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- Gノート2018年6月号 専門医紹介の前に!一人でできる各科診療
商品情報
内容
そんな医師のための「総合診療」の実践雑誌です
・現場目線の具体的な解説だから,かゆいところまで手が届く
・多職種連携,社会の動き,関連制度なども含めた幅広い内容
・忙しい日常診療のなかでも,バランスよく知識をアップデート
【4月号特集:専門医紹介の前に!一人でできる各科診療 “総合診療あるある”の守備範囲がわかる!】
耳が痛い,目にゴミが入った,顔を怪我した,膝が痛い…あなたは一人でどこまで診られますか?各科紹介前にやっておきたい診断,対応のコツを解説.紹介後のフォローまで現場目線でわかります.守備範囲を広げよう!
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序文
特集にあたって
皆さん,こんにちは.総合診療はバラエティに富んでいて,そして奥が深いですよね.実際に,自分はどこまで診られるようになればいいのだろう,と悩んだことはありませんか? 医者は一生勉強といいますが,余暇も大切です.今回は「診療の範囲」について,皆さんと一緒に考えていけたらと思い,企画してみました.
●ジェネラリストとスペシャリスト
プライマリ・ケアの現場では,「これ,もう少しトレーニングしたら自分でも対応できるかも?」という手技が少なからずあると思います.そんな「総合診療あるある」の手技に対象を絞り,紹介される側の各科専門医からの視点も含めて,形成外科,産婦人科,眼科,耳鼻科,皮膚科,泌尿器科,整形外科,歯科といったさまざまなスペシャリストの先生方にご執筆いただきました.スペシャリストといっても,医師人生のどこかでジェネラリストの立場を経験された先生方ばかりなので,ジェネラリストとスペシャリスト,双方の立場からのアドバイスが随所に散りばめられています.まずはジェネラリストがどう考え,どんな処置をしたのか? その処置は,スペシャリストからしたら合格点なのか? ジェネラリストで手に負えず,スペシャリストに紹介した後,スペシャリストはどう考え,どんな処置をしたのか? 今回は,スペシャリストの診察室での様子も余すところなく綴られています.
また,もちろん,どのシナリオも「あるある」なものばかりですが,「本当によくある事例なの?」と思われる方もおられるかもしれません.そこで,「一人で離島を守るジェネラリスト」を育成し続け,そしてご自身も離島経験のある沖縄県立中部病院総合診療科の本村和久先生にも,各稿末に〈沖縄の離島診療所(島には医師一人)でのリアルワールド〉と題したコメントを寄せていただきました.
●ジェネラリストの守備範囲って...?
プライマリ・ケアの現場にいると,常にこの疑問にぶち当たります.「できないからやらなくていいのか?」と「できるけどやっていいのか?」の2 つです.「あー,今日はたまたま俺が当番だったから患者さんを紹介してしまった,申し訳ありません!」と思うときもあるでしょう.一方で,「前の病院ではやっていたけど,いま勤務している総合病院の環境だったら,各科の専門の先生がいるから紹介することになっているんだ」と思うこともあるでしょう.では,ジェネラリストの本当の守備範囲とは,どこまでなのでしょうか?
ひと昔前のオーストラリアで,こんな事件がありました.ある医師が「俺は何でもできるから,ここで手術でも何でもやってしまおう」と意気込んで,ある町に乗り込んできました.そして,総合診療に加えて,外科の手術にまで手を出すようになると,やがて食道がんなどの難しい手術までをも行うようになりました.そして悲しいことに,手術が原因で命を落とす患者さんの数は急増し,とうとうその医師は裁判にかけられ,投獄されることになりました.その町は,決してへき地ではありません.紹介すれば近くに大きな総合病院もありました.地域の医療資源を無視して,自分のやりたい手術ばかりを行い,結果として患者さんに,そしてその地域に甚大な被害を与えてしまったのです.
そこで,クイーンズランド州政府が立ち上がり,医師と病院との守備範囲のマッチングを試みました.そのなかの取り組みの1 つであり,日本でも役立つのではないかと思われる制度をご紹介します.それは,CSCF(Clinical Service Capability Framework)1)と呼ばれ,6 段階で病院の役割を決める枠組みです.なお,そこで働く医師は自身の診療範囲を定期的に州政府に登録する必要があります.これにより,危険な医療から地域住民を守るための枠組みであると同時に,地域住民が最低限の医療を受けられるための枠組みとしても機能しています.最低限の医療とは,例えば救急医療や小児医療,産科医療のことを指します.
任された守備範囲は責任をもって守れる,そんなジェネラリストになりたいですね.今回の企画が,皆さんの守備範囲を考える一助になれば幸いです.さあ一緒にProcedural GP(手技のできるGP)のリアルワールドへ突入しましょう.
齋藤 学
本村 和久
目次
特集
特集にあたって
若い女性が顔を怪我した ―顔面外傷(形成外科)
じわじわ出血する ―不正性器出血(産婦人科)
目にゴミが入った ―結膜異物(眼科)
耳が痛い ―中耳炎と鼓膜切開(耳鼻科)
ほくろができた ―悪性黒色腫(皮膚科)
膝が痛い ―変形性膝関節症(整形外科)
血尿が出た ―肉眼的血尿(泌尿器科)
歯が抜けた ―歯の脱臼性外傷(歯科)
投稿
「第1回 救急×緩和ケアセミナー」に参加して
連載
赤ふん坊やの「拝啓 首長さんに会ってきました☆」 〜地域志向アプローチのヒントを探すぶらり旅〜
第2回 宮崎県 延岡市 首藤正治 市長*(*取材当時)
どうなる日本!? こうなる医療!!
遠隔医療のこれまで,これから③ 新たな局面を向かえた遠隔医療の今後
Common disease診療のための ガイドライン早わかり
第26回 便秘
聞きたい! 知りたい! 薬の使い分け
第26回 オピオイドの使い分けについて 〜まずは習熟した2〜3剤を設ける〜
誌上EBM 抄読会 診療に活かせる論文の読み方が身につきます!
第23回 潜在性甲状腺機能低下症の患者は治療を受けるべきか?
「伝える力」で変化を起こす! ヘルスコミュニケーション 医師×医療ジャーナリストが考える臨床でのコツ
第5回 看護師さんと上手くいかない,どうする?
なるほど! 使える! 在宅医療のお役立ちワザ
第20回 移動時間を効率的に使う 情報共有の仕組みづくり
優れた臨床研究は,あなたの診療現場から生まれる 総合診療医のための臨床研究実践講座
第7回 サーベイ研究の具体例
みんなでシェア!総合診療Tips
第3回 本当は怖い咽頭痛 ~危険な咽頭痛を見逃さない
思い出のポートフォリオを紹介します
第24回 高齢者のケア 〜shared decision makingを用いてACPを自然に進める〜
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書籍情報
- ISBN:9784758123303
- ページ数:164頁
- 書籍発行日:2018年6月
- 電子版発売日:2018年6月8日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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