腹膜透析・腎移植ハンドブック

  • ページ数 : 340頁
  • 書籍発行日 : 2018年10月
  • 電子版発売日 : 2018年11月16日
5,940
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商品情報

内容

腹膜透析×腎移植 本邦初のハイブリッドマニュアル!

腹膜透析は,拘束時間が短くQOLが非常に高いこと,残腎機能の保持に優れることなど多くのメリットを有する優れた腎代替療法である.血液透析に加え,腹膜透析・腎移植を適切にオプション提示していくことが真のTotal Renal Careに通じる.その理想を体現するハンドブックがついに登場した.『腹膜透析ハンドブック』(2012)の全面改訂版.

序文

巻頭言

日本の血液透析の技術は高く十分に普及したが,腹膜透析や移植は一般化していない.2018年度4月の保険改定で,血液透析,腹膜透析,および腎移植を適切にオプション提示していくことが評価されることになった.そうした背景をふまえ,『腹膜透析ハンドブック(2012)』にあらたに腎移植に関する項目を加え,刷新版として上梓することにした.

巻末には理解を深めるための問題を用意した.本書を読み,実践経験を積みながら回答していくと実力がついていくものと思う.姉妹書『絶対成功する腎不全・PD診療TRC』もあわせて読んでいただくと,個別の事例で実践がしやすくなるものと考えている.

本書が,腎不全医療にかかわる医療者の技術向上に役立つことができれば望外の喜びであり,ご協力いただいたすべての方に心より感謝の気持ちを伝えたい.


2018年 夏

石橋 由孝

目次

総論 Total renal care─腎代替療法を柔軟に使い分ける─

腎代替療法選択上のポイント

I章 腹膜透析

I-1 PDの原理

PDの原理

腹膜の特性

I-2 PDの適応と禁忌

PD選択

PD困難な症例

PD困難が想定される場合

I-3 至適透析の考え方

至適透析とは

I-4 残存腎機能とPDファースト・インクリメンタルPD,PD処方

残存腎機能(residual renal function:RRF)とPDファースト

RRF保持のための注意点

インクリメンタルPD

透析量の計算方法と評価法

PD処方の実際─治療の種類と使い分けの例

処方の組み立ての実際とその他のアドバイス

I-5 PD+HD併用療法

適応

PD+HD併用療法の課題

診療のコツ

I-6 PD透析液の種類

透析液の種類

I-7 腹膜平衡試験(PET)

PETとは

PET手順

結果解析

PETの利用法

I-8 PD透析液の生体適合性

正常な腹膜組織

腎不全に伴う腹膜変性

腹膜透析特有の腹膜変性

生体不適合因子

中性低GDP液の効果

緩衝剤としての乳酸

I-9 患者教育・自己管理

急性疾患と慢性疾患の違い

CKDにおけるearly referralの重要性

保存期・多職種教育の重要性

腎代替療法選択に関する情報提供

多職種チームによる教育multidisciplinary team

患者教育の方法論:学習/記憶理論の重要性

ISPD患者教育ガイドラインの要点

当院における多職種外来

ツールの利用

I-10 PD導入入院

カンファレンス

I-11 PD関連手術(テンコフカテーテル留置・出口部変更術)

I-11-1 テンコフカテーテル留置

術前に行うこと

周術期の準備

手術手技の実際

術後管理,その他

I-11-2 出口部変更術

術前に行うこと

周術期の準備

手術手技の実際

術後管理,その他

I-12 在宅診療

I-12-1 高齢者PDと在宅支援〜安定した生活のためのケアプランの重要性〜

高齢PD患者の特徴

在宅支援に必要なアセスメントの方法

事例紹介

退院に向けての在宅移行の実際

I-12-2 システマティックな在宅診療

ICTを活用した取り組み

石巻での地域包括ケアの取組み

運用を通じて問題解決を図る仕組み作りの重要性

I-13 運動療法

運動の必要性

腎不全透析患者の運動の効果

運動の実際

腹膜透析患者,腎移植患者の運動の工夫

I-14 栄養評価

腹膜透析患者に特徴的な栄養障害

栄養評価

腹膜透析患者の食事摂取基準

I-15 腹膜細胞診

細胞診の手技

排液細胞診のポイント

中皮細胞診のポイント

I-16 腹膜組織診

正常腹膜組織とPDに伴う変化

腹膜組織所見と腹膜機能・予後

腹膜予後の改善を目指して

腹膜生検における注意点

I-17 PD長期継続への方策

体液管理・残腎機能保持

腹膜機能の保持

生体適合性の高い透析液の使用

EPSの予防

出口部・トンネル感染の予防

栄養・筋肉量・骨量の保持

在宅医療の支援

PD+HD併用療法

I-18 MIA症候群とPD

定義

機序

治療

一時的なHDへの移行

I-19 災害時のPD

災害に対して事前にシミュレーションし,教育しておく必要がある項目

避難経路と避難先

避難時に持ち出すもの

避難先や自宅での腹膜透析方法

食事管理

医療機関や透析メーカーへの連絡

薬剤・透析液のストック

地域災害ネットワークなど

腹膜透析メーカー連絡

I-20 TRC研修

TRCとは

I-21 カテーテル出口部・トンネル管理

カテーテル挿入周術期(出口部完成前)のケア

維持期(出口部が完成後)のケア

感染時のケア

出口部トンネルの観察のポイント

ケアの注意点

I-22 出口部感染

定義と分類

診断

予防

治療

監視培養

I-23 排液混濁の考え方

診断

治療

I-24 PD関連腹膜炎

予防

症状

原因

診察

患者教育

検査

診断基準

治療

抗菌薬の投与期間

予防

難治/再発/再燃/反復例に対する対処

カテーテル抜去の適応

カテーテル抜去後の再挿入時期

I-25 抗酸菌性腹膜炎・出口部感染(結核および非結核性抗酸菌感染症)

起因菌と頻度

抗酸菌性腹膜炎の原因・由来

診断

治療

I-26 注排液トラブル:カテーテル位置異常・疼痛・排液不良,機械トラブル

カテーテル位置異常と閉塞

疼痛や機械トラブル

I-27 透析液リーク,ヘルニア

分類・部位・危険因子

頻度

症状

診断

予防

I-28 横隔膜交通症

診断

治療

I-29 体液管理:食塩の重要性(利尿薬の使い方も含めて)

PDにおける体液管理の現状と重要性

体液管理不良の原因と対応

I-30 腹膜透析とCKD-MBD

慢性腎臓病に伴う骨ミネラル代謝異常症(CKD-MBD)

PDにおけるCKD-MBDの治療方針

日本透析医学会のCKD-MBDガイドライン

PDにおけるCKD-MBDの治療

I-31 貧血とPD

I-32 脂質代謝異常とPD

診断

治療

展望

I-33 糖尿病とPD

糖尿病患者に対するPDの適応(身体面)

血糖コントロール

体液コントロール

PD関連腹膜炎,カテーテル関連感染症

糖尿病合併PD患者におけるイコデキストリンの有用性と注意点

I-34 心疾患とPD

PD患者の心不全の原因

PD患者の心不全, 体液量の評価

PD患者の心不全の治療

I-35 腹部手術既往歴とPD

腹部手術の既往例へのPD導入

PD患者の腹部手術

I-36 多発性囊胞腎とPD

I-37 肝疾患とPD

肝疾患を有するCKD患者の特徴とHDの問題点

肝疾患を有する患者におけるPDの特徴

I-38 高安動脈炎(大動脈炎症候群)とPD

総論

高安動脈炎における腎代替療法選択

I-39 被囊性腹膜硬化症(EPS)

概念

発症機序

EPS発症に関するリスクファクター

診断とステージ分類

治療

II章 腎移植

II-1 腎移植に関する情報提供を適切に行うために

腎代替療法選択における腎移植

腎移植の利点,問題点

生体腎移植と献腎移植

ABO血液型不適合移植

腎移植の成績

腎移植の生命予後

腎移植の医療費

II-2 生体腎移植の術前評価

生体腎移植ドナーの評価

生体腎移植レシピエントの評価

II-3 組織適合性検査

HLAタイピング

リンパ球クロスマッチ

抗HLA抗体検査

II-4 先行的腎移植

先行的腎移植のメリット・デメリット

日本の先行的腎移植の現況

先行的腎移植のタイミング

II-5 腎移植術と周術期管理

移植用腎採取術

生体腎移植術

II-6 腎移植における免疫抑制薬

背景

導入療法(induction therapy)

維持療法(maintenance therapy)

II-7 拒絶反応とBanff分類

Banff分類

T細胞性拒絶

抗体関連型拒絶

脱感作療法

II-8 腎移植レシピエントのフォロー

内科的管理

感染症

ワクチン接種について

移植後腎炎

悪性腫瘍

妊娠

II-9 生体腎移植におけるドナーフォローの重要性

生命予後

腎予後と蛋白尿

高血圧

糖尿病

肥満

CVDの予防

精神心理面とQOL

II-10 献腎移植

献腎移植の現況

献腎移植の成績

献腎移植登録

献腎移植におけるレシピエントの選択基準

献腎移植の流れ

臓器提供を増やすには


問題


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書籍情報

  • ISBN:9784498224421
  • ページ数:340頁
  • 書籍発行日:2018年10月
  • 電子版発売日:2018年11月16日
  • 判:B6変型
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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特記事項

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