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- 教えて!SGLT2阻害薬の使いかた
商品情報
内容
作用機序・体重減少理由・適応などSGLT2阻害薬の基本が分かる【第1章】、高齢者への使用・糖尿病治療薬との併用など臨床の場における活用の実際が分かる【第2章】、心血管患者リスク低下や腎保護など多面的作用がわかる【第3章】の3ステップで非専門医の方でも分かりやすく解説されています。
序文
序
2014年春に登場したSGLT2阻害薬は,創薬の段階から臨床開発に至るまで終始わが国がリードしてきた新規糖尿病治療薬である.既存薬にはない作用機序によってきわめてユニークな有効性,安全性プロファイルをもつ.わが国では,すでに6製剤が使用可能であるが,市販後2年以上を経過した現在も浸透率は予想を超えて低く,実臨床における科学的な有用性の評価がいまだ不十分な状況にある.
臨床応用がさほど進まない理由として,安全性への過度の懸念が,医療者の意欲を削ぎ,処方に際して必要以上に慎重になっているとの指摘もある.しかし臨床治験では既存薬と比較して,安全性に関して特に問題はなく,加えて既存薬にはない多面的な作用の有用性が評価され,承認に至った経緯がある.さらに市販後の高齢者特定使用成績調査の結果は,高齢患者においても,安全性に関して臨床治験で得られたものと一貫していた.その結果を受けて,適正使用に関するRecommendationの高齢者の取り扱いも改訂された.
いかなる治療薬,治療法も絶対に安全なものは存在しえず,一定のリスクを伴う.それゆえに,処方医は患者ごとに,薬剤のリスク・ベネフィットのバランスを考慮した治療が求められる.SGLT2阻害薬は,血糖改善に加えて肥満改善・心血管危険因子の改善といった,既存薬にはないベネフィットを備えている.しかもEMPA-REG試験では経口糖尿病治療薬のなかでは唯一,心血管死,総死亡,心不全による入院,腎症の進行を有意に抑制するとのエビデンスが実証された.最近,EMPA-REGの全患者とアジア人患者を比較したサブ解析結果も公表されたが,アジア人ではその効果はさらに顕著であった.心血管疾患の既往患者での結果とはいえ,そのインパクトは無視できないものである.
一方,SGLT2阻害薬の副作用の多くは,その作用機序から予測できるものであり,回避・対策が可能である.ある意味,糖尿病患者のlife saving drugともいえるSGLT2阻害薬が正しく認識され,今後の糖尿病管理に大きく寄与することを願うものである.そのためにも日本糖尿病学会の有志によるSGLT2阻害薬に関する適正使用委員会によって公表された「SGLT2阻害薬の適正使用に関するRecommendation」の真意を十分に理解し,それに基づく適応の判断,適正使用が求められる.
多面的な作用をもつSGLT2阻害薬は患者のQOLの維持,寿命の延伸という糖尿病の真の管理目標達成に寄与する可能性を大いに秘めており,患者満足度を十分に満たしうる治療薬である.本書は,わが国におけるSGLT2阻害薬の臨床応用の手助けとなるように,2型糖尿病薬物療法における本薬剤の役割,位置付けについて,できる限りわかりやすい解説を心がけた.そのため,まずSGLT2阻害薬への疑問に対して解説するというQ&Aの形で,本製剤に関する最新の適切な情報を提供している.さらに実臨床での応用のポイントを具体的かつ適切に理解していただくために,実際に遭遇すると思われる症例を多数呈示して,それぞれについて詳細に解説している.
今は糖尿病患者の多くを非専門医が管理する時代である.専門医はもちろんであるが,むしろ非専門の先生方に本書を十分に活用いただいて,SGLT2阻害薬の有用性評価に役立てていただけることを願っている.
2017年1月
川崎医科大学総合内科学1特任教授
加来浩平
目次
序
第1章 SGLT2阻害薬への疑問に答えます
Q1 SGLT2阻害薬とは,どのような薬なのですか?
Q2 血糖降下作用の実際の程度は?糖毒性への影響は?
Q3 体重が減るのはなぜ?減量目的で使用してよいのですか?
Q4 お腹が空きやすくなるって本当?
Q5 血圧を改善するって本当?
Q6 脂質を改善するって本当?
Q7 結局どのような患者に適応になるの?
Q8 市販されているSGLT2阻害薬の種類と違いは?
Q9 1型糖尿病患者にも使用できるのでしょうか?
Q10 適正使用に関するRecommendationはなぜ出されたのですか?どう考えればよいのでしょうか?
第2章 SGLT2阻害薬はこう使う
Case1 BMI23~25程度の患者
Case2 年齢65~70歳程度の患者
Case3 ドラッグナイーブの患者~DPP-4阻害薬か?SGLT2阻害薬か?
Case4 他の糖尿病治療薬からの切り替えを検討中の患者
Case5 インスリンとの併用
Case6 SU薬との併用
Case7 ビグアナイド薬との併用
Case8 α-GI薬との併用
Case9 チアゾリジン薬との併用
Case10 速効型インスリン分泌促進薬(グリニド薬)との併用
Case11 DPP-4阻害薬との併用
Case12 GLP-1受容体作動薬との併用
Case13 生活指導との相乗効果を狙いたい患者
Case14 これまで他の糖尿病治療薬で効果が得られなかった患者
第3章 多面的作用~病態および糖尿病関連疾患への効果
1 病態改善作用とその機構
2 心血管疾患(脳卒中含む)
3 腎症
4 肝疾患
5 その他(がん,認知症)
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書籍情報
- ISBN:9784758118040
- ページ数:159頁
- 書籍発行日:2017年2月
- 電子版発売日:2018年3月23日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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