実験医学別冊 もっとよくわかる!幹細胞と再生医療

  • ページ数 : 174頁
  • 書籍発行日 : 2014年3月
  • 電子版発売日 : 2014年12月26日
4,180
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商品情報

内容

ES・iPS細胞研究はここまで進んだ!

京大iPS研にラボをもつ現役研究者による“現場の感覚”も入った書き下ろし。
幹細胞の一般的知識から、幹細胞関連技術の紹介、さらに再生医療の臨床応用や幹細胞の実用化に向けた現状と展望について、基礎から応用に向けて解説。次々と新しい発見がなされるこの分野を冷静な視点で整理した貴重な一冊です。

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序文

はじめに

「幹細胞を用いた再生医療」は,近年の医学・生物学において最もホットな研究領域の1つであり,世界的に熾烈な研究開発競争が行われている.本書は,幹細胞と再生医療の入門書として,領域外の研究者にとっても御理解をいただけるような,わかりやすさを第一に心がけて書いたものである.

幹細胞と再生医療について,基礎的なことから2013 年末の時点における最前線の知見までをなるべく多く網羅したつもりであるが,近年研究が盛んに行われ,その存在が提唱されている「がん幹細胞」と呼ばれるがんを発生させる幹細胞については本書では扱っていない.また,幹細胞と再生医療の研究領域は,進展が著しく早く,新しい論文が次々と発表されているため,本書から抜け落ちている重要な知見があるかもしれないが,御容赦いただきたい.また,異なる仮説が提唱されて本書で解説したことが将来的に否定され,時代遅れになってしまう日が来るかもしれないが,そのような場合には2013 年時点の幹細胞・再生医学研究のスタンダードとして後世の知見との比較対象との位置づけで考えていただければ幸いである.

また,日本人の活躍をなるべく多く取り立てて紹介したことも特徴である.日本人の幹細胞・再生医学研究へのこれまでの貢献は非常に大きなもので,読まれた研究者の皆様にも参入いただき日本の幹細胞・再生医学研究のますますの進展に貢献されることを願っているためである.


構成は,まず幹細胞の一般的知識からスタートし,さまざまな幹細胞の説明の後に幹細胞関連技術の紹介,さらには,再生医療の臨床応用や幹細胞の実用化に向けた現状と展望について,基礎から応用に向けて解説している.本書は,幹細胞・再生医学研究について身に付けていただきたい基本的知識を中心に解説し,「もっと詳しく」コーナーには,最新の研究成果を含めた最前線の知見やより詳細な説明を含めている.また,Column では,筆者のこれまでの研究者生活の中での楽しかったこと,つらかったことなど数々のエピソードや,出会った先生方の思い出などを中心に紹介している.若い研究者が身近に感じて,少しでも今後の参考になれば幸いである.

最後に,執筆にあたり,貴重な御助言や写真,スライドの御提供をいただいた京都大学iPS 細胞研究所 高橋淳先生,江藤浩之先生,高橋和利先生,沖田圭介先生,升井伸治先生,小高真希先生,田邊渉先生,遠藤大先生,笠原朋子氏,京都大学再生医科学研究所 河本宏先生,宮崎大学 本多新先生,東京女子医科大学 関谷佐智子先生に心より感謝致します.また,原稿締切の予定日から大幅に遅れたなか忍耐強く待ち続け,拙稿をきわめて読みやすく編集いただきました羊土社の山下志乃舞,冨塚達也 両氏にも心より感謝申し上げます.


2014年1月

長船 健二

目次

1章 再生医療と幹細胞 ― 密接な両者を正しく理解する

1. 再生医療とは

2. 幹細胞システムの特徴

3. 幹細胞の種類

4. 幹細胞の維持メカニズム,ニッチ


2章 組織幹細胞① ― 解明が進んでいる5つの組織

1. 組織幹細胞とは

2. 組織幹細胞の存在を証明する実験手法

3. 血液系

4. 間葉系幹細胞

5. 神経系

6. 皮膚,毛嚢(毛包)

7. 腸


3章 組織幹細胞② ― その他臓器でも研究は進む

1. 外胚葉系

2. 中胚葉系

3. 内胚葉系

4. 生殖系,精子

5. SP細胞

6. 今後の課題


4章 ES細胞 ― 実用化の鍵を握るフロントランナー

1. ES細胞とは

2. ES細胞の分化誘導フォーマット

3. ES細胞から特定細胞種への分化誘導法開発

4. ES細胞から組織や臓器をつくる研究

5. 両生類受精卵のアニマルキャップ

6. 今後の課題


5章 iPS細胞 ― ノーベル賞のその後

1. iPS細胞とは

2. iPS細胞の利点

3. iPS細胞の樹立の現在

4. iPS細胞最新の動向

5. iPS細胞研究の課題と展望


6章 ダイレクトリプログラミング ― 幹細胞を用いない再生医療

1. ダイレクトリプログラミングとは

2. 過去のダイレクトリプログラミングの報告

3. 膵臓のin vivoリプログラミング

4. 成功例

5. ダイレクトリプログラミングによる再生医療の利点と課題


7章 ケミカルバイオロジー ― 未開の「宝の山」のストラテジー

1. ケミカルバイオロジーとは

2. 幹細胞の未分化状態の維持

3. 体細胞からiPS細胞へのリプログラミング

4. 幹細胞から臓器細胞への分化誘導研究

5. 化合物スクリーニングによる臓器の発生・分化機構の解明

6. 疾患特異的iPS細胞を用いた難治性疾患に対する治療薬探索

7. 生体内(in vivo)での再生

8. 化合物を用いた研究の特徴


8章 疾患モデル ― 幹細胞が活きるもう1つの臨床応用

1. ノックアウトマウス

2. in vivoモデル

3. in vitroモデル

4. 疾患特異的iPS細胞を用いた遺伝子治療

5. 今後の課題


9章 幹細胞・再生医学研究の臨床応用と実用化

1. 再生医療と実用化が期待される研究領域

2. ヒトES細胞を用いた前臨床研究/臨床研究

3. ヒトES/iPS細胞を用いた臨床研究実施が近い国内の再生研究

4. 薬剤毒性評価系

5. 組織幹細胞を用いた臨床研究

6. 細胞シート工学を応用した臨床研究

7. 今後の課題と展望


Column

1 私の研究の歩みと現在のテーマ

2 なぜ再生研究を始めたか?

3 北徹先生 〜 私が医学部を卒業して入局した医局の教授

4 浅島先生との出会い

5 浅島誠先生 〜 私の大学院時代の指導教官で恩師

6 浅島研のイモリ採り

7 本当につらかったけど,ためになった3年間

8 先のことを考えない

9 iPS細胞のiはなぜ小文字なのか?

10 メルトン(Douglas A. Melton)先生 〜 私の米国留学時のボスで恩師

11 メルトン研究室

12 学問や研究は決して浅くて狭いものではない

13 消火器

14 NBAバスケットボール

15 人生は何が起こるかわからない

16 山中先生のノーベル医学生理学賞受賞

17 偉大な先生たちの共通点

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書籍情報

  • ISBN:9784758122030
  • ページ数:174頁
  • 書籍発行日:2014年3月
  • 電子版発売日:2014年12月26日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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