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- バスキュラーアクセス サルベージ手術集
商品情報
内容
好評刊『バスキュラーアクセスの手技&Tips』の姉妹編が登場!
形成外科医と腎臓内科医がコラボレーションし, バスキュラーアクセス後のトラブルに対するサルベージ手術を, 部位毎に徹底解説!
あわせて読む → バスキュラーアクセスの手技&Tips
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序文
序 文
バスキュラーアクセス(VA)の「手技の本」―腎臓内科医と形成外科医のコラボレーションⅡ―として,サルベージ手術を集めました。
VA作製手術には,腎臓内科,血管外科,泌尿器科,形成外科など,多く診療科が携わっています。裏を返せば,同じ目的を達成するために,多くの異なる診療科がそれぞれの科の特徴やコンセプトを生かした手術を行っているという,きわめて特殊な分野ともいえます。
VA関連の論文・書籍を読んでいますと,手技に関するものに限っても腎臓内科や血管外科からの報告が多いようですが,手術に関する感覚やコンセプトの違いがとても新鮮に感じられます。特に再建術においては各科の特徴の違いが顕著に出て,自分にとって馴染みの少ない世界に触れることができるので,大変参考になります。このことは逆に,形成外科以外の診療科の医師からみると,形成外科医が行う術式やコンセプトに違和感をもつことがある反面,何らかのヒントになり,この分野全体の発展に寄与できるのではないかと考え,本書の執筆に取りかかりました。
VAを達成できても,長期の経過のうちには数々のトラブルが生じてきて,何度か再建術を行っているうちに,VAがいよいよ困難になってくることは少なくありません。この八方塞がりの状態になるのをできるだけ遅らせることができるように,血液透析に直接かかわる腎臓内科医と手術を担当する形成外科医が長期的視野に立って綿密にプランし,(特に若年者は)ステップを進まない原則の下で行ってきた再建術をケーススタディー形式でまとめました。この経過のなかで,つくづく感じることは,脱血ラインを得ることは,それほど困難ではないということです。脱血ラインが確保できても同側上肢に返血ラインを確保することが困難になるというのが典型的な八方塞がりの状態であり,これを回避することがVA手技における課題の本質だと考えています。
本書で提案されたサルベージ手術は,トラブルに対する再建術の一例に過ぎないので,著者らも,似たような症例に対して違う再建術を選択することが普通にあります。もちろん,「患者の希望を優先するため」,ということもありますが,いくつかの再建術式のオプションのなかから,ある術式を選択するに至ったストーリーが重要なので,「術式決定の経過」も含めるようにしました。本書の再建術式のなかには,形成外科的感覚に傾いた術式もあるかもしれませんが,「たまたま経過がよかっただけかもしれない」術式は省き,お薦めできる術式を提案しています。一方で,短期間しか開存せずVAとして使用できる期間が短かったなどの理由で,後に反省することになった症例も参考症例や補足のなかに含めることにより,再建術として何が最善であるかを,読者の先生方と一緒に検討していけたらと考えています。
最後に,バスキュラーアクセスシリーズの第2弾として,この本を刊行してくださいましたメジカルビュー社と,病院を挙げて執筆にご協力くださいました新松戸中央総合病院長の松尾亮太先生に深謝いたします。
2021年6月
岡崎 睦,佐藤英一
目次
Ⅰ 橈骨動脈の伴行静脈を用いたAVF作製術−前腕の皮静脈が廃絶した症例における救世主−
Ⅰ-1 深部静脈(橈骨動脈の伴行静脈)を用いたAVF作製術
補足Ⅰ-① 橈骨動脈の伴行静脈の走行パターンによる吻合静脈選択の違いについて
補足Ⅰ-② 深部静脈の枝の結紮に関する注意点
補足Ⅰ-③ 外側前腕皮神経との関係における注意点(別症例)
補足Ⅰ-④ 深部静脈の吻合候補が多い場合,候補の静脈が意外と細い場合
補足Ⅰ-⑤ 伴行静脈を長く剥離し,長い穿刺可能部位を確保した症例
Ⅰ-2 深部静脈を用いたAVF作製術と関連する参考症例
Ⅰ-2-A 肘部から上腕にのみに存在する橈側皮静脈を用いたAVF作製術
補足Ⅰ-⑥ 動脈と静脈の位置関係の差異による吻合形態
Ⅰ-2-B いったんRMAVFを作製したが,上腕への主流が尺側深部だったため,深部静脈(伴行静脈)に追加吻合して橈側に流路変更した症例
Ⅱ 前腕でよくみられるシャント静脈トラブルに対する再建術
Ⅱ-1 AVF下流の静脈血栓・閉塞に対する近位シャント作製術
Ⅱ-2 「AVFの少し下流の静脈に生じた狭窄を伴う瘤」に対する3術式のまとめ
Ⅱ-3 AVFに接して生じた瘤+狭窄・蛇行に対する手術
Ⅱ-4 肘部付近に生じた大きな瘤と蛇行に対する手術
Ⅱ-5 深部静脈(橈骨動脈の伴行静脈)を用いた再建術
Ⅱ-6 尺骨動脈-尺側皮静脈系を用いた再建術
Ⅱ-7 (参考症例)尺側皮静脈転位による橈骨動脈とのAVF作製術
Ⅲ 上腕での再建術
Ⅲ-1 上腕動脈表在化+橈側皮静脈とのAVF作製術
補足Ⅲ-① 解剖学的破格がない症例での上腕動脈表在化+橈側皮静脈AVF作製術
補足Ⅲ-② 上腕内側での手術操作を最小限にして,純粋に上腕動脈-橈側皮静脈AVFを作製する場合
Ⅲ-2 上腕動脈-上腕内側静脈AVF作製術
補足Ⅲ-③ 上腕動脈と伴行静脈表在化術のみ(AVF作製なし)の術式について
補足Ⅲ-④ 上腕尺側深部を流れるシャント静脈と皮静脈を血管吻合(返血ライン作製のための準AVF作製)
Ⅲ-3 橈側皮静脈(シャント静脈)-表在化内側深部静脈準AVF作製術+上腕動脈表在化
Ⅳ 狭窄,迷走に対する,人工血管を用いない再建術
Ⅳ-1 主として狭窄に対する再建術
Ⅳ-1-A 静脈狭窄部切除・再吻合術
Ⅳ-1-B 狭窄・多分枝部の切除,瘤縫縮,ショートカット吻合
Ⅳ-1-C 「T字路部内腔の器質化による狭窄」を回避した流路変更
Ⅳ-1-D 枝を使って主流のほかにバイパス作製
Ⅳ-1-E (参考症例)上腕の2箇所の穿刺部狭窄に行った自家静脈の間置&バイパス術
Ⅳ-2 主として迷走に対する再建術
Ⅳ-2-A 迷走(逆流)部分をショートカットして血管吻合
Ⅳ-2-B 主流の皮静脈が閉塞して迷走している,その閉塞部への静脈移植
補足Ⅳ-① 静脈の端々吻合
V 人工血管を用いた再建術および術後トラブルに対する手術
Ⅴ-1 人工血管を用いた再建術
Ⅴ-1-A 前腕内での人工血管移植術
Ⅴ-1-B 上腕内での人工血管移植術
Ⅴ-1-C 前腕から上腕橈側皮静脈へ人工血管移植術
Ⅴ-1-D 前腕から上腕内側の静脈へ人工血管移植術
Ⅴ-2 人工血管移植後の狭窄に対する手術
Ⅴ-2-A 人工血管・上腕内側静脈吻合部狭窄の切除と人工血管間置術
補足Ⅴ-① 上腕内側深部の慎重な剥離が必要な場合
補足Ⅴ-② 人工血管上腕橈側皮静脈狭窄部を部分置換
Ⅴ-2-B 人工血管両端の2箇所の狭窄部を切除して間置移植術
Ⅵ 再建術に有用なその他の手技
Ⅵ-1 人工血管部分露出に対する皮弁オーバーラップ法(再建術を含む)
Ⅵ-2 感染した人工血管除去+動脈形成
補足Ⅵ-① 前回手術からの経過期間の違いによる再手術のやりやすさについて(瘢痕の成熟)
補足Ⅵ-② 肘窩部~前腕近位の局所麻酔について
補足Ⅵ-③ 瘢痕が形成されている再手術部位の麻酔について
Ⅵ-3 長年の血液透析により菲薄化と重度の石灰化がある動脈の吻合法
Ⅶ バスキュラーアクセスの機能評価
Ⅶ-1 AVFの機能評価
Ⅶ-2 AVFトラブル
Ⅶ-3 AVFトラブル時の特徴的所見
補足Ⅶ-① 長期留置型カフ型透析カテーテルについて
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書籍情報
- ISBN:9784758318952
- ページ数:228頁
- 書籍発行日:2021年8月
- 電子版発売日:2021年8月13日
- 判:A4変型
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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