一目でわかる咽頭表在がんアトラス

  • ページ数 : 150頁
  • 書籍発行日 : 2013年8月
  • 電子版発売日 : 2014年4月18日
7,260
(税込)
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商品情報

内容

耳鼻咽喉科医、消化器内科医の双方に役立つ咽頭表在癌診断のためのアトラス。解剖や前処置といった基本的事項の解説、ならびに代表的な咽頭表在癌の内視鏡画像を多数紹介しており、普段異なる機能解像度の内視鏡を用いて咽頭表在癌を診ている両科の医師がともに学べる実践的内容となっている。

これから頭頸部外科や内視鏡専門医を目指す医師必読の書!

序文

中・下咽頭表在癌という概念がまだ広く認識される前に,この分野に興味のある医師が集い2004年から勉強会が開かれた.当時,耳鼻咽喉科領域で使用される内視鏡は白色光の電子スコープと,いわゆるファイバースコープであったため,拡大機能を有する電子スコープや特殊光による画像は耳鼻咽喉科医師には経験したことのないものであった.そこで表在癌診断の先達である食道領域で蓄積された学問を内視鏡の先生方に学び,内視鏡医師は咽頭領域の癌の性状や特異性さらにはこれまでの治療方法等を耳鼻咽喉科医師から学び,この領域を扱う医師として共通の認識をもって診断治療を行えるように勉強してきた.2005年には耳鼻咽喉科医が使用できる電子スコープにNBI機能が搭載され,耳鼻咽喉科医師による診断機会が増えることでさらに熱い討論がなされるようになった.この勉強会が2007年から頭頸部表在癌研究会となり,第2回の研究会で中・下咽頭表在癌を「癌細胞の浸潤が上皮下層にとどまり,筋層に及んでいないものを表在癌と呼び,リンパ節転移の有無は問わない.」と定義された.この文言にあるように表在癌診断・治療には病理医の関与は不可欠であり,最初の勉強会から現在の研究会まで病理の先生による解説が内視鏡画像の理解を深め,さらにはこの領域の学問の発展を支えてくださったことは言うまでもない.現在,本邦における咽頭表在癌のデータを全国規模で診療科を超えた共同作業として集積,解析しており,その結果が待たれる.

本書は耳鼻咽喉科医師と内視鏡医師の両方から,表在癌診断のための咽頭観察時の内視鏡の使い方から代表的な咽頭表在癌の白色光と特殊光の内視鏡画像を集め,わかりやすく解説するアトラスとして企画編集した.耳鼻咽喉科と消化器内視鏡では異なる機能解像度の内視鏡を用いている.そこで両科が咽頭表在癌を共通で理解できるように,可能なかぎり両科の内視鏡画像を提示していただくようにした.これから頭頸部外科を目指す先生方,内視鏡専門医を目指す先生方にとってはとても実践的な内容になっており,すでに多くの症例を経験している先生にとってもこれまでの知識を整理するうえで役立つ一書であると確信している.

最期にお忙しい中,本書の執筆をお引き受けいただき貴重な症例写真を提供してくださった諸先生方にこの場をかりて厚く御礼申し上げます.


2013年7月

武藤 学
渡邉昭仁

目次

I.総論

A 解剖

1.経鼻内視鏡による咽頭観察 

2.口腔〜咽頭までの内視鏡観察 

B 前処置

1.耳鼻咽喉科の内視鏡での前処置について 

2.経口内視鏡の前処置と体位

3.経鼻内視鏡の前処置

C 読み方のコツ

1.頭頸部表在癌診断のための耳鼻咽喉科内視鏡施行方法と読み方のコツ

2.上部消化管内視鏡における読み方のコツ

3.経鼻内視鏡における読み方のコツ


II.各論

A 表在癌や他の悪性腫瘍との鑑別を必要とする疾患群

1.披裂部の炎症(1)

2.披裂部の炎症(2)

3.リンパ濾胞性の炎症(1)

4.リンパ濾胞性の炎症(2)

5.フラットな乳頭腫

6.乳頭状の乳頭腫

7.過形成

8.咽頭白板症(1)

9.咽頭白板症(2)

10.喉頭白板症

11.メラノーシス(1)

12.メラノーシス(2)

13.外骨症(1)

14.外骨症(2)

15.喉頭蓋嚢胞(1)

16.喉頭蓋嚢胞(2)

17.下咽頭血管腫(1)

18.下咽頭血管腫(2)

19.放射線治療後の変化(1)

20.放射線治療後の変化(2)

21.Glycogenic acanthosis(1)

22.Glycogenic acanthosis(2)

B 表在癌例〜内視鏡病型と亜部位から〜

1.0-I型

1)中咽頭の0-I型

2)下咽頭梨状陥凹の0-I型(1)

3)下咽頭梨状陥凹の0-I型(2)

4)下咽頭梨状陥凹の0-I型(3)

5)下咽頭梨状陥凹の0-I型(4)

2.0-IIa型 白色調病変

1)中咽頭の0-IIa型(1)

2)中咽頭の0-IIa型(2)

3)下咽頭梨状陥凹の0-IIa型(1)

4)下咽頭梨状陥凹の0-IIa型(2)

5)下咽頭梨状陥凹の0-IIa型(3)

6)下咽頭その他の部位の0-IIa型

3.0-IIa型 赤色調病変

1)中咽頭の0-IIa型(1)

2)中咽頭の0-IIa型(2)

3)中咽頭の0-IIa型(3)

4)下咽頭梨状陥凹の0-IIa型(1)

5)下咽頭梨状陥凹の0-IIa型(2)

6)下咽頭梨状陥凹の0-IIa型(3)

7)下咽頭その他の部位の0-IIa型(1)

8)下咽頭その他の部位の0-IIa型(2)

9)下咽頭その他の部位の0-IIa型(3)

4.0-IIb型

1)中咽頭の0-IIb型(1)

2)中咽頭の0-IIb型(2)

3)下咽頭梨状陥凹の0-IIb型(1)

4)下咽頭梨状陥凹の0-IIb型(2)

5)下咽頭その他の部位の0-IIb型(1)

6)下咽頭その他の部位の0-IIb型(2)

5.0-IIc型

1)下咽頭の0-IIc型(1)

2)下咽頭の0-IIc型(2)

6.喉頭癌

1)喉頭蓋の表在癌−舌面(1)

2)喉頭蓋の表在癌−舌面(2)

3)喉頭蓋の表在癌−舌面(3)

4)喉頭蓋の表在癌−舌面(4)

5)喉頭蓋の表在癌−喉頭面

7.メラノーシスを伴う表在癌(1)

8.メラノーシスを伴う表在癌(2)

9.軟口蓋の表在癌(1)

10.軟口蓋の表在癌(2)

11.軟口蓋から硬口蓋への表在癌

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書籍情報

  • ISBN:9784498062627
  • ページ数:150頁
  • 書籍発行日:2013年8月
  • 電子版発売日:2014年4月18日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
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