胃癌をしっかり表そう!胃X線撮影法 虎の巻

  • ページ数 : 360頁
  • 書籍発行日 : 2019年3月
  • 電子版発売日 : 2019年5月15日
5,720
(税込)
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商品情報

内容

“最良の胃 X線検査を提供する” 若手医師の目線でわかりやすくプレゼン!

胃癌の正確な診断には,精度の高い画像が必須!5段階ステップアップ方式で,胃X線撮影技術の基本から応用までマスター!ビギナーからベテランまで役立つ,胃がんをきっちり撮影できるようになる本!

序文

"最良の胃X 線検査を提供する"

本書は,筆者の地元福岡県久留米市近郊で勉強会をコツコツと地道に行い,試行錯誤してきた結果,生まれた書籍です.

2000年頃,久留米大学消化器内科在籍中に地域の胃がんX線検診読影に携わることになったのですが,当時の検診X 線画像精度は従来法主体の撮影で決して良好とは言えない状況でした.また,医師と撮影技師が撮影や読影について一緒に検討する場もなく,どうしたらいいのか手をこまねいていたところ,前川 進撮影技師と出会いました.親しみを込めて"前川のおっちゃん"と呼ばせていただいています.おっちゃんは,当時X線画像精度向上のための草の根運動を孤軍奮闘しながら全国展開していた胃X線職人で,師匠の馬場保昌先生の研究室にお世話になった共通点もあって意気投合し,久留米の胃X線勉強会"はぜの木会"を2001年に発足しました.

はぜの木会は東京で開催されている"馬場塾"をお手本とし,毎月症例検討を中心に実技指導などを行いながら,どうしたら画像が良くなるか,どのような撮影や読影を行えばよかったか,胃癌の精密検査例や検診発見例を1例1例丁寧に熱く激しく議論しました.はぜの木会に常時参加し研鑽を積んだ荒木祐美子君,水町寿伸君,高木 優君,加藤宏章君ら多くの撮影技師たちがやがて逞しく成長し,有志が撮影したX線画像精度は明らかに良好で,不勉強な検診施設との違いは歴然となっていきました.

このような流れの中,全国的な検診精度向上をめざし誕生した"NPO法人日本消化器がん検診精度管理評価機構"の理念に賛同し,基準撮影法の普及推進活動を行いながら,将来を担う若手育成のための若手による勉強会"六角会"を2013年に発足しました.

六角会では学ぶ側と教える側の両者の視点や技術普及を意識しつつ,ビギナー向けの基本的な内容を中心とし,できるだけ若手目線でわかりやすくプレゼンすることを心がけました.六角会の参加者が基本技術や型をしっかり身につけた後は,はぜの木会でさらなる高度な応用技術を段階的に研鑽できるように工夫し,現在に至っています.

本書はこのような勉強会の積み重ねで得られてきたことをまとめたものですが,ゴールした後には新たなスタートが待っています.技術はたえず進歩・進化するものであり,ある時点で到達したと思っても,またその先,次の世界が見えてくるからです.胃X線検査の被検者に寄与する技術の追求は,終わりのない旅のようなものでしょう.

本書の発刊にあたり,ご尽力いただきました関係各位の皆さまに感謝します.


2019年2月 久留米にて

佐賀県健康づくり財団
中原 慶太

目次

第1章 撮影の極意

1 胃X線検査の到達目

2 胃X線検査の精度管

3 胃X線画像精度に影響する因

4 胃X線撮影法"虎の巻"とは

第2章 Step 1:撮影に必要な知識をもっている

1 胃の基礎知識(被検者因子

2 X線透視撮影装置(ハード因子

3 X線画像診断システム(ハード因子

4 X線条件設定(ハード因子

5 X線画像処理(ハード因子

6 薬剤系の基礎知識(ハード因子

7 撮影術者系の基礎知識(ソフト因子

8 撮影技術系の基礎知識(ソフト因子

第3章 Step 2:NPO基準撮影法を遵守した撮影ができる

1 基準撮影法の概

2 基準撮影法の実

第4章 Step 3:標的部位の盲点の少ない撮影ができる

1 胃X線画像精度評価につい

2 標的部位の三角:①鮮明

3 標的部位の三角:②広

4 標的部位の三角:③角

5 胃がんX線検診発見例の検査精度分

第5章 Step 4:胃形に応じた最適な応用撮影ができる

1 胃形につい

2 定形胃の統計学的分

3 胃形の判定をやってみよ

4 鉤状胃に対する応用撮

5 下垂胃に対する応用撮

6 横胃・瀑状屈曲型に対する応用撮

第6章 Step 5:的確な透視観察と追加撮影ができる

1 透視観察と追加撮影につい

2 透視観察の技術的事

3 追加撮影の技術的事

第7章 追加撮影の威力

Case 1 任意型施設検診:前庭部後壁病

Case 2 対策型巡回検診:前庭部後壁病

Case 3 対策型巡回検診:幽門前部前壁病

Case 4 対策型施設検診:前庭部前壁病

Case 5 対策型巡回検診:胃角部前壁病

Case 6 任意型施設検診:胃角部前壁病

Case 7 任意型施設検診:体中部後壁病

Case 8 対策型巡回検診:体上部後壁病

Case 9 対策型施設検診:体上部後壁病

Case 10 対策型施設検診:噴門部小彎病

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書籍情報

  • ISBN:9784758110662
  • ページ数:360頁
  • 書籍発行日:2019年3月
  • 電子版発売日:2019年5月15日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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