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- ウィークポイントがわかる! イラストでまなぶ臨床基本手技
商品情報
内容
序文
医療を行うにあたり,基本的かつ最初に行われるのが,医療面接から始まる身体診察である.このため,医学生は臨床実習でしっかりとこれらを学んでおく必要がある.さらに,手洗いや静脈採血,救急救命処置も医学生は学習しておくことが必須である.実際,医学教育モデル・コア・カリキュラムにも明示されており,評価試験としての共用試験でも学習到達度が評価される.
このように重要な基本手技ではあるが,意外にも医学部教育でしっかりと教えられていないことにときどき戸惑いを感じる.その理由は,一つには,教員の側からすれば,基本手技を教えるよりも高度先進の医学医療を教えることに力点が置かれがちになることがあろう.また,基本手技は医師によってさまざまな方法がとられ,標準化されていないことも理由になろう.
そこで,基本手技,しかも標準的な手法を解説する書物を上梓することにした.わかりやすく,かつ簡便に理解できるよう,イラストをふんだんに取り入れ,ぱっとみるだけでも即座に頭に入るようなものとした.それでいて,標準的なテキストとなるよう,ベテランの執筆者が経験と創意を凝らすことにした.また,気をつけるべき点等をわかりやすく示した.具体的には,各項冒頭に"Attention!"を箇条書きにし,サイドノートとして"Weak point"を適宜配した.
おそらくこの本一冊で,日常の診療の基本になる手技がマスターできるはずである.なお,本書は全国医学部で実施されている共用試験OSCE(客観的臨床能力評価試験)にも内容が適合するようになっている.ぜひ本書で基本手技を習得し,共用試験OSCEに合格されることを期待したい.
医学生諸君はもちろんのこと,研修医や実地医家の先生方にもご活用いただきたいと願う.さらに,ナースやコメディカルの参考書にもなると期待できる.本書が我が国の医療レベルの向上に少しでも役立てば,望外の喜びである.
編者の意志に賛同してご協力いただいた執筆者,また発刊にご尽力いただいた中外医学社に心から御礼申し上げる.
2009年 早春
編者
奈良信雄
目次
1 診察に関する共通事項 〈奈良信雄〉
A.プライバシーや苦痛への配慮
B.身だしなみ
C.言葉遣い
D.挨拶や説明
2 医療面接 〈奈良信雄〉
A.導入部分
1.診察室への呼び入れ
2.入室の補助
3.挨拶と自己紹介
4.面接の開始
B.コミュニケーションのとり方
1.面接技法
2.共感的態度
3.患者の話の要約
C.病歴の確認
1.患者像
2.主訴
3.現病歴
4.既往歴
5.家族歴
6.社会歴
7.システムレビュー
D.心理・社会的情報の確認
E.締めくくり部分
3 全身状態の把握 〈奈良信雄〉
A.第一印象
B.視診
1.視診の意義
2.視診の方法
3.視診のポイント
C.触診
1.触診の意義
2.触診の方法
3.触診での注意点
4.触診のポイント
D.反応
E.臭い
F.バイタルサイン(生命徴候)
G.身体計測
4 バイタルサイン診察 〈藤代健太郎〉
A.意識の確認
1.手順
2.意識の尺度
B.体温
C.呼吸
D.上肢の脈拍・血圧
1.脈拍
2.血圧
E.下肢の脈拍・血圧
F.下肢浮腫の診察
5 頭頸部診察 〈奈良信雄〉
A.頭部の診察
1.頭
2.顔
3.眼
4.耳
5.鼻
6.口唇,口腔,咽頭
7.唾液腺
8.頭頸部リンパ節
B.頸部の診察
1.甲状腺
2.気管
3.頸部血管
6 胸部診察
A.聴診器の使用 〈奈良信雄〉
1.聴診の意義
2.聴診器
3.聴診での注意点
B.肺の診察(前胸部) 〈田澤立之・貫和敏博〉
1.全般的な注意および視診
2.打診
3.聴診
C.肺の診察(背部) 〈田澤立之・貫和敏博〉
1.視診
2.触診
3.打診
4.聴診
D.その他:叩打痛 〈奈良信雄〉
E.心臓の診察 〈藤代健太郎〉
1.視診
2.触診
3.聴診
F.頸部血管の診察 〈藤代健太郎〉
1.視診
2.聴診
3.触診
G.乳房の診察 〈福富隆志・萬谷京子〉
1.視触診の前に
2.体位・肢位について
3.視触診の実際
7 腹部診察 〈久山 泰〉
A.腹部の診察について学ぶ前に
B.腹部の基本的診察
1.視診
2.聴診
3.打診
4.触診
C.病態に応じた精密診察法
1.腹水の有無
2.圧痛の有無
3.腹膜刺激徴候
4.腹部腫瘤
8 神経診察 〈大石 実〉
A.診察の順序
B.脳神経系の診察
1.視野
2.眼球運動・眼振
3.輻輳と近見反射
4.瞼裂・瞳孔/対光反射
5.眼底
6.顔面の感覚
7.角膜反射
8.咬筋と側頭筋
9.顔面筋
10.聴力
11.軟口蓋・咽頭後壁の動き
12.胸鎖乳突筋
C.上肢の運動系の診察
1.上半身の不随意運動
2.Barr賜・候
3.筋トーヌス
4.鼻指鼻試験
5.手回内・回外試験
D.上肢の握力と徒手筋力検査(座位)
1.徒手筋力検査の判定法
2.利き手と握力
3.三角筋
4.上腕二頭筋
5.上腕三頭筋
6.手根伸筋群
7.手根屈筋群
8.母指対立筋
E.起立と歩行の診察(立位)
1.通常歩行
2.つぎ足歩行
3.Romberg試験
F.下肢の運動系の診察(臥位)
1.体位や衣服の準備
2.Barr賜・候(下肢)
3.踵膝試験
G.下肢の徒手筋力検査(座位,立位,臥位)
1.腸腰筋
2.大腿四頭筋
3.大腿屈筋群
4.前脛骨筋
5.下腿三頭筋
H.感覚系の診察(臥位)
1.四肢の触覚と痛覚
2.下肢の振動覚
3.下肢の位置覚
I.反射の診察(臥位)
1.衣服の準備と検査法の原則
2.下顎反射
3.上腕二頭筋反射
4.上腕三頭筋反射
5.橈骨反射
6.膝蓋腱反射
7.アキレス腱反射
8.Hoffmann反射
9.Tr嗄ner反射
10.Babinski反射
11.Chaddock反射
J.髄膜刺激徴候の診察(臥位)
1.項部硬直
2.Kernig徴候
K.認知機能の診察
1.見当識
2.記憶
3.計算
4.常識
5.失語
L.意識レベルの診察
9 基本手技 〈河野辰幸〉
A.一般手技
1.衛生的手洗い
2.静脈採血
3.持続的導尿(男性,女性)
B.外科的手技
1.ガウンテクニック
2.縫合法
10 救急 〈勝野哲也・大友康裕〉
A.成人の心肺蘇生法〔一次救命処置(BLS)〕
1.意識の確認,応援要請と資器材の手配
2.心肺停止の判断
3.人工呼吸
4.胸骨圧迫(心マッサージ)
5.胸骨圧迫と人工呼吸の組み合わせ
6.AED到着の後のCPR
B.小児の心肺蘇生法〔一次救命処置(BLS)〕
1.意識の確認,応援要請と資器材の手配
2.気道確保,呼吸と脈拍の確認
3.人工呼吸
4.胸骨圧迫(心マッサージ)
5.胸骨圧迫と人工呼吸の組み合わせ
6.小児に対するAED
C.意識障害患者への初期対応
1.バイタルサインの安定化と意識レベルの評価
2.問診と身体所見・神経学的所見
D.気道異物による窒息への初期対応
1.反応がある場合
2.反応がなくなった場合
E.蘇生チームによる心肺蘇生法〔二次救命処置(ALS)〕
1.原因検索
2.静脈確保
3.薬剤投与
4.高度な気道確保
5.チーム医療の重要性
F.重症度と緊急度
1.重症救急病態に対する救命治療
2.初期救急病態の鑑別と初期治療
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書籍情報
- ISBN:9784498016064
- ページ数:166頁
- 電子版発売日:2011年6月1日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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