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- 病理と臨床 2022年12月号(40巻12号) 神経内分泌腫瘍~さらなる病態の理解に向けて
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内容
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序文
神経内分泌腫瘍―さらなる病態の理解に向けて―
本誌における神経内分泌腫瘍に関する特集は,2011年の29巻(5月号)で「神経内分泌腫瘍―診断とトピックス」,次いで,2018年の36巻(5月号)で「神経内分泌腫瘍(NET)の病理学―治療と診断の新局面―」が企画され,今回は,5年を待たずの企画となる.その間,2017年のWHO内分泌腫瘍分類第4版,2019年のWHO消化器腫瘍分類第5版において,分子異常を加えた組織型分類が整理され,新たな治療薬の開発も重なり,臨床における診断や治療は目覚ましい進歩を遂げている.これを受けて,各種腫瘍における診療ガイドラインが次々と発刊・改訂され,診断や治療の標準化が進んでいる.さらに,新しい治療標的や病態解明のための基礎的な研究が進み,近年の網羅的ゲノム解析などを含め,神経内分泌腫瘍の病態,治療,予後予測などについての新たな知見が集積されてきている.
このような状況の中,WHO内分泌腫瘍分類第4版の改訂版(WHO内分泌・神経内分泌腫瘍第5版)の刊行が着々と進められている.第5版では,分子異常を含めた病態の解明が進んだ疾患に対して,明確で簡潔な定義と適切な診断基準が明記され,診断,治療や予後に関わる病理学的バイオマーカーの記載に重点が置かれる予定である.また,特に甲状腺腫瘍では組織型分類の大きな再編が予定されている.
よって,この時期に「神経内分泌腫瘍」の特集が企画できることは,絶好の機会といえる.ただし,本誌において,副腎腫瘍はすでに2022年4月号で特集され,また,下垂体腫瘍は2023年2月号で扱われることになっている.したがって本特集号では,前半に,甲状腺腫瘍および副甲状腺腫瘍に絞って“新WHO分類に向けて”と題し,病理診断やそれに付随する分子異常について現在の知見を解説する.中盤では,NET/NECという病理診断名の基盤となった膵・消化管神経内分泌腫瘍に関する病理診断や遺伝子異常,発生に関する分子病理学的多様性などについて,本邦における研究成果も含め解説する.後半では,臓器横断的なアプローチとして,消化管以外の非内分泌臓器のうち,肺・気管支および皮膚の神経内分泌腫瘍を取りあげ,膵・消化管NET/NECとの共通点や相違点,各臓器における特有の病理像や分子異常などについて最近の知見や研究成果を解説する.
大池信之 [聖マリアンナ医科大学 病理学 分子病理分野]
亀山香織 [昭和大学横浜市北部病院 臨床病理診断科]
目次
【特集】
[甲状腺・副甲状腺腫瘍の病理と分子異常]
甲状腺髄様癌の病理診断と分子異常 ―新WHO分類に向けて―……千葉知宏
副甲状腺腫瘍の病理診断と分子異常 ―新WHO分類に向けて―……川井田みほ 他
[膵・消化管腫瘍の病理と分子異常]
膵・消化管神経内分泌腫瘍の病理学総論……福嶋敬宜
膵・消化管NET G3とNECの鑑別診断とピットフォール……鳥山和浩 他
膵に発生する機能性・遺伝性神経内分泌腫瘍の病理診断と分子異常……大池信之 他
膵・消化管神経内分泌腫瘍の予後予測因子や治療効果予測因子……平林健一
全ゲノム解析等の網羅的ゲノム解析による膵・消化管神経内分泌腫瘍の病態解明……堀江真史 他
ヒト肝胆膵・消化管神経内分泌癌のオルガノイド大規模ライブラリーを用いたゲノム解析と治療戦略……川﨑健太
[臓器横断的アプローチ]
肺神経内分泌腫瘍の病理診断 ―新WHO分類と課題―……笠島敦子
皮膚の神経内分泌腫瘍の病理診断 ―最近の知見―……後藤啓介
【速報解説!ここが変わった】
「食道癌取扱い規約 第12版」改訂ポイント……新井冨生 他
【連載】
マクロクイズ[164]
泉 美貴 他
鑑別の森[15]
胃生検での炎症とMALTリンパ腫
Answer 1:鳥山 茜 他
Answer 2:塩沢英輔
若手病理医のためのキャリアパス講座[13]
海外での病理医キャリア(3):病理の技量を活かして,新分野(分子病理疫学)の創造・発展へ……荻野周史
【今月の話題】
乳癌におけるHER2低発現診断……堀井理絵
【Review/Opinion】
VR(バーチャル・リアリティvirtual reality)による病理学実習教材開発について……北澤荘平 他
【Information】
【総目次】
【執筆者名索引】
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書籍情報
- ISBN:9784011204012
- ページ数:128頁
- 書籍発行日:2022年12月
- 電子版発売日:2022年11月25日
- 判:B5変型
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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