リハビリテーション栄養Q&A

  • ページ数 : 138頁
  • 書籍発行日 : 2013年10月
  • 電子版発売日 : 2014年6月13日
3,520
(税込)
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商品情報

内容

近年需要の高まりを見せる「リハビリテーション栄養」に関して、現場での疑問点をQ&A形式で解決。入門編、知識編、実践編の3章に分け、入門編ではリハ栄養の実践に欠かせな最低限の知識を、知識編ではサルコペニアを中心に重要な疾患・障害を紹介。実践編では臨床現場で実際に困る状況に答えを出している。自分の知識レベルを踏まえて、必要なところから読み進めることができる。とても使い勝手の良い一冊。

序文

『リハビリテーション栄養Q&A』という書籍を中外医学社から出版させていただくことになりました.リハ栄養の言葉やコンセプトは,この数年でリハや栄養の世界では,それなりに普及してきたと思います.一方,リハ栄養の臨床現場での実践は,まだまだ普及していません.その理由の1つに,臨床現場でどのようにリハ栄養を実践すればよいのかに関する知見が少ないことがあります.そこでQ&A形式で,臨床現場での疑問を1つずつ解決できる書籍にしたいと考えました.

内容は入門編,知識編,実践編の3つに分かれています.入門編は,リハ栄養の実践に欠かせない最低限の考え方・知識・実践に関するQ&Aとしました.知識編は,サルコペニアを中心に,リハ栄養で重要な疾患・障害に関するQ&Aとしました.一部,難易度が高く読みごたえのあるQ&Aも含まれています.実践編は,臨床現場で実際に困ることが多い状況に関するQ&Aとしました.リハ栄養の実践に役立つ内容になっていると考えます.

今回,日本リハビリテーション栄養研究会の世話人に執筆を依頼しました(研究会ホームページhttps://sites.google.com/site/rehabnutrition/).日本リハ栄養研究会とは,リハ栄養を多職種で,考え,学び,実践していく研究会として,2011年に立ち上げました.2013年8月時点での会員数は,約2700人です.年に1回の学術集会や合宿の他,全国各地でリハ栄養セミナーとリハ栄養フォーラムを開催しています.この書籍を読んでリハ栄養に関心を持った医療人の方は,ぜひ入会していただきたいと思います.入会方法は研究会のホームページを参照してください.日本リハ栄養研究会の会員でなくても学術集会とリハ栄養フォーラムには参加できますので,リハ栄養に興味のある方はこれらの研修会にご参加いただければと思います.今回,執筆を引き受けてくださった日本リハ栄養研究会世話人の皆様に感謝いたします.

障害者や高齢者には低栄養を認めることが多いため,最適な栄養管理のもとでリハを実施しなければ,最高のパフォーマンスを引き出すことは困難です.不適切な栄養管理のまま,栄養を考慮せずに機能訓練のみ実施すれば,機能改善が難しいのは当然です.低栄養が機能障害の一因となっていることもよくあります.「栄養ケアなくしてリハなし」「栄養はリハのバイタルサイン」「リハと栄養はベストカップル」です.リハ栄養の実践には,多職種によるチーム医療が必要不可欠です.この書籍が,臨床現場におけるリハ栄養とチーム医療の実践の推進となれば幸いです.

最後に中外医学社の上村裕也さんと鈴木真美子さんには,執筆や編集で大変お世話になりました.心よりお礼申し上げます.


2013年 8月

若林 秀隆

目次

Ⅰ 入門編

Q1 リハ栄養とはなんですか.なぜリハで栄養が重要なのですか.

Q2 リハをしている人には低栄養が多いのですか.

Q3 低栄養の原因はなんですか.

Q4 低栄養はどのように評価したらよいですか.

Q5 低栄養の対処方法は原因によって違うのですか.

Q6 PT・OT ですが,NST で何をしたらよいですか.PT・OT の役割を教えてください.

Q7 リハNST とはなんですか.

Q8 どうやって職場の仲間にリハ栄養の考え方を広めたらよいですか.

Q9 リハ栄養に興味があります.研究会はありますか.

Q10 低栄養の時にレジスタンストレーニングは禁忌ですか.

Ⅱ 知識編

Q11 侵襲の異化期と同化期とはなんですか.なにが違うのですか.

Q12 悪液質=ターミナルではないのですか.悪液質のステージ分類を教えてください.

Q13 在宅で検査ができません.それでも栄養状態を評価できますか.

Q14 肥満のためにリハが進みにくいことはありますか.

Q15 肥満パラドックス(obesity paradox)とはなんですか.

Q16 リハをしている人のエネルギー必要量はどのように考えればよいですか.

Q17 リハをしている人の蛋白必要量はどのように考えればよいですか.

Q18 メッツ(METs)とはなんですか.

Q19 PT・OT の運動強度がメッツでどのくらいなのかわかりません.何か目安はありませんか.

Q20 Frailty(フレイルティ,虚弱)とはなんですか.

Q21 サルコペニア,ダイナペニア,ミオペニアはどう違うのですか.

Q22 サルコペニアの診断基準を教えてください.

Q23 サルコペニアにはどう対処したらよいですか.

Q24 サルコペニアには分岐鎖アミノ酸がよいのですか.

Q25 サルコペニアにはビタミンD は有効ですか.

Q26 サルコペニアと骨粗鬆症は合併しやすいのですか.

Q27 サルコペニアにカロリー制限は有用ですか.

Q28 サルコペニア肥満とはなんですか.どう対処したらよいですか.

Q29 サルコペニアで嚥下障害になることがあるのですか.

Q30 サルコペニアでは呼吸筋も障害されるのですか.また,呼吸筋トレーニングは有効なのですか.

Q31 大腿骨近位部骨折の後に嚥下障害になることがあるのはなぜですか.

Q32 Presbyphagia(老嚥)とはなんですか.

Q33 口腔機能は低栄養の時に低下するのですか.

Q34 持久力低下の原因はなんですか.

Q35 全身持久力低下にはどう対処したらよいですか.

Q36 ICUAW とはなんですか.廃用症候群とは違うのですか.

Q37 Muscle quality とはなんですか.改善できますか.

Q38 ERAS,ESSENSE とはなんですか.

Q39 Prehabilitation とはなんですか.

Q40 ロコモティブシンドロームで栄養は重要ですか.

Q41 回復期リハ病棟での栄養管理は,急性期や維持期と違いますか.

Q42 筋緊張が高い人や不随意運動を認める人はやせやすいのですか.

Q43 運動療法には抗炎症作用があるのですか.

Q44 EPA とはなんですか.悪液質にはよいのですか.

Q45 知的障害の人には肥満やサルコペニアが多いのですか.

Q46 重度心身障害者で痩せている人が多いのはなぜですか.

Q47 廃用症候群の患者には低栄養が多いのですか.

Q48 脳血管疾患の人には低栄養が多いのですか.

Q49 大腿骨近位部骨折の人には低栄養が多いのですか.

Q50 低ナトリウムなどの電解質異常とリハの効果は関連がありますか.

Q51 インスリン抵抗性に対するリハと栄養のエビデンスはありますか.

Q52 食事摂取困難ですが,アルブミン値3.4 だから栄養状態は悪くないといわれました.積極的なリハを行って大丈夫でしょうか.

Q53 リハ室まで歩ける患者ですが,栄養状態が悪いから筋トレできないといわれました.食事は十分摂れているのですが,なぜでしょうか.

Q54 下肢切断後の体重評価,栄養必要量の設定はどう考えればよいでしょうか.

Q55 管理栄養士です.リハカンファレンスに参加したいのですが,どうしたらよいですか.

Q56 PT・OT です.NST に参加したいのですが,上司が21 単位(1 単位=20 分)やってから参加しなさいといいます.どうしたらよいですか.

Q57 歯科医師・歯科衛生士です.リハ栄養カンファレンスで自分たちの専門性をどういかしていけばよいですか.

Ⅲ 実践編

Q58 低栄養の時はどの程度活動すればよいのですか.

Q59 嚥下リハで経口摂取可能になりましたが,1 日エネルギー必要量に届かない時はどうしますか.

Q60 サルコペニアでも慢性腎臓病(CKD)の場合には低蛋白食にするべきですか.

Q61 低栄養でも糖尿病の場合にはエネルギー制限食にすべきでしょうか.

Q62 リハ栄養で有用な検査項目はなんですか.検査値の見方を教えてください.

Q63 リハ栄養で注意したほうがよい薬剤はありますか.

Q64 サルコペニアでも肝硬変の場合には安静にすべきですか.

Q65 機能訓練中〜直後に栄養剤を飲むメリットはなんですか.

Q66 機能訓練中〜直後に栄養剤を飲ませたいのですが,コストはどうしたらよいですか.

Q67 どんな人に機能訓練中に栄養剤を飲んでもらうのがよいですか.

Q68 がんの人があまり食事を摂取できないのはなぜですか.どうしたらよいですか.

Q69 がんの人には積極的に運動を行った方がよいですか.

Q70 がんのrefractory cachexia(不応性悪液質)のリハ栄養管理はどうしたらよいですか.

Q71 重度心身障害者の偏食・拒食にどう対処したらよいですか.

Q72 重度心身障害者の麻痺の違いによるリハ栄養管理の注意点はありますか.

Q73 認知症の方が食事を食べてくれません.どうしたらよいですか.

Q74 誤嚥性肺炎を発症した場合のリハ栄養管理はどうしたらよいですか.            

Q75 誤嚥性肺炎患者の急性期の栄養管理(栄養ルート,エネルギー量)はどうしたらよいですか.

Q76 小脳出血で嘔気・嘔吐があり,食事が進まない患者のリハ・栄養ケアはどうしたらよいですか.

Q77 脳卒中後にうつを合併しやすいのですか.どう対応したらよいですか.

Q78 栄養モニタリングはどの指標を,どんな間隔で再評価したらよいですか.

Q79 レジスタンストレーニングにおける蛋白質の摂取方法として,効率のよい内容と量とタイミングはありますか.

Q80 有酸素運動と筋トレのうまい組み合わせ方はありますか.

Q81 腎機能低下(軽度〜中等度)のあるサルコペニアの方のリハ栄養管理はどうしたらよいですか.

Q82 気管切開があり,機能訓練をしている患者の水分管理はどう考えたらよいですか.

Q83 経管栄養で胃内容物が逆流・残留する場合の栄養管理はどうしたらよいですか.

Q84 リハの効果を高めるにはどのような経管栄養剤や補助食品がよいですか.

Q85 イレウス(腸閉塞)の症例のリハ栄養管理はどうしたらよいですか.

Q86 COPD の人工呼吸器離脱に難渋しています.栄養ルートの選択とリハプランはどうしたらよいですか.

Q87 COPD で体重減少が著しく,いくら食べても体重が増加しません.どうしたらよいですか.

Q88 末梢静脈栄養で1 日300 kcal しか投与していませんが,口腔・嚥下の筋トレはやっても大丈夫ですか.

Q89 回復期リハ病棟を退院後に低栄養,低ADL で再入院される方がいます.在宅でのリハ栄養をどうしたらよいですか.

Q90 リハをしている糖尿病の方の食事単位は,どのように決めたらよいですか.

Q91 ゼリー訓練中の誤嚥性肺炎患者ですが,認知症もあり,経鼻経管チューブを自己抜去しました(胃ろうは家族が拒否).あと2 〜4 週間くらいリハをしたら代替栄養なくミキサー食を食べられそうなのですが,その間どう栄養管理をしたらよいですか.

Q92 浸出液の多い褥瘡や熱傷の方のリハ栄養管理はどうしたらよいですか.

Q93 入院中に急性感染症に罹患して隔離対策となった方へのリハ栄養で,注意すべき点はありますか.

Q94 誤嚥性肺炎をくり返すため経静脈栄養のみとしましたが,肺炎は再発し,リハの中断が続いています.どう対処すればよいでしょうか.

Q95 高齢者の肥満(25≦BMI<35)の患者も,若い人と同じように積極的に減量した方がよいのでしょうか.

Q96 減量時のNPC/N の設定方法と,その評価法の目安があったら教えてください.

Q97 回復期リハ病棟であるため,血液検査をなかなかオーダーしてくれません.血液検査以外にリハ栄養を評価する指標を教えてください.

Q98 リハ栄養アセスメントとして身体測定を実施,評価する上で,注意しなければならない点はありますか.

Q99 食事の時は義歯を装着していますが,日常生活やリハ実施時は義歯をつけていなくても支障ありませんか.

Q100 高度栄養障害患者に対して栄養療法を開始する場合,注意すべき点はありますか.

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書籍情報

  • ISBN:9784498067141
  • ページ数:138頁
  • 書籍発行日:2013年10月
  • 電子版発売日:2014年6月13日
  • 判:B5判
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