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クリニカルスタッフのためのしびれ・痛み診療と薬物治療

  • ページ数 : 160頁
  • 書籍発行日 : 2014年6月
  • 電子版発売日 : 2014年11月28日
3,960
(税込)
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商品情報

内容

全ての医療従事者が知っておくべき、しびれ・痛み診療の内容や薬物療法の基本的知識を平易に解説した本書。手術技術や薬物治療の進歩により治療成績は向上している反面、患者から治療をしたのにしびれや痛みが改善しないという声も聞こえる。
痛みの診療に関わっている全てのクリニカルスタッフの日々の業務にお役立ていただきたい一冊です。

序文

はじめに


私は25年以上,脳神経外科医としてしびれ,痛みを呈する脊椎脊髄疾患や末梢神経疾患の治療に専念してきました.近年,診断能力や手術技術は向上し,さらに,薬物治療の進歩により治療成績は良くなっているのですが,時に,治療をしたのにしびれや痛みが改善しないとか,かえって調子が悪くなったと言われることがあります.外科医は治療さえうまくいけば,病気は良くなり,患者さんは治療結果に満足するものであると考えがちです.適切な医療を患者さんに提供するには,全てのクリニカルスタッフ(薬剤師,看護師,理学療法士,作業療法士,臨床検査技師,放射線技師,医師)が力を合わせることが重要です.

近年,高齢化社会の到来により,多くの薬を服用している高齢者が増加しており,さらに,最新の治療薬の登場により,薬の副作用,重複投与等薬物治療に関する情報は複雑,多岐にわたっています.そのため,薬物治療に関する情報を全てのクリニカルスタッフが共有し,医療を行うことが求められています.

本書では,最低限,クリニカルスタッフとして知らなければいけない病気のことやしびれ,痛みの診療の内容,薬物治療の基礎知識,脊椎脊髄外科医として,ぜひ伝えたいことを各執筆者に答えていただきました.重要な事項のみを記載しているため,少し,物足りない内容になっているところがあるかもしれません.他の教科書を参照していただければ幸いです.また,つぶやきのコーナーでは,長年,脊椎脊髄外科治療や末梢神経外科治療を行ってきた外科医の本音が語られています.独善的で,賛同しかねる点があるとは思いますが,ご勘弁いただきたいと思います.

本書がしびれ,痛みの診療に関わっているクリニカルスタッフの役に立ち,より良い医療に貢献できれば幸いです.

最後に,脳神経外科入局時の教授であった故 都留美都雄先生(1920年10月13日~1993年10月26日,享年74歳)に本書を捧げたいと思います.


2014年5月

井須豊彦

目次

1 よりよい医療を行うために 〈井須豊彦〉

2 診療で行っていること

A 問診票で知りたいこと 〈森本大二郎〉

1 受診した目的と診察に対する希望

2 治療中の疾患,既往歴 

3 これまでの治療歴(どこで,どのような治療を受けてきたか)

4 症状の出現時期と発症後の経過,外傷歴

5 症状の部位・性状

6 症状が発生する姿勢や動作の有無

B 診察でわかること 〈金 景成〉

1 しびれ・痛みの場所は大切な情報

2 体の動きがしびれ・痛みに与える影響は?

3 麻痺の有無を確認する

4 ハンマーで神経障害を確認する

C 外来で行う放射線学的検査 〈山口 智〉

1 画像検査の目的

2 退行性変化を解釈するには注意が必要

3 画像所見と症状の経過,診察所見に矛盾がないかを吟味する必要がある

4 放射線学的検査からわかること,わからないこと

5 外来で実施することの多い各種放射線学的検査とその特徴

6 しびれ・痛みの評価には動態撮影が重要

D 神経生理検査 〈遊佐純教〉

1 検査の前に行うこと

2 しびれ・痛みの神経生理検査の種類

1.神経伝導検査(NCS)

2.体性感覚誘発電位(SEP)

E 治療法

1.薬物療法─作用機序からみた使用薬剤の選択─非がん性の痛みを中心に 〈川井康嗣〉

1 鎮痛薬・鎮痛補助薬と作用機序

2 痛みが器質的であるか,非器質的であるかの評価

3 各薬剤の副作用と注意点

4 有効かつ安全な痛みの薬物療法をめざして

2.薬物治療以外の保存療法 〈齊鹿 稔〉

1 理学療法の目的と治療効果

2 理学療法の手段

 1.物理療法

 2.運動療法

3 理学療法における留意点

3.神経ブロック 〈千葉泰弘〉 

1 神経ブロックの目的と適応

2 しびれ・痛みの診療で行う主なブロック

3 神経ブロックに使用する薬剤について

4 神経ブロックの合併症

5 神経ブロックの際に留意すべきこと

3 クリニカルスタッフとしてのしびれ・痛み治療へのかかわり

A 薬剤師の立場から 〈菅野和彦〉

B リハビリスタッフの立場から 〈大熊康弘〉

1 リハビリ実施上での配慮点

2 評価

3 治療・指導

C 放射線技師の立場から 〈阿部雅志〉

1 放射線技師としてのしびれ・痛みへの配慮

2 診断に必要な精度の高い画像を得るため

3 MRI

4 新しい撮影技術

D 看護師の立場から 〈本間美紗〉

1 患者を知る

2 コーディネートする

4 薬物投与,薬剤業務に関すること

A 薬剤業務における他の医療スタッフとの連携 〈菅野和彦〉

1 チーム医療の必要性

2 チーム医療における薬剤師の役割

B 注意すべき薬の副作用 〈國保倫子〉

C 薬剤業務におけるリスクマネジメント

1.看護師の立場から 〈三澤由美子〉

1 病院の処方以外に市販のバファリン®を常用していた

2 先発薬品と後発薬品の重複与薬

3 術前中止薬の手術後再開忘れ

2.医師の立場から 〈谷 諭〉

1 しびれ・痛みに対して投薬されている薬物のマネジメント

2 外来での基礎疾患に対して投薬されている薬物のマネジメント

3 病棟での薬剤に対するマネジメント

4 残存するしびれなどに対して投薬されている薬物のマネジメント

3.リスクマネジメントにおける薬剤師の役割 〈菅野和彦〉

1 医療安全管理者(リスクマネージャー)

2 医療安全における薬剤師の役割

3 薬剤師による検査データの確認

4 病棟薬剤業務実施加算

4.薬物治療に関連した医療訴訟 〈田邉 昇〉

1 訴訟までに至らないものも含め,どんな事故があるのか?

2 医師に関係した薬剤トラブル

3 薬剤師の責任

4 看護師の責任

5 しびれ・痛み診療における基礎知識

A 脊椎脊髄疾患ならびに末梢神経疾患とはどんな病気ですか?

1.しびれ・痛みを呈する脊椎脊髄疾患 〈笹森 徹〉

1 外科治療が考慮される疾患

2 その他の疾患

2.しびれ・痛みを呈する末梢神経疾患 〈笹森 徹〉

1絞扼性神経障害とは

2その他の神経障害

B 脊椎脊髄,末梢神経の解剖 〈笹森 徹〉

1 脊椎の解剖 

2 脊髄の解剖 

3 脊髄の横断面 

4 末梢神経の解剖 

C 脊椎脊髄外科ならびに末梢神経外科の専門は何科ですか? 〈菅原 淳〉

1 背景

2 脊椎脊髄外科の専門医

3 末梢神経外科の専門医

4 医師と患者の関係

5 脊椎脊髄疾患ならびに末梢神経疾患にかかわっているその他の科

D 外科的治療法にはどのようなものがありますか?

1.脊椎脊髄疾患に対する外科的治療法 〈菅原 淳〉

1 頸椎変性疾患の手術法

2 腰椎変性疾患の手術法

2.末梢神経疾患に対する外科治療法 〈金 景成〉

1 手根管症候群

2 肘部尺骨神経障害

3 上殿皮神経障害

4 腓骨神経障害

5 足根管症候群

E 手術合併症とは何ですか? 合併症にはどのようなものがありますか? 〈冨士武史〉

1 手術合併症の分類

2 医療事故・医療過誤と合併症

3 インフォームドコンセント

6 しびれ・痛み治療における最近のトピックス

A ロボットスーツHAL®(Hybrid Assistive Limb)を用いたリハビリ─しびれ・痛み対策 〈濱田緒美,井上 亨〉

1 ロボットスーツHAL®とは

2 HAL®を用いたリハビリテーション

3 脊髄硬膜動静脈瘻の術後に上殿皮神経障害を合併した症例

4 HAL®リハビリテーションにおけるしびれ・痛み対策

B しびれ・痛みにおける鍼治療の果たす役割 〈佐藤雅美〉

1 鍼治療について

2 治療対象

3 治療方法

4 副作用

C 糖尿病に合併した末梢神経障害(手術治療が可能な末梢神経疾患に注目) 〈金 景成〉

1 糖尿病患者のしびれの原因をしらべてみた

2 上肢のしびれ

3 下肢のしびれ

D 難治性のしびれ・痛みに対する脊髄刺激療法(SCS)の適応ならびに将来展望 〈矢野俊介〉

1 SCSの実際

2 SCSの適応

3 将来展望

E 足裏の病気─足根管症候群という病気を知っていますか? 〈井須豊彦〉

1 病態

2 診断 

3 手術法

4 手術成績

F 画像ではわからない腰痛を治す─手で体に触れてわかる腰痛 〈井須豊彦〉

1 手で体に触れてわかる腰痛の診断のコツ

2 手で体に触れてわかる「上殿皮神経障害による腰痛」の治療

3 今後の展望

7 痛みを考える 〈井上聖啓〉

1 疼痛を伝える末梢神経

2 組織損傷や炎症のときの痛覚神経の反応

3 脊髄後角ニューロンと脊髄視床路 

4 第3次感覚ニューロンの高次脳皮質への投射

5 脳・脊髄内の疼痛抑制系

6 神経障害性疼痛

7 慢性疼痛

Column

■脳の検査をする理由 〈勝田俊郎,井上 亨〉

■しびれ・痛みの評価法 〈岩本直高〉

■入院中および手術前に再確認すべきこと 〈森本大二郎〉

■「医薬分業」の意義を考える 〈菅野和彦〉

■抗血小板薬,抗凝固薬中止による合併症 〈関 俊隆〉

神経外科医のつぶやき 〈井須豊彦〉

●薬局受付での小さなトラブルに注目

●服用している薬剤を知ることは重要

●MRI,CT,X線撮影などの画像検査で,しびれ・痛みの原因がすべてわかると思っていませんか?

●外来での保存的治療は非常に大切―外科医,患者さんお互いにとって

●後発品について

●「患者様」とよばないわけ

●マニュアルクリニカルスタッフ


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書籍情報

  • ISBN:9784498228405
  • ページ数:160頁
  • 書籍発行日:2014年6月
  • 電子版発売日:2014年11月28日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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特記事項

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