実験医学増刊 Vol.34 No.20 All About ゲノム編集

  • ページ数 : 234頁
  • 書籍発行日 : 2016年12月
  • 電子版発売日 : 2019年1月23日
5,940
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商品情報

内容

“革命的技術”はいかにして私たちの研究・医療・産業を変えるのか?

CRISPRをはじめとするゲノム編集ツールの医薬研究・各種産業への応用は,果たしてどこまで進んだのか.今なお進化を遂げ続けるゲノム編集.アカデミア・バイテク企業の気鋭の執筆陣が,驚愕の最新動向を解説します.

実験医学 最新号・バックナンバー・増刊号

序文

CRISPR-Cas9の開発から4年が経ち,ゲノム編集はすべての研究者が利用可能な技術となった.効率の違いはあるものの,さまざまな細胞や生物でCRISPR-Cas9による遺伝子破壊が可能となったといってもよいであろう.CRISPR-Cas9の誕生前には全く想像もできなかったこの状況に,ゲノム編集ツールの開発をしてきた私自身も驚くばかりである.最近では,Cas9の変異体の作製や新しいタイプのCRISPRシステムの探索が積極的に進められており,CRISPR-Cas9の問題点(標的配列の選択自由度や特異性)についても改善されてきた.これらの状況から,今後もCRISPRを中心としてゲノム編集技術開発が進んでいくことは確実である.

ツール開発がCRISPRで落ち着きをみせはじめる一方,ゲノム編集を利用した応用研究はさらに加速している.毎週のように発表されるゲノム編集の論文に圧倒されることもあるが,応用研究では国内研究者も遅れをとるわけにはいかない.藻類でのバイオ燃料の生産,有用品種の作出やゲノム編集治療など具体的なゲノム編集の利用可能性が示されているなか,国内のさまざまな分野にゲノム編集技術を広げていくことが必要と考えられる.

2015年11月に発刊された実験医学別冊「ゲノム編集成功の秘訣Q&A」序文のなかで"国内ゲノム編集研究は海外に大きく遅れをとっている"と書いたが,この1年で国内からCRISPR-Cpf1の構造解析,新規のゲノム編集ツール(Target-AIDやPPR技術)や遺伝子ノックイン技術(PITCh法や2H2OP法)の開発や改良,in vivoエピゲノム編集,光誘導型Cas9など優れた研究成果が発表された.このような進展もあり国産ゲノム編集技術は,海外からの評価も上がってきていると感じている.さらに2016年4月には,日本ゲノム編集学会が設立され,基礎開発から応用にわたるゲノム編集研究の機運は高まっている.

以上のように,ゲノム編集技術の必要性はますます高くなると予想され,柔軟にこの技術を研究にとり入れ,技術の変化に対応していく必要があると考える.そのため本書では,国内トップのゲノム編集技術を有する研究者と企業開発者に,ゲノム編集ツールや遺伝子改変技術,さまざまな細胞や生物でのゲノム編集について最新の情報を網羅していただいた.本書を参考にしてより多くの研究者がゲノム編集技術をとり入れ,研究を進展させていくことを強く願っている.最後に本書の作製にあたってご協力いただいた筆者の方々や,羊土社編集部の方々に心より感謝いたします.


2016年11月

山本 卓

目次

ゲノム編集技術の世界動向から社会的課題まで

第1章 ゲノム編集ツールの開発動向と関連技術

ゲノム・エピゲノム編集ツール

1.新規ゲノム編集ツールの開発動向

2.立体構造に基づくCRISPRゲノム編集ツールの開発

3.染色体の切断を伴わないゲノム編集ツール開発

4.エピゲノム編集技術―その意義と現状

5.CRISPR-Cas9システムの光操作技術

最新CRISPR関連アプリケーション

6.CRISPR-Cas9システムを用いた順遺伝学的スクリーニング

7.ゲノム編集技術の細胞核内ライブイメージングへの応用

8.さまざまな遺伝子ノックインシステム

9.オフターゲット解析法

第2章 生命科学・疾患治療研究への最新導入例

1.昆虫でのゲノム編集

2.ゼブラフィッシュでのゲノム編集

3.両生類でのゲノム編集

4.植物でのゲノム編集―分子育種の新技術をめざした最新展開

5.マウスでのゲノム編集

6.ラットでのゲノム編集―ゲノム編集がもたらす最先端の遺伝子改変ラットの作製法

7.マーモセットでのゲノム編集―標的遺伝子ノックアウト霊長類モデル作製への道

8.ヒトでのゲノム編集―遺伝子治療応用へと動き出した現状

第3章 創薬・育種・水畜産への応用とベンチャー動向

1.創薬をめざした疾患モデルiPS細胞の作製

2.iPS細胞技術とゲノム編集技術によるALS病態モデルの創成と治療への展望

3.農作物でのゲノム編集

4.養殖魚でのゲノム編集

5.ニワトリでのゲノム編集

6.ブタでのゲノム編集―その利用・動向

7.PPR技術を利用した新しいDNA/RNA操作ツールの開発―エディットフォースの挑戦

8.遺伝子座特異的クロマチン免疫沈降法を用いたエピジェネティック作動薬・抗感染症薬の開発―バイオベンチャー「Epigeneron」の取り組み

第4章 バイオメーカーが開発する独自の新技術

1.Cas9タンパク質による簡単・高効率なゲノム編集

2.Gesicle―オフターゲットを抑えCas9/sgRNAを効率的に細胞に導入する画期的なシステム

3.Cas9タンパク質を用いたAlt-Rシステムによるゲノム編集

4.レンチウイルス型ゲノムワイドCRISPRライブラリー

第5章 私たちの社会とゲノム編集

1.ゲノム編集の医療や農業応用における倫理的問題

2.ゲノム編集技術を用いて作製した生物の取り扱い

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書籍情報

  • ISBN:9784758103596
  • ページ数:234頁
  • 書籍発行日:2016年12月
  • 電子版発売日:2019年1月23日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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