❸ がん検診の枠組み:対策型検診と任意型検診
Ⅰ 日本におけるがん検診の実施形態
Ⅱ 日本のがん検診の問題点
Ⅲ 日本のがん検診をより効果的にするには
❹ がん検診の不利益の最小化と精度管理の重要性
Ⅰ がん検診とは― 臨床における早期診断との違い
Ⅱ がん検診の利益,不利益とは
Ⅲ 精度管理の重要性
第Ⅱ章● 消化管がんの疫学
❶ 胃がんの疫学とリスク因子
Ⅰ 胃がんの疫学的動向
Ⅱ 胃がんのリスク因子
❷ 日本・世界におけるHelicobacter pylori 感染の動向
Ⅰ 日本におけるH. pylori 感染の動向
Ⅱ 世界のH. pylori 感染の動向
❸ 大腸がんの疫学とリスク因子
Ⅰ 罹患数・罹患率
Ⅱ 死亡数・死亡率
Ⅲ 生存率
Ⅳ 日本人における大腸がんのリスク因子
❹ 食道がんの疫学とリスク因子
Ⅰ 日本の食道がんの罹患・死亡とその推移
Ⅱ 食道がんのリスク因子
❺ 十二指腸がんの疫学
Ⅰ 欧米からの報告
Ⅱ 日本からの報告
第Ⅲ章● 胃がん検診・スクリーニング
❶ 胃がん検診の現状と将来
Ⅰ 胃X 線検診の現状と課題
Ⅱ 胃内視鏡検診の現状と課題
Ⅲ 血清H. pylori 抗体検査とペプシノゲン法
Ⅳ 個別リスクに基づく適切な胃がん検診提供体制の構築
❷ 胃がん検診ガイドライン:X線検診,内視鏡検診,血清診断のエビデンス
Ⅰ 胃がん検診ガイドライン
Ⅱ 推奨に至るプロセス
Ⅲ X線検診のエビデンス
Ⅳ 内視鏡検診のエビデンス
Ⅴ 血清診断:今後の課題
❸ 胃X線検診
① 胃X線検診の基準撮影法と異型度判定の基準
Ⅰ 基準撮影法
Ⅱ 肉眼的異型度理論
② 胃X線検診のための読影判定区分(カテゴリー分類)
Ⅰ はじめに― 読影判定区分作成の経緯
Ⅱ 読影判定区分(カテゴリー分類)の内容
Ⅲ 読影判定区分を用いた判定の実際
Ⅳ 読影補助認定制度における読影判定区分の意義
③ 胃X線検診の精度管理と安全対策
Ⅰ がん検診の精度管理
Ⅱ 宮城県対がん協会における精度管理体制
Ⅲ 胃がん検診における精度管理上の問題点,改善策
Ⅳ 胃X線検診のための読影判定区分(カテゴリー分類)を用いた読影精度評価
Ⅴ これからの胃がん検診に求められる安全対策
❹ 胃内視鏡検診
① 上部消化管検診のための内視鏡撮影法
Ⅰ 内視鏡の撮影方法
Ⅱ 内視鏡観察・撮影時の注意点
② 問診と胃炎の京都分類によるリスクを考慮した胃がん内視鏡検診
Ⅰ 胃内視鏡検査前にわかるリスク
Ⅱ 内視鏡によるリスク分類
Ⅲ H. pylori 感染胃炎以外に注意すべきこと
③ 対策型胃内視鏡検診における安全対策と精度管理
Ⅰ 安全対策
Ⅱ 精度管理
④ 経鼻内視鏡を用いた胃がん検診の現状と課題
Ⅰ 経鼻内視鏡による胃がん検診
Ⅱ 静岡市胃がん内視鏡検診の現状と課題
Ⅲ 経鼻内視鏡の安全性
Ⅳ 経鼻内視鏡の診断精度
Ⅴ 経鼻内視鏡検査の普及に向けた教育,注意点
⑤ 画像強調観察と胃スクリーニング
Ⅰ 画像強調機能の分類
Ⅱ 各種画像強調機能の詳細
Ⅲ 症例提示
Ⅳ 胃スクリーニングに使用すべきモダリティは何か
❺ 血清による胃がんリスク層別化検査(ABC分類)の現状と課題
Ⅰ H. pylori 感染胃炎の自然史と胃がん発生
Ⅱ 血清による胃がんリスク層別化検査の現状と課題
第Ⅳ章● 大腸がん検診・スクリーニング
❶ 大腸がん検診:エビデンスとガイドライン
Ⅰ エビデンス
Ⅱ ガイドライン
❷ 対 策型大腸がん検診と便潜血検査:精度管理を含めた現状と課題
Ⅰ 便潜血検査
Ⅱ 大腸がん検診の実施方法
Ⅲ 精度管理体制
Ⅳ 現状と課題
❸ 任意型大腸がん検診と大腸内視鏡検査
Ⅰ 任意型大腸がん検診と全大腸内視鏡検査
Ⅱ 任意型大腸がん検診を全大腸内視鏡検査で実施する際の課題
Ⅲ 検診大腸内視鏡医に求められる条件
❹ 大腸がんスクリーニング検査における注腸検査の現状
Ⅰ 前処置法と造影剤
Ⅱ 撮影法と読影法
Ⅲ 症例提示
Ⅳ 考 察
❺ 大腸がんスクリーニングにおける大腸CT検査の現状と将来展望
Ⅰ 大腸CT 検査の現状
Ⅱ 大腸CT 検査のエビデンス
Ⅲ 大腸CT 検査の今後の活用
第Ⅴ章● 上部消化管の検診で知っておくべき前癌状態と腫瘍性疾患
❶ 胃MALTリンパ腫
Ⅰ 定義・概念
Ⅱ 病 因
Ⅲ 病 理
Ⅳ 疫 学
Ⅴ 診 断
Ⅵ 治 療
Ⅶ 予 後
❷ Barrett食道とBarrett腺癌
Ⅰ Barrett食道の成因
Ⅱ Barrett食道の定義と診断
Ⅲ 表在型Barrett腺癌の内視鏡的特徴
Ⅳ Barrett食道からの発癌頻度
Ⅴ Surveillanceの対象となるBarrett 食道
Ⅵ Surveillanceの方法
Ⅶ 症例提示
❸ 自己免疫性胃炎(A型胃炎)
Ⅰ AIGの疾患概念と疫学
Ⅱ 検診・健診におけるAIG の位置づけ
Ⅲ AIGのX線または内視鏡所見
Ⅳ AIG診断における注意点・問題点
❹ 胃底腺型胃癌
Ⅰ 胃底腺型胃癌の定義
Ⅱ 胃底腺型胃癌の臨床病理学的特徴と治療指針
Ⅲ 胃底腺型胃癌の内視鏡的特徴と診断のポイント
❺ 胃消化管間質腫瘍(GIST)
Ⅰ 概 要
Ⅱ 発症機序
Ⅲ 診 断
Ⅳ 治 療
❻ 神経内分泌腫瘍(NET)
Ⅰ GI‒NET 総論,診断
Ⅱ GI‒NET 内視鏡治療
Ⅲ 臓器別各論
第Ⅵ章● 下部消化管の検診でしばしば遭遇する腫瘍性疾患
❶ 大腸ポリープ
Ⅰ 基本的分類
Ⅱ 鑑別診断
Ⅲ 治 療
Ⅳ フォローアップ
❷ 側方発育型大腸腫瘍(LST—G/LST—NG)
Ⅰ 下部消化管検診におけるLST の存在診断
Ⅱ LSTの鑑別診断・深達度診断
Ⅲ LSTに対する治療方針
❸ 過形成性ポリープ・SSA/P・鋸歯状腺腫
Ⅰ 各種大腸鋸歯状ポリープについて
Ⅱ 内視鏡的鑑別の要点
第Ⅶ章● 消化管がんの検診・スクリーニングにおけるトピックス
❶ 腹部超音波検査による消化管腫瘍のスクリーニング
Ⅰ 消化管の系統的走査
Ⅱ 胃がん・大腸がんのスクリーニング
Ⅲ 消化管がん検診におけるUS の位置づけとは
Ⅳ 小腸腫瘍のスクリーニング
❷ カプセル内視鏡の現状と消化管スクリーニングへの応用
Ⅰ 概 要
Ⅱ 検査精度
Ⅲ 読影医の教育
Ⅳ 機器の進歩
Ⅴ 全消化管スクリーニングの可能性
Ⅵ 将来展望
❸ 多 様化する抗血栓薬:抗血栓薬内服者に対する内視鏡スクリーニング
Ⅰ 抗血栓薬
Ⅱ 抗血栓薬内服者への内視鏡
Ⅲ ガイドライン
Ⅳ 現状での問題点
❹ 胃癌/ピロリ菌感染胃炎の内視鏡スクリーニングにおけるAIの活用
Ⅰ 胃癌発見能
Ⅱ 胃癌発見能に関するAIと内視鏡医の比較
Ⅲ 部位別仕分け
Ⅳ 胃内の観察漏れに関する研究
Ⅴ Helicobacter pylori胃炎診断
Ⅵ その他の報告
❺ ピロリ菌感染胃炎の胃X線スクリーニングにおけるAIの活用
Ⅰ ディープラーニングを用いたAI画像診断の有効性
Ⅱ 胃X 線検査画像を用いたAI診断の実際と精度
Ⅲ 萎縮性胃炎の有無による胃がん発生予測
❻ 大腸癌の内視鏡スクリーニングにおけるAIの活用
Ⅰ EndoBRAIN‒EYEについて
Ⅱ EndoBRAIN‒EYEの有用性
Ⅲ EndoBRAIN‒EYEを用いた検査の実際
Ⅳ EndoBRAIN‒EYE以外のCADeについて
❼ 頭 頸部・食道領域のスクリーニング,知っておくべき基本
Ⅰ 頭頸部・食道領域の観察にあたって
Ⅱ 頭頸部・食道領域の観察手順
Ⅲ 観察のポイント― 生検すべき所見
Ⅳ 症例提示
❽ 十二指腸領域のスクリーニングと知っておくべき手技と所見
Ⅰ そもそも十二指腸はどこまで観察するべき?
Ⅱ 十二指腸の観察で気をつけることは?
Ⅲ 病変を見つけた場合には?
Ⅳ 生検はどのような症例から取るべき?
Ⅴ 表在型十二指腸腫瘍(SDET)
Ⅵ SDET と鑑別を要する病変
❾ JED Project:その意義と消化管がん検診への応用
Ⅰ JED Project とは
Ⅱ JED Project の消化管がん検診への貢献の可能性
❿ 消化管癌のスクリーニングにおけるLiquid Biopsyの現状と未来
Ⅰ 実用化されている Liquid Biopsy
Ⅱ 今後が期待されるLiquid Biopsy
Ⅲ Liquid Biopsy の課題および今後の展望
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書籍情報
- ISBN:9784004003608
- ページ数:296頁
- 書籍発行日:2021年7月
- 電子版発売日:2021年7月10日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:2
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