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- 救急・ERノート7 救急手技プラチナ テクニック
商品情報
内容
ER診療や救急科専門医取得に役立つ手技に加え、整形・外傷治療のエッセンスも満載。さらに、合併症対策や手技施行後の観察点、トレーニングのコツなど、手技に関わるあらゆる重要な考え方やポイントも余さず解説した一冊です。
序文
研修医の頃は,とにかく手技が上手くなるように,先輩にお願いしてコツを教わったり,仲間同士で練習したりしました.目をつぶってもイメージ,説明できるようになるまで,数多くトレーニングしたように思います.古典的な伝統芸能では技を学ぶ段階を守・破・離と言うそうです.
守:形を模倣しくり返すことによって教えを忠実にまねて自分のものにする.
破: 形だけ似ていても技が上達しないことに気づき,教えを自分なりに深めて発展させる.
離:状況全体の意味を考えながら,教えを活かして自由に振る舞う.
解剖生理等のベースとなる知識と基本的な作法をまねして身に付けていれば(守),それぞれの手技はそんなに難しくはありません.これらの知識が立体的となり,合併症としてどんなことがいつ,どのように起こるか,そのためには何をどう確認してどう対処すればよいか,までを知っていれば,鬼に金棒です.さらに,画像や手術の所見をその都度まめに確認して,そのときのイメージを手に取るように活き活きと表現できれば,さらにかっこよく自信にあふれた達人になれるでしょう.この本は,いち早く,センスが磨かれて達人になる,つまり破の段階(型破り)に達するためのエッセンスを,それぞれの領域の専門家にお願いしてまとめました.
まず最初に,考え方,知識のポイントを整理しました.そして手技の実際をタスクトレーニングのためのシミュレーターを多用して,よりリアルに解説していただきました.ER での手技はもちろんですが,集中治療に引き続く内容も含めた,非常に盛りたくさんの内容を網羅することができました.
そういった意味で,この本は単なる手技だけでなく,手技にかかわる重要な考え方を伝えることができたと思います.今まで私が考えてきたこと,経験してきたことを,すべて反映させることができました.この一冊によって,みなさんの手技やその理解に重みが増し,その結果,多くのプロの救急医が育つことを願っています.
2012年12月
太田 祥一
目次
第1部 ER 診療や救急科専門医取得に役立つエッセンス
第1章 ABCDE アプローチに必須の手技
1 総論:新しい定型化アプローチ手法~病態把握からプレゼンテーション,情報共有まで
初期診療とその後の診療における特徴・目標状態
集中治療症例の特徴と印象
新しい定型化ABCD - INRFT アプローチのススメ
One More Experience :プレゼンテーションでの心がけ『[理由・動機] → →[ その評価]』の型を意識しよう
2 気道確保は救急の基本,そのすべて
気管挿管[A.直視下気管挿管 B.気管支鏡ガイド下気管挿管 C.ビデオ喉頭鏡(エアウェイスコープ)による気管挿管]
外科的気道確保[A.輪状甲状靭帯穿刺 B.輪状甲状靭帯切開 C.気管切開]
抜管
One More Experience : surgical fire 回避のコツ
Pros & Cons :気管切開後の電気メスの使用について/予定抜管患者に対するステロイドの有用性
3 呼吸モニタリングと人工呼吸器管理の基本
One More Experience :呼吸評価の重要性/NPPV 成功の鍵
4 急いで! 救急室開胸術
One More Experience :胸骨横断両側開胸(clamshell thoracotomy)
5 除細動だけではない,マニュアル除細動器の使い方
One More Experience :パッドの有効活用
Pros & Cons :心停止である心静止(Asystole)症例に,経皮ペーシングは推奨されない
Mini Lecture 1 経静脈ペーシング
6 手軽に役立つ救急超音波~経食道心エコー,FAST を中心に
One More Experience :エコーによる気胸の診断
7 モニターによる循環管理~カテーテル挿入の手技と評価法
One More Experience :三次元的に血管走行をイメージする/動脈穿刺のコツ
Mini Lecture 2 骨髄路
8 腰椎穿刺と神経・脳波モニター
Mini Lecture 3 シミュレーターでここまでできる
第2章 生命危機回避のための,一歩先行く手技と知識
1 補助循環~導入・維持・離脱に必要な知識と手技
IABP
PCPS
2 急性血液浄化法に必要な知識と手技
One More Experience :血液製剤を用いた回路プライミング,血液製剤調節のコツ「2の法則3 の法則」について
3 穿頭(極小開頭)血腫洗浄術とICP 測定
Pros & Cons :管理目標はICP かCPP か
4 胸腔穿刺,心嚢穿刺
胸腔穿刺・胸腔ドレナージ
心嚢穿刺
One More Experience :緊張性気胸に対する胸腔穿刺の有効性/大動脈解離や心筋損傷時の心嚢穿刺
5 腹腔穿刺,膀胱内圧モニター
腹腔穿刺
膀胱内圧モニター
One More Experience :腹壁の管理に精通しよう
Pros & Cons :診断的腹腔洗浄法(diagnostic peritoneal lavage:DPL)
6 減張切開,筋内圧モニター
One More Experience :減張切開のピットホール
7 膿瘍穿刺ドレナージ,胆嚢・胆道ドレナージ,腎盂穿刺ドレナージ
膿瘍穿刺ドレナージ
胆嚢・胆道ドレナージ[A.PTGBD B.PTBD]
腎盂穿刺ドレナージ
One More Experience :臓器を経由した穿刺法/液体・空気注入(hydrodissection,pneumodissection)による穿刺経路作成
Pros & Cons :左右のアプローチの特徴/1 ステップ法と2 ステップ法の比較
8 チューブ管理,手術後ドレーン管理の基本
SBチューブ
ST,十二指腸チューブ,イレウスチューブ
手術後ドレーン管理の基本
One More Experience :チューブ挿入のタイミング/左右の鼻腔どちらを選択するか?/挿入と固定のコツ
Mini Lecture 4 栄養管理~どのように投与してどう管理する?
Mini Lecture 5 救急医が知っておきたい内診と分娩介助のコツ
Mini Lecture 6 救急での造影検査
Mini Lecture 7 菌は嘘つかない!~「名探偵キヨ」のケースファイルから
Mini Lecture 8 救急薬物治療再考①ステロイド~エビデンスをもとに
Mini Lecture 9 救急薬物治療再考②漢方
第3章 鏡に強くなる!~介助から実施まで
1 眼底検査「直像鏡の使い方」
One More Experience :検査習得は自転車と同じ!?
2 フレンツェル眼鏡(Frenzel glasses)
One More Experience :致命的なめまいでないと判ればフレンツェル眼鏡検査を行うチャンスである
3 耳鏡,鼻鏡,喉頭内視鏡
One More Experience :外耳道異物と鼻出血のピットフォール/喉頭浮腫が高度な場合の気道確保
4 気管支鏡
One More Experience :経鼻挿入法
5 上部消化管内視鏡~手技と介助ができる
6 直腸診と肛門鏡
One More Experience :知っておきたい異物除去のコツ
Mini Lecture 10 ER での医療安全の基本
Mini Lecture 11 チームSTEPPS®:エビデンスに基づいたチームトレーニング
Mini Lecture 12 レセプト再考
第2部 ERで必要な整形・外傷治療のエッセンス
第1章 整形外科的手技の苦手を克服~骨折・捻挫に強くなろう!
1 ER での朝まで待てない上手なコンサルテーション
「ER 医の」整形外科外傷初期対応
上肢外傷
下肢外傷
体幹外傷
非外傷性整形疾患
2 固定法の種類と特徴~三角巾,包帯,副子
3 解剖から考える整復固定①脱臼・捻挫・靭帯損傷
股関節脱臼
膝関節脱臼(膝関節複合靭帯損傷)
足関節靭帯損傷(足関節脱臼)
肩関節脱臼
肘関節脱臼
4 解剖から考える整復固定②骨折,牽引,創外固定
One More Experience :多発外傷患者における骨折治療/創外固定の長所,短所
5 解剖から理解する関節穿刺と関節内注射
One More Experience :股関節穿刺,関節注射
第2章 創傷処置の苦手を克服~どんな傷でもうまく治そう!
1 総論:この傷はどう治す?~テープで止める?縫う?針,糸,縫い方は?
治療のながれ
洗浄,デブリードマン
縫合の判断
縫合時の注意
縫合の実際
術後処置
One More Experience :きれいに縫うためのコツ
2 特殊創への対応~顔面と手指
顔面外傷
手指の挫創・切断
One More Experience :耳介切断はどれだけ連続性があれば問題ないか/挫滅の強い組織を切除せずに有効に生かす
Pros & Cons :救急隊と受け入れ病院
3 感染創への対応~軽症から重症まで
One More Experience :誠実かつ適切な感染創管理とは...
4 ちょっとしたキズ・けがの対応
擦過創(excoriation)
指尖損傷(finger tip injury)
爪剝離(nail avulsion)
爪床切創・裂創(nailbed injury)
高齢者の剝皮創
指ブロック(digital block)
破傷風予防
Mini Lecture 13 救急現場での創傷被覆材のBest Choice と注意点
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書籍情報
- ISBN:9784758113472
- ページ数:301頁
- 書籍発行日:2013年2月
- 電子版発売日:2015年3月20日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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