脳波・誘発電位検査ポケットマニュアル

  • ページ数 : 179頁
  • 書籍発行日 : 2021年8月
  • 電子版発売日 : 2021年8月20日
3,300
(税込)
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商品情報

内容

●現場で差がつく!脳波・誘発電位検査の技術と解釈を50以上の波形から理解する!
●脳波検査と誘発電位検査に必要な解剖・MEの基礎と,検査法・読み取り方・診断法など現場で役立つ知識を凝縮.
●波形,図,写真を主体とし,忙しい臨床の合間でも一目で確認できるポケッタブルな一冊.
●コンパクトでも内容は豊富!脳波の波形は50以上,誘発電位検査では術中モニタリングも収載.
●脳波・誘発電位検査に関わる臨床検査技師・医師の必携書.

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序文

まえがき

神経生理検査は,神経や筋の活動を電気現象として生体の機能を推測し,疾患や障害の診断,評価,治療へ補助的に役立てることを目的としています.この神経生理検査は技術への依存が大きく,より信頼性の高い検査データを得るためには,神経生理学のみならず,電気工学的な知識や技術も必要となります.

本書は,2013 年に初版を発行した『神経伝導検査ポケットマニュアル』の姉妹版として企画されました.今回は脳波検査,誘発電位検査から得られた波形を正しく解析し,さらなるステップアップを目指す臨床検査技師や医師を読者対象としてまとめられています.

本書の大きな特徴は,検査現場へ手軽に持参できるポケットサイズでありながら,脳波検査,誘発電位検査において必要な知識と技術を十分に網羅していることです.さらには近年,話題となっている術中モニタリング検査,睡眠検査,経頭蓋磁気刺激検査も盛り込みました.

基礎から臨床および技術の内容は,卓越した技術と長年の臨床経験をもつ執筆陣により,すぐにでも実践できる内容としてまとめられています.また,豊富な写真や図をもとに初級者にもわかりやすい解説となっています.

今後は,高齢化による関連疾患の増加や法的脳死判定検査など,ますます神経生理検査の需要は高まるものと予想されます.検査データに責任をもてる高い“専門性”の発揮が望まれるなか,本書がその役割を大きく前進させることを期待しています.


2021年6月

正門由久
髙橋 修
石郷景子

目次

まえがき

総論編

脳波検査と誘発電位検査を始める前に(髙橋 修)

1-検査における心構え

2-脳波検査における臨床検査技師の役割

3-大脳誘発電位検査

4-検査依頼からレポート作成まで

5-精度の高い検査のために

I 中枢神経―機能と解剖の基礎―(正門由久)

1-中枢神経

2-大脳基底核

3-視床・視床下部

4-脳幹 中脳・橋・延髄

5-小脳

6-脊髄

II 神経生理検査の基礎(髙橋 修)

1-脳波・大脳誘発電位検査に必要な神経生理の知識

2-ニューロンとシナプス

3-情報伝達とシナプス後電位

4-情報伝達

5-静止膜電位

6-活動電位

7-全か無かの法則

8-活動電位の伝導

9-大脳誘発電位における近接電場電位と遠隔電場電位

III 神経生理検査に必要なME(medical engineering)の知識(内藤 寛)

1-デジタル機器の知識 A/D変換

2-電極の知識

3-フィルタの知識

4-インピーダンスの知識

5-増幅器の知識

6-雑音の対策

脳波検査編

IV 脳波検査の基礎(重藤寛史,酒田あゆみ)

1―脳波検査の基礎

1.脳波律動の発生メカニズム

2.脳波計測・判読における基本事項

3.脳波レポート

2―正常脳波

1.優位律動

2.全般性徐波

3.てんかん性異常と間違われやすい正常波形

4.てんかん性異常を疑う必要がある波形

5.アーチファクト

3―異常脳波

1.てんかんの分類

2.意識障害

V 脳波のとりかた

1―成人脳波(高齢者)(杉山邦男)

1.場所

2.脳波計

3.検査前の準備

4.電極の装着法

5.記録の実施

2―小児(未熟児を含む新生児)の脳波(石郷景子)

1.方法

2.ポイント

3―小児(乳児期を含む)の脳波(石郷景子)

1.方法

2.ポイント

4―賦活法(宇城研悟)

1.開閉眼賦活

2.閃光刺激(光刺激)賦活

3.過呼吸賦活

VI 脳波の判読の実際

1―成人脳波(高齢者)(太田克也)

症例 アルコール依存,アルツハイマー型認知症

2―小児脳波(新生児を除く)(金村英秋,高橋 修)

症例1 正常脳波(乳児)

症例2 正常脳波(小児)

症例3 Build up

症例4 誤りやすい正常脳波(入眠期同期性高振幅θ波)

症例5 誤りやすい正常脳波(若年性後頭部徐波)

症例6 誤りやすい正常脳波(鋭い頭蓋頂鋭波)

症例7 薬物脳波(トリクロリールシロップ(R))

症例8 アーチファクト(基線の動揺):発汗

症例9 アーチファクト:瞬き

症例10 アーチファクト:心電図

3―小児脳波(新生児)(田中雅大,城所博之,夏目 淳)

成熟新生児の脳波パターン

各修正週数における脳波

急性期異常と慢性期異常の脳波

4―てんかん脳波(香川幸太,飯田幸治)

症例1 側頭葉てんかん

症例2 レノックス・ガストー症候群

症例3 中心・側頭部に棘波を示す小児てんかん

VII 睡眠に関する検査

1―検査法(石郷景子)

1.とり方

2.注意点

2―判 読(原 恵子,髙木俊輔)

1.各睡眠ステージの脳波の特徴

2.睡眠脳波検査でみられる脳波の特徴

3.異常脳波との鑑別が必要となる波形

VIII 脳死判定脳波検査

1―法 律(唐澤秀治)

1.臓器の移植に関する法律

2.臓器の移植に関する法律施行規則

3.「臓器の移植に関する法律」の運用に関する指針(ガイドライン)

4.法的脳死判定マニュアル(平成22年度報告書)

2―検査法(杉山邦男)

脳死判定を目的とした脳波検査

誘発電位検査編

IX 誘発電位検査

1―総 論(片山雅史)

1.聴性脳幹反応:ABR

2.体性感覚誘発電位:SEP

3.視覚誘発電位:VEP

4.臨床における活用

2―聴性脳幹反応(ABR)(木崎直人)

1.測定方法

2.測定条件

3.刺激条件

4.正常波形

5.臨床的意義

6.症例

3―体性感覚誘発電位(SEP)(山内孝治)

1.刺激方法

2.導出電極設置部位

3.モンタージュ(montage)

4.記録条件

5.電位波形の評価

6.注意点

4―視覚誘発電位(VEP)(木崎直人)

1.電極装着

2.測定条件

3.刺激条件

4.正常波形

5.判読

6.臨床的意義

7.症例

8.測定時のポイント

5―事象関連電位(長田美智子)

P300

1.測定条件

2.測定方法

3.正常値

4.P300の臨床応用

随伴陰性電動(CNV)

1.測定条件

2.測定方法

3.CNVの臨床応用

事象関連電位解析の注意点

6―自律神経(片山雅史)

1.測定方法

2.症例

3.注意点

7―磁気刺激(片山雅史)

1.測定方法

2.測定条件

3.症例

4.測定時のポイント

X 術中モニタリング

1―手術室に関すること(高嶋浩一)

1.運動誘発電位(MEP)

2.体性感覚誘発電位(SEP)

3.聴性脳幹反応(ABR),蝸牛神経上の活動電位(CNAP)

4.視覚誘発電位(VEP)

2―検査法(高嶋浩一)

コラム

国産第一号の臨床用脳波計(髙橋 修)

少し変わったアーチファクト(髙橋 修)

臥位における脳波電極装着の工夫(水野久美子)

EOG(electro oculo gram)の記録にあたって(三浦祥子)

自在曲線定規(石郷景子)

エージングをしていますか?(石郷景子)

脳波・誘発電位検査の保険点数(石郷景子)

ABR検査におけるマスキングについて(三浦祥子)


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書籍情報

  • ISBN:9784263266403
  • ページ数:179頁
  • 書籍発行日:2021年8月
  • 電子版発売日:2021年8月20日
  • 判:新書判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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