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- 整形外科 日常診療のエッセンス 脊椎
商品情報
内容
本書は,まずⅠ章の「外来で必要な基礎知識」で,痛みの評価法や,そのメカニズムを解説している。
Ⅱ章は「診察の進め方」とし,問診や理学所見の評価,さらに鑑別診断上重要な手技についても紹介している。
明日からの日常診療がより正確に,より効率的なものに必ずなる,整形外科必携の1冊である。
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序文
若い医師にとって多忙な外来は苦痛に違いない。私自身がそうだった。1990年代からEBM(evidence-based medicine;科学的根拠に基づいた医療)が求められるようになった。この実践には,日々の科学者としての鍛錬が求められる。同時に目の前の患者にどう対応するかは,人間力が問われる。膨大な情報のなかから,目の前の患者にとってベストな治療法を選択するのは容易なことではない。若いころ私は外来で,「この診断でよいのか」「この治療法でよいのか」といつも悩んでいた。
日常診療で腰痛を代表とする脊椎由来の疾患に遭遇することは多い。しかし脊椎由来の痛みの原因を明らかにすることは容易ではない。画像上の所見が必ずしも症状と関連するとは限らないからである。さらに,慢性痛は患者の心理社会的背景がその病態に深く関与している。現代の医療ではNBM(narrative-based medicine;物語に基づいた医療)が求められている。患者が対話を通じて語る病気になった理由や経緯,病気について今どのように考えているかなどの「物語」から,医師は病気の背景や人間関係を理解し,患者の抱えている問題に対して,全人的(身体的,精神・心理的,社会的)にアプローチする必要がある。NBM の実践には効率性と確実性が求められる。
そこで本書では,日常診療のなかで経験する頻度の多い疾患のprofile,見逃してはいけない注意点,確定診断,そして保存療法から手術療法のターニングポイントを,現在わが国で最も活躍されている先生方に執筆していただいた。さらに,若手医師のために,外来で必要な基礎知識と診察の進め方を入れた。痛み領域の研究は日進月歩である。特に痛みの評価とメカニズムは,近年,パラダイムシフトが起きた領域である。治療は,治療戦略,保存療法,手術療法の3ステップに分けて記載していただいた。
本書が,多忙な日常診療に邁進している実地医家の先生方や,実力を付けようとしている若手医師の方々に少しでも役立てば幸いである。
2019年1月
福島県立医科大学医学部整形外科学講座主任教授
紺野 愼一
目次
Ⅰ 外来で必要な基礎知識
脊椎の解剖
頚椎の解剖/胸椎の解剖/腰椎の解剖
痛みの評価
痛みの量的評価尺度/痛みの質的評価
痛みのメカニズム
痛覚投射経路/急性痛と慢性痛/痛みを発生機序から分類する
Ⅱ 診察の進め方
問診
受診の目的/主訴の把握/病歴の作成/部位別にみた脊椎疾患に関する問診
理学所見の評価
視診/触診/脊柱所見/神経学的所見
鑑別疾患上重要な手技
内臓系に由来する腰背部痛/心因性に由来する腰背部痛/脊柱ならびに傍脊柱以外の運動器に由来する腰背部痛
画像検査の意義と限界(血液検査も含む)
単純X 線/CT/MRI/脊髄腔造影/神経根造影,椎間板造影/症例供覧
再診時の注意点
初診時以降の経過の確認/身体診察の実施/画像所見の再確認/診断の見直し/治療方針の確認/病状・治療方針に対する理解の確認
患者への接し方
とにかく第一印象を大事にしよう
Ⅲ 疾患別治療法
【脊椎(全体)】
脊柱側弯症
胸椎の外傷
後縦靱帯骨化症,黄色靱帯骨化症
骨粗鬆症と骨粗鬆症性脊椎椎体骨折
【頚椎】
頚椎症性神経根症,頚椎症性脊髄症
頚椎椎間板ヘルニア
関節リウマチに伴う頚椎病変
頚椎の外傷
頚部痛
【腰椎】
急性腰痛症
慢性腰痛症
腰部脊柱管狭窄症
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎の外傷
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書籍情報
- ISBN:9784758318662
- ページ数:236頁
- 書籍発行日:2019年2月
- 電子版発売日:2019年7月26日
- 判:B5変型
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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