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- 治療戦略に活かす!心臓CT活用マニュアル
商品情報
内容
「こう撮像すれば治療に活かせる」「ここを読影すれば治療がうまくいく」を2大テーマとして,徹底解説。
心臓CTを撮像・読影するうえで役立つ心臓の解剖とともに,主要な心疾患の心臓CT画像を掲載。「心臓CTではこう見える」がわかる! 心臓CTをうまく撮像するためのポイントが満載! 低被ばくかつアーチファクトの少ない画像を得るための,造影剤や前処置薬の使い方のコツ,撮影タイミングの取得方法や再構成法のコツまで丁寧に解説。治療戦略を考慮した撮影方法がわかる!
序文
心臓CTは撮影機器の発達により,日本ではもはやクリニカルルーチンとして多くの施設で行われており,どの施設でも冠動脈の描出が可能となった。広く普及した画像検査だからこそ,冠動脈狭窄診断だけではなく治療計画画像としての意義や,心臓のストラクチャー,心筋虚血,遅延造影など,一歩踏み込んだ情報も得ることができるone stop shopとしての心臓CTの魅力を伝えられたらと思い,本書を企画した。今さら聞けない基礎や撮影時の工夫といった,かゆいところに手が届くノウハウを掲載している点が本書の強みである(英語の教科書は割高なのに対して,コストパフォーマンスがよいのも本書をお勧めするポイントである)。
本書は臨床の最前線で日々心臓CTに携わっているエキスパートの放射線科医,放射線技師,循環器内科医が,高いクオリティの画像と撮影および臨床使用の知恵を出し合い完成した。心臓CTの基礎編から高度な応用編までを一冊で網羅した教科書としては出色の出来になったと自負している。興味のある頁を拾い読みするもよし,最初から最後まで通読するもよし,辞書代わりに臨床の現場の片隅において手にとってもらえたら本望である。
北海道大学病院 放射線診断科
真鍋 徳子
PCIが広がりはじめた初期の時代,Cアームは手動で操作し,画像は記録装置のないシネフィルムのみで,ポリグラフも紙出力という環境でした。すべてのデータはその瞬間しかみることができず,X線を出して撮影しているときだけ表示されるアンギオ画像を,カテーテル検査室内にいるすべての職種で目に焼き付け,皆で意見を交わしながら治療が行われていました。循環器領域でチーム医療の考え方が浸透しているのは,このような歴史があるからだと思われます。
現在は,冠動脈CTが登場し,カテーテル検査の前に冠動脈の形態情報が得られる時代となりました。これをPCIに活かすことができればと考えている方は多いのではないでしょうか。本書では,この視点に注目し,治療支援にCT画像をどのように用いればよいのかを実践形式でまとめました。また,知っておくべき基礎知識として,冠動脈CTの撮影にかかわる事項や画像表示方法,画像を理解するためのアーチファクト,近年実用化されつつある技術などを解説しています。
治療支援画像は,使用する側と作成する側との信頼関係がなければ成立しません。本書がPCIにおける治療支援画像作成の参考となり,チーム医療のコミュニケーションツールとなれば幸いです。
華岡青洲記念心臓血管クリニック 診療技術部
山口 隆義
"心臓CTは難しい"と考える放射線技師の方は多いのではないでしょうか? CT装置の発展は目覚ましく,80列相当の装置が普及しつつある近年において心臓CTの需要はますます増えていくものと考えます。そして,われわれ放射線技師は何を考えて撮影,画像解析に携わるべきなのか。本書第2部では,CT装置が高性能化しても必要とされる基礎知識から,心臓を含めた特殊撮影,近年の最新技術を編集しました。さらに,第3部における治療支援としての活用まで読み進めることにより,臨床においてどんな情報が求められているのか,どう活用できるのかをご理解いただけると思います。本書は心臓CTに精通する放射線科医師,循環器科医師,放射線技師のコラボレーションにより完成した一冊です。本書をきっかけに,各職種間のディスカッションが活発に行われることを期待するとともに,臨床の場において"心臓CTを最大限活用する"ための手助けになれば幸いです。最後に,本書の執筆,出版にご尽力いただきましたすべての皆様に深謝いたします。
高瀬クリニック 放射線部
佐野 始也
この本は,放射線科医,放射線技師,循環器内科医の3つの視点から心臓CTを語る,かつてない3部構成となっている。札幌では10年以上前からこの3職種で定期的に心臓CTの研究会を開くことによって交流を深め,お互いのレベルを高め合っている。われわれ循環器内科医は,画像診断以外の多くのほかの医療行為をしなければならないため,CTに接する機会がこの3つの職種のなかで最も少ない。今回,この本を手にした循環器内科医の先生は,放射線科医による第1部,放射線技師による第2部を熟読していただくことにより,不足しているCTの基礎知識を補い,進化し続けるCTの最新情報を学んでいただきたい。
循環器内科医の担当である第3部は,実際に自らの手でカテーテルインターベンションを行っている現役の術者に執筆を依頼し,そして依頼した全員にご快諾をいただき完成に至った。臨床の最前線で戦う循環器内科医が,実際の治療の現場において心臓CTに何を求め,何が不足しているのかの本音が,この第3部に詰まっている。ぜひ,ほかの職種の方にも第3部を読んでいただくことによって,循環器内科医が心臓CTに抱いている大きな期待を感じていただき,心臓CTのポテンシャルを最大に発揮するためのアイデアを生み出していただけると幸いである。
華岡青洲記念心臓血管クリニック
管家 鉄平
目次
Ⅰ 心臓CTに役立つ心臓・冠動脈の解剖アトラスと知っておきたい心疾患
正常解剖図
左房粘液腫(myxoma)
川崎病冠動脈瘤(Kawasaki disease with coronary artery aneurysm)
Bland-White-Garland症候群
冠動脈瘻(coronary to pulmonary artery fistula)
心房中隔欠損症(atrial septal defect;ASD)
冠動脈起始異常(anomalous origin of coronary artery)
大動脈二尖弁(bicuspid aortic valve)
左房・左心耳血栓
Ⅱ 心臓CTを使いこなすために知っておくべき知識
役立つ心臓CTの撮り方,基礎知識
心電図同期撮影法および再構成法の選び方(心拍数別撮影位相も含む)
静脈ルートの確保(右か左か?注入速度と針ゲージ)
前処置薬剤の使用方法
造影法(撮影タイミング取得方法,至適造影効果と画像ノイズ)
最適心位相の検索
不整脈対策(Ⅰ度房室ブロック,期外収縮,洞不整脈,心房細動)
心臓CTでみられるアーチファクト
画像表示方法
特殊撮影方法
CABG後冠動脈撮影
冠動脈+大動脈
冠動脈+下肢動脈
TAVI
トリプルルールアウト1
トリプルルールアウト2
[Topics]
①冠動脈サブトラクションCTとは?
②Dual energy CTの使い道
③超高精細CTでどこまでみえる?
④心筋血流がみたい!
⑤心筋遅延造影撮像技術
⑥FFRCT解析に適したCT画像
[Column]
CTで金属製ステントを見分ける!?各ステントのCT画像と特徴
Ⅲ 実例解説 治療戦略に活かす心臓CT−こんな病変に役立つ!心臓CTの得意技−
PCIに活かすための読影の基礎
分岐部病変(CTによる分岐部治療のストラテジー)
石灰化病変(石灰化の分布によるPCIストラテジーのたて方)
CABG術後のCT読影で注意すること,心筋(虚血領域)の評価
ACS(ACS症例での病変部の特徴,culprit lesionの推定)
CTガイドDCAの可能性(DCA前・フォローアップ時のCT所見)
Antegrade CTO-PCIに必要なCT情報
Retrograde CTO-PCIに必要なCT情報
3D冠動脈モデルによるPCIのプランニング(CT true view,3Dワイヤリング)
FFRとCT
CTによるBRSの適応病変,留置後のフォローアップ,マーカーの見え方
PVIに必要なCT情報
TAVI(CTによるTAVIの術前治療評価,フォローアップ)
経皮的心筋中隔焼灼術に必要なCT情報
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書籍情報
- ISBN:9784758316095
- ページ数:312頁
- 書籍発行日:2019年3月
- 電子版発売日:2019年7月26日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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