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- カラーテキスト血液病学 第2版
商品情報
内容
とかく難しい、分かりにくいといわれる血液学。本書は医学生、研修医、内科医を対象に、カラーイラストや写真を多用して各領域のエキスパートが解説をおこなった。血液学の基礎知識はもちろんのこと、進歩著しい臨床医学分野に関しても最新の知見を盛り込み、まさに本領域の決定版といえる。
序文
この度,好評であった「カラーテキスト血液病学」を全面的に改訂し「カラーテキスト血液病学第2版」として刊行することとなった.前著は押味和夫先生が編集され,カラーの図表を多用することで,とかくわかりにくい,難しいと言われる血液病学を医学生や研修医にもわかりやすく解説した教科書として幸いにもご好評をいただいた.しかしながら,刊行より6年も経過すると多くの血液疾患の分子病態の解明が進み,血液病学はダイナミックに進歩するとともに,多くの新しい分子標的治療薬の導入や移植治療の進歩などにより血液疾患の治療成績も格段に向上した.特に造血器腫瘍に関してはWHO分類第4版が出版され,疾患概念そのものが大きく変わった疾患も存在する.
このような血液学の大きな潮流の中で,今回全面的に内容を一新した「カラーテキスト血液病学第2版」は,医学部学生から研修医そして血液専門医までを対象に,血液学をより深く理解し,そして何よりも血液学に興味を持てるようなテキストを目指した.その結果,今回の改訂では血液学の基礎から臨床まで大幅に項目を増やし,また執筆者も第一線で活躍するエキスパートに得意分野の執筆をお願いした.前著からのカラーの図表を多用することにより,とにかく読んで楽しく理解できる,わかりやすい教科書という基本的なコンセプトは継続し,複雑な病態や薬剤の作用機構などはカラーの図を多用することで本質的な理解を助けることにも心がけた.したがって,本書は血液病学を学ぶ学生から研修医,そして忙しい日常診療のなかで常に患者に最新かつ最良の医療を提供しなくてはならない臨床医に至るまで多くの血液病学に関わる方々の役に立つ教科書となり得ると考えている.
本書が,血液学を学ぶ多くの方々の座右の書となり,授業や実際の診療の現場など,多くの場面で活用されることを編集者として望んでいる.最後に,臨床や研究など忙しい毎日の中で快く執筆いただいた筆者の先生方に心より御礼申し上げる.
2013年9月
木崎 昌弘
目次
第1章 造血システム
A 血球の産生・崩壊とその調節
1.血球の個体発生
2.造血機構における階層性
3.造血幹細胞
4.造血制御機構
5.血球の発生
6.血球の崩壊
B 血液の生理と機能
1.赤血球の生理と機能
2.白血球の生理と機能
3.止血機構
第2章 造血器腫瘍の発症機構
A 白血病幹細胞
B がん遺伝子/がん抑制遺伝子と発がん
1.がん遺伝子とがん抑制遺伝子
2.遺伝子変異の種類
3.micro RNAの機能異常
4.腫瘍発症機構
C エピゲノム異常と発がん
1.エピゲノムとは
2.エピゲノム異常による造血器腫瘍
3.エピゲノム異常を標的とする造血器腫瘍治療法
D 骨髄系腫瘍の発症機構
1.遺伝子変異の種類と病型
2.急性骨髄性白血病
3.骨髄異形成症候群
4.慢性骨髄性白血病
5.骨髄増殖性腫瘍
E 悪性リンパ腫の発症機構
1.リンパ腫の発症と遺伝子異常
2.リンパ腫における遺伝子転座
3.ウイルスとリンパ腫
F 多発性骨髄腫における染色体異常および遺伝子異常
1.多発性骨髄腫(multiple myeloma:MM)発症の過程
2.MPC成立の初期イベントとしての染色体異常・遺伝子異常
3.MMの悪性形質の進行を促進する二次的染色体異常・遺伝子異常
4.MMにおける分子異常の新展開
5.Molecular classificationと臨床病態
第3章 血液疾患の診断:主要徴候と検査値異常の解釈
A 血液疾患診断のための病歴および身体所見のとり方
1.病歴聴取
2.身体所見のとり方
B 貧血の診察と鑑別
1.貧血患者の診察
2.網状赤血球数
3.赤血球恒数による貧血の分類
C リンパ節腫大,肝脾腫の診察と鑑別
D 出血傾向の診察と鑑別
E 血栓傾向の診察と鑑別
1.概念と病態生理
2.診断と鑑別
第4章 血液疾患診断のための臨床検査
A 末梢血および骨髄穿刺/骨髄生検
1.末梢血血液像の観察と正常末梢血液像
2.骨髄穿刺/骨髄生検
3.代表的な血液疾患の末梢血/骨髄塗抹像,生検像
B リンパ節生検
1.生検部位の選択と検体の取り扱い
2.生検時の各種検査
3.リンパ節生検の病理組織:正常構造および非腫瘍性病変
C 溶血検査
1.溶血所見と溶血性貧血
2.溶血に関する検査と溶血の鑑別
D 表面マーカー検査
E 造血器腫瘍における染色体分析
1.染色体検査法(分染法,FISH法,SKY法)
2.異常の判定方法
3.造血器腫瘍の染色体異常とクロモスリプシス
F 分子生物学的検査
1.概 説
2.検査方法
3.白血病の遺伝子検査
4.リンパ系腫瘍の遺伝子検査
G 血小板機能検査,凝固線溶系検査
1.血小板機能検査
2.凝固線溶系検査
H 血液疾患診断/治療効果判定のための画像検査
1.血液疾患における画像検査の役割
第5章 血液疾患の治療
A 血液疾患へのアプローチ:治療の進め方
1.造血器腫瘍に対する治療計画の立案と患者・家族への説明
B 造血器腫瘍の治療法
1.抗腫瘍薬
2.分子標的治療薬の作用機序と副作用
3.造血因子:作用機序,適応,使用法
4.造血器腫瘍に対する放射線療法の適応と有害事象
5.造血器腫瘍における疼痛への対応
6.造血器腫瘍における救急対応
7.造血器腫瘍の治療と肝炎ウイルス再活性化:現状と対策
C 造血幹細胞移植
1.造血幹細胞移植の種類
2.わが国の造血幹細胞移植の動向と骨髄/臍帯血バンク
3.造血幹細胞移植の原理
4.造血幹細胞移植に必要なHLAの基礎知識
5.幹細胞の採取法と輸注法
6.同種造血幹細胞移植の適応
7.同種造血幹細胞移植の実際
8.同種造血幹細胞移植における移植前処置
9.自家末梢血幹細胞移植
10.移植片対宿主病とGVL効果
11.造血幹細胞移植に特有な合併症
12.血液疾患における移植の適応と治療成績
D 血液疾患に合併する感染症
1.血液疾患に合併する感染症の特徴
2.感染症の予防と治療
E 輸 血
1.血液型と輸血
2.血液製剤の適正使用
3.血液製剤の種類と適応
4.輸血による副作用と合併症
5.血漿交換の適応と実際
F 血液疾患に対する遺伝子治療の現状と今後の展望
G 再生医療の現状と血液疾患への応用
1.再生医療と幹細胞
2.血液疾患への再生医療応用
第6章 赤血球系疾患
A 鉄代謝異常による貧血
1.鉄代謝
2.鉄欠乏性貧血
3.鉄芽球性貧血
4.無トランスフェリン血症
5.ヘモクロマトーシス
B 二次性(症候性)貧血
1.慢性疾患に伴う貧血
2.腎性貧血
3.肝硬変およびその他の肝疾患に伴う貧血
4.内分泌疾患に伴う貧血
5.栄養素不足による貧血
C 巨赤芽球性貧血
1.ビタミンB12欠乏による巨赤芽球性貧血
2.葉酸欠乏による巨赤芽球性貧血
3.その他の原因による巨赤芽球性貧血
D 造血不全
1.成人再生不良性貧血
2.小児特発性再生不良性貧血
3.先天性骨髄不全症
4.赤芽球癆
E 溶血性貧血
1.溶血性貧血総論
2.赤血球膜異常による溶血性貧血
3.異常ヘモグロビン症とサラセミア
4.酵素異常による遺伝性溶血性貧血
5.免疫機序による溶血性貧血
F 発作性夜間ヘモグロビン尿症
G 鉄過剰症と鉄キレート剤
H 赤血球破砕症候群
第7章 白血球系疾患
A 白血球増加症
B 白血球減少症
C 白血球機能異常症
D 伝染性単核球症
E HIV_1感染症
F 原発性(先天性)免疫不全症
第8章 造血器腫瘍と関連疾患
A 造血器腫瘍の分類
1.分類の変遷
2.WHO分類について
3.骨髄系腫瘍の分類
4.リンパ系腫瘍の分類
5.WHO分類の意義と今後の方向性
B 急性白血病
1.急性骨髄性白血病
2.急性前骨髄球性白血病
3.急性リンパ性白血病
4.二次性(治療関連)白血病
C 骨髄異形成症候群
D 慢性骨髄性白血病
E 骨髄増殖性腫瘍
1.真性赤血球増加症(真性多血症)
2.本態性血小板血症
3.原発性骨髄線維症
4.慢性好酸球性白血病・好酸球増多症候群
5.慢性好中球性白血病
6.肥満細胞症
7.骨髄増殖性腫瘍,分類不能型
F リンパ球の分化とリンパ球系腫瘍
1.B細胞の分化とB細胞腫瘍
2.TおよびNK細胞の分化とT/NK細胞腫瘍
G リンパ系腫瘍
1.慢性リンパ性白血病の診断と関連疾患
2.悪性リンパ腫総論;病理と病態
3.Hodgkinリンパ腫
4.濾胞性リンパ腫
5.MALTリンパ腫
6.マントル細胞リンパ腫
7.びまん性大細胞型B細胞リンパ腫
8.Burkittリンパ腫
9.末梢性T細胞リンパ腫
10.NK/T細胞リンパ腫
11.成人T細胞白血病_リンパ腫
12.菌状息肉症/Sézary症候群/原発性皮膚CD30陽性T細胞増殖性疾患
H 多発性骨髄腫と類縁疾患
1.免疫グロブリンとその異常
2.多発性骨髄腫
3.原発性マクログロブリン血症
4.原発性アミロイドーシス(ALアミロイドーシス)
5.POEMS症候群(Crow_Fukase症候群,高月病)
6.Castleman病
I 組織球・樹状細胞の異常と血球貪食症候群
1.組織球とその異常
2.血球貪食症候群
3.樹状細胞とその異常
J 小児の造血器腫瘍
1.小児骨髄異形成症候群
2.若年性骨髄単球性白血病
3.小児急性白血病・リンパ腫
第9章 出血・血栓性疾患
A 血小板の異常
1.血小板の量的異常(血小板減少症)
2.血小板の質的異常(先天性血小板機能異常症)
B 血管性紫斑病
C 血栓性血小板減少性紫斑病
D ヘパリン起因性血小板減少症
E von Willebrand病
F 血液凝固線溶因子の異常
1.凝固因子欠損
2.線溶亢進
G 播種性血管内凝固症候群
H 血栓症
1.血栓症と血栓性素因
2.抗血栓性の喪失―深部静脈血栓症の危険因子
I 抗リン脂質抗体症候群
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書籍情報
- ISBN:9784498125391
- ページ数:688頁
- 書籍発行日:2013年12月
- 電子版発売日:2014年2月28日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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