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この局面にこの一手! Dr.長澤直伝! 腎臓病薬物療法の定跡

  • ページ数 : 182頁
  • 書籍発行日 : 2021年8月
  • 電子版発売日 : 2021年8月6日
3,740
(税込)
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商品情報

内容

どうしてその薬を使うの? 腎臓病に対する薬物療法の選択がこの1冊でわかる!

日本には多くの慢性腎臓病(CKD)の患者さんがおり、どの科に進んでも、CKDを合併している人を診療することになるでしょう。そのため、本書を用いて勉強すると普段よく診る疾患に対して、よりうまく対処できるようになります。
腎臓病薬物療法といえば、真っ先に、「どの薬を使うのがいいのかな?」に目が行きがちです。ただ実際は、どの病態にどのような薬を使うか、その副作用、患者さんへの説明など、腎臓内科において知っておくべき大切なことが他にもたくさんあります。本書を繰り返し読み、腎臓病の薬物療法の理解を深めていきましょう。

あわせて読む → この局面にこの一手! Dr.長澤直伝! 腎臓病 血液透析の定跡, この局面にこの一手! Dr.長澤直伝! 腎臓病患者マネジメントの定跡

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序文

はじめに


東北大学病院の腎臓内科の長澤 将(たすく)です。

今回、腎臓内科が守備範囲としている薬物療法についての本を出すことができました。医療を提供するうえでは栄養や運動などの基本要素を土台にして薬物療法を載せることが原則ですが、本書ではこの上物の「薬物療法」について解説しました。

「薬物療法」というとどうしても「どの薬を使うか?」ということに目が行きがちですが、実際には「どの病態にどのような薬を使うか」が大事で、薬の効果と同じくらい副作用を把握しておく必要があります。インターネットや鈍器と称される本をみれば、どこかに全部が書かれていますが、その中の情報のどれがよく起こり、どれが重要かということがわかりにくいと感じており、その点を整理した本にしました。ここを、初期研修医の古賀先生、専攻医の里見先生と一緒に学んでいっていただければと思います。

古賀先生も里見先生も架空の人物ですが、それぞれこれまで出会った複数の人のイメージを組み合わせて作りました。初期研修医ならば古賀先生ができるようになるレベルを目指す、内科の専攻医は里見先生のレベルを目指すことが目安になるのではないでしょうか?(ちなみに里見先生は優秀に分類されます。)

とはいえ、この本は若手医師だけのものだけではなく、ぜひ、保健師や看護師、薬剤師、そして製薬企業間連のMR やMA、MS などの方も読むとよろしいかと思います。薬に関わる仕事では、どうしても近視眼的になりがちですが、医療を通して患者さんをよくするという流れの中での薬物療法の立ち位置を感じていただければと思います。

もちろん、薬物療法とはあまり関係ない方には、オーベンとネーベンってこんなことを話しているんだと娯楽的に読んでいただければ嬉しいです。

最後に本書の制作にあたり、お声がけしていただき編集を担当していただいた金芳堂の藤森祐介様、「恥ずかしがり屋の熊さん」(本人が名前出すのを固辞したので、村上春樹風にペンネームをつけてみました)、私をはじめ古賀先生、里見先生の絵を生み出して、本書の素敵なデザインを描いてくださったnaji designさんにこの場を借りて感謝を申し上げます。

いつも申し上げますが、本書を7回読んでいただき、いつでも本書に書いてあることを引き出して使えるようにするとお役に立てると思います。


2021年7月
長澤 将

目次

推薦のことば

はじめに

プロローグ

登場人物紹介

イントロダクション

第1局 血圧

その壱 薬物選択よりも降圧目標

その弐 具体的な降圧目標を達成する。その前に、どこで血圧を測るの?

その参 では、どこまで下げるか?

その四 では、何を使うか?

その五 RAA 系阻害薬はキードラッグだけど使い方に注意

その六 意外とCKDに使われていないβ遮断薬、心不全のキードラッグ

その七 激安だがとてもお世話になる薬、サイアザイド系利尿薬

その八 玄人好みのα遮断薬、人によっては結構下がります。ただし、起立性低血圧に注意

第2局 血糖降下薬

その壱 どの薬? よりも、どこまでどうやって下げるか

その弐 ファーストチョイスはどの薬? その前に

その参 DPP-4阻害薬は名脇役

その四 SGLT2 阻害薬は2020 年代の標準治療薬

その五 インスリンの腎臓内科的な考え方

その六 その他の薬、GLP-1 受容体作動薬など

第3局 利尿薬

その壱 利尿薬の使い分け

その弐 ループ利尿薬は使う量が大事

その参 トルバプタンの使い道

その四 ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬、利尿薬というよりは

第4局 吸着薬

その壱 カリウム(K)吸着薬の使い方と使いどころ

その弐 リン(P)吸着薬の極意

その参 慢性腎不全を診ると反射的に出す人がいるが

第5局 知っておいたほうがよい薬

その壱 ビタミンD 投与はCa のモニタリングが必要

その弐 Ca値は低めに管理するのが好み

その参 Ca値を下げる薬もきちんとモニタリングが必要

その四 尿酸値を下げる意義を再確認

その五 NSAIDsなどの痛み止めは頻用されているからこそ注意

その六 腎臓を悪くする可能性のある検査を行う必要は本当にあるのか?

その七 帯状疱疹を診るときは腎機能に要注意

その八 意外と多い血糖降下薬、フィブラート、H2 ブロッカー、DOAC

第6局 なかなか難しい問題

その壱 腎臓が悪くなると抗凝固薬の恩恵を受けにくいかもしれない

その弐 その抗血小板薬は何のため?

その参 脂質を下げるエンドポイントは?

その四 主にステロイド

その五 シクロスポリン、シクロフォスファミド、リツキシマブ

その六 薬剤選択は増えたがコストとベストチョイスは?

第7局 腎臓内科のマイナーな問題

その壱 入院中に腎性貧血の治療はどうする?

その弐 古くて忘れ去られた問題(というか問題にすらなっていない問題)

その参 訴える人も多い、薬は選択肢が増えてきた

その四 ベーキングパウダーっていうと驚かれますよね


コラム

高血圧前夜

ガイドラインについて思うこと

RAA 系阻害薬の歴史と最近の話題

血圧の成り立ち

オマケほしさに薬を選択してはいけない

実臨床ではNNTを大事にしたい

SGLT2 阻害薬はゲームチェンジャー

サロゲートマーカー

アルブミン尿の話

そういえば、どこに行ったの? バルドキソロン

これを変と気づけるか?


エピローグ

むすびに

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書籍情報

  • ISBN:9784765318761
  • ページ数:182頁
  • 書籍発行日:2021年8月
  • 電子版発売日:2021年8月6日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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