こういうことだったのか!! NPPV

  • ページ数 : 156頁
  • 書籍発行日 : 2017年7月
  • 電子版発売日 : 2017年9月29日
2,640
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商品情報

内容

医師・看護師・臨床工学技士のみなさん、みようみまねで使ってませんか?

「NPPV vs ネーザルハイフロー」「重症呼吸不全患者の血液ガス解釈を復習する」など、みんなの“知りたい”に答えました!乗り手を選ぶNPPVを上手に扱うコツを教えます!

あわせて読む → 「こういうことだったのか!!」シリーズ

序文

NPPVアゲイン

人工呼吸といえば,侵襲的人工呼吸(挿管を伴う人工呼吸)であった時代に医師人生が始まった筆者にとって,2000年代初頭のNPPV登場は衝撃的でした.従来であれば,肺水腫を伴う急性心不全に対して,鎮静薬を投与しながら挿管し人工呼吸を始めると,それまで高血圧であった患者が低血圧となり慌てて昇圧薬を投与し...といったお世辞にもスマートとはいえないシーンが少なからずありました.NPPVによって,鎮静薬も昇圧薬も必要とせず,わずか数時間で人工呼吸から離脱する患者をみたとき,急性呼吸不全管理におけるブレイクスルーを感じました.

一方,NPPV機器・回路・設定は比較的単純な構造であるにも関わらず,マスクフィッティング,リーク対策,NPPVモード,患者評価などにおいて様々なコツがあります.単純な構造であるからこそコツが必要なのかもしれません.NPPVがデビューしたころ,様々な試みがなされ呼吸関連学会においてもおおいに議論されコツが披露されました.

NPPVが衝撃的なデビューを果たしてから十数年が経過し,NPPVは普通の治療となりました.導入期に苦労して業務をつくりあげた同志は異動によりバラバラとなり,「みようみまね」で使われていると感じるシーンがあります.NPPV運転はコツ次第ですが,乗り手を選ぶこと自体あまり意識されません.

2010年代初頭,新星ネーザルハイフローが登場し,NPPVの存在感がやや薄れたように感じます.NPPVとネーザルハイフローはライバルである面もありますが,補い合う関係でもあります.「NPPVはネーザルハイフローに劣る」とする報告がみられますが,「NPPVを使いこなせているのか?」と問いたくなります.逆説的にいえば,「NPPVを乗りこなせないのならネーザルハイフローの方が優れている」のかもしれません.

筆者自身,あらたな気持ちでNPPVを見直すこととし,筆者の経験からえたNPPVにまつわる様々なコツを本書にもりこみました.本書を通じて,NPPVを上手に乗りこなす仲間が増えることを望みます.


2017年7月

小尾口 邦彦

目次

CHAPTER 01
まず,オーソドックスな人工呼吸器を理解し,次にNPPVの仕組みを理解しBilevel設定する理由を知る

・たまに? 結構? ある誤解

・オーソドックスな人工呼吸器(汎用人工呼吸器)の構造

・定常流とは

・シングルブランチ(1本管)には弁をもつ仕組みともたない仕組みがある

・NPPVによる回路内圧のつくり方

・NPPVによる換気

・NPPV専用機の最低圧は2〜4cmH2O

・NPPVはなぜBilevel設定なのか?

CHAPTER 02
呼気ポート付マスク・呼気ポートなしマスク

・呼気ポート付マスク

・気管切開患者にNPPV専用機を接続するときは要注意!!

・NPPV専用機と汎用人工呼吸器の換気は違うのか?

・多くの汎用人工呼吸器でもNPPV施行は可能だが...

・シングルブランチ=呼気ポート付マスクとは限らず...

・呼気ポートなしマスクには,ベント(安全弁・窒息防止弁)ありとなしがある

・NPPVのリークは1カ所ルールを厳守する

・ミスを犯さないための組織としての対応

CHAPTER 03
皮膚・軟部組織保護を理解するために〜多くの看護師は知っているが多くの医師は知らない,あるいは関心がないこと〜

・圧に加えて,「ずれ」が重視される

・寝具や腹臥位用製品から学ぼう!!

CHAPTER 04
NPPVマスク装着にドレッシング素材をルーチン併用することは適切なのか?

・MDRPU

・予防ドレッシング

・ツルツル×ツルツル=ツルツルとは限らない

・「NPPVマスク装着にドレッシング素材をルーチン併用すること」の真の問題点

・筆者施設における現在の対応

・NPPVマスクによる軽度MDRPUはトレードオフの要素があることも理解する

CHAPTER 05
リークを気にしすぎるな!!でも,気にしろ!!

・NGチューブ用パッド

・リーク教育の難しさ

・2つのリーク

・リーク(アンインテンショナルリーク)が多いとなぜ困るのか?

・ペイシャントリークとトータルリーク

・インテンショナルリーク量を規定するのはEPAP

・リーク(アンインテンショナルリーク)をどれぐらい許容できるのか?

・リークを気にしすぎるな!!でも気にしろ!!

CHAPTER 06
マスクフィッティングを制するものはNPPVを制する

・NPPVマスクの選択とその構造の特徴

・ダブルクッションタイプ

・ジェルタイプ

・(狭義の)ジェルタイプ

・マスクフィッティングを制するものはNPPVを制する

・筆者が考える良質なマスクフィッティングのコツ

CHAPTER 07
NPPV実践講座

・NPPVの適応・開始の基準

・NPPVの適応疾患

・適応をしっかり理解しよう

・気管支喘息へのNPPV使用

・NPPVのモード選択・条件設定

・ライズタイム

・S/TモードとCPAPモードのどちらを選択すべきか?

・NPPVの圧設定用語

・S/Tモードの一般的な開始条件

・NPPV設定の変更

・IPAPをどの程度まで上げることができるのか?

・加温加湿器

・マスクの装着

・NPPV中の鎮静

・NPPV導入後の評価

・どの程度重症患者までNPPVを使用できるのか?

・挿管・しっかり鎮静・しっかり人工呼吸が必要な症例がある

・NPPV続行に固執しがちである心理を感じた症例

・コラム 眼鏡をかけることができるNPPVマスク

CHAPTER 08
COPD患者のNPPV換気を考える

・Auto PEEP(内因性PEEP)

・Auto PEEPの発見

・NPPV専用機において,Auto PEEPをグラフィックから発見することはおそらく難しい

・Auto PEEPの問題点

・Auto PEEPへの対処

・COPDは末梢気道病変なのか中枢気管病変なのか?

・Tモードが作動するよう設定・PCVモードへの変更でうまくいくこともある

・自発呼吸の吸気時間がきわめて短いとき

・COPDとARDSの人工呼吸管理の違いを考える

・重症COPDの急性増悪に侵襲的人工呼吸を行った患者の予後

CHAPTER 09
NPPV vs ネーザルハイフロー

・NPPV vs ネーザルハイフロー

・筆者が考えるNPPVとネーザルハイフローの使い分け

・コラム nasal CPAPとネーザルハイフローは違う

CHAPTER 10
NPPVがテーマの本だけど,重症呼吸不全患者の血液ガス解釈を復習する

・我々の体はどのように酸を処理する?

・HCO3の振る舞いをイメージしよう

・PaCO2の振る舞いをイメージしよう

・アシデミア(酸血症),アルカレミア(アルカリ血症)

・代償

・血液ガスの各項目を正常化すればよいのか?

・実録 どたばた症例から学ぶショック患者のpHマネージメント

・重症患者を挿管・人工呼吸開始した後,高血圧⇒血圧低下・ショック状態となる理由



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書籍情報

  • ISBN:9784498130364
  • ページ数:156頁
  • 書籍発行日:2017年7月
  • 電子版発売日:2017年9月29日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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