心エコーハンドブック 冠動脈疾患[動画付き]

  • ページ数 : 160頁
  • 書籍発行日 : 2014年8月
  • 電子版発売日 : 2014年12月5日
4,620
(税込)
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商品情報

内容

冠動脈疾患を心エコーでどう診るか?そのために必要な知識がこの一冊に

冠動脈疾患(狭心症、心筋梗塞)を取り上げ、本疾患の検査・診断に特徴的な方法の解説を中心にまとめられた書。
さらに、電子版では本書に掲載された図に対応・関連した動画をワンタッチ再生可能!

※本製品はPCでの閲覧も可能です。
製品のご購入後、「購入済ライセンス一覧」より、オンライン環境で閲覧可能なPDF版をご覧いただけます。詳細はこちらでご確認ください。
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序文

シリーズ発刊の言葉

病院ではいろいろな検査が行われます.血液尿検査,胸のレントゲン,心電図,CT,などなどですが,その中で検査施行時に「職人芸」を要する検査はいくつあるでしょうか? 心エコー検査は,「職人芸」を要するという意味で極めて特殊でやりがいのある検査と言えます.昨今のEBM(根拠に基づく医療)の風潮により,熟達者の「経験」や「技能」は意図的に軽視されていますが,これには肯ける部分もあります.「経験」や「職人芸」は,後進への伝達が難しく,再現性や客観性にも問題がありえるからです.しかし,個人の真摯な努力により達成された「技能」はとても尊く,軽視すべきではありません.「検査技能」の中には,検査時に「考えながら記録を進める」という行為も含まれます.考える葦,です.人間を裸で荒野に放り出しては「経験」「技能」「思考力」はその身につきません.突きつめて言うと,この世は荒野で,学問は荒野における事象の整理(帰納と演繹)です.必要な基礎事項が整然と整理された上で,はじめて「修行」が可能となります.

本書は,ハンドブックとして,必要な基礎事項を整理して提供し,個人が「職人芸」を習得する手助けとなることを目的としています.決して,本書の内容がすべてではなく,単に必要事項を整理・掲載した出発点でしかないことを理解し,「修行」の一助としていただければ大変うれしいです.

"Do not leave home without this echo handbook ! "


日本大学板橋病院循環器内科/東京大学医学部附属病院検査部

竹中 克



発刊にあたって

この度,心エコーハンドブック『冠動脈疾患』を発刊することになりました.本書は,2012年発刊の『基礎と撮り方』,『心臓弁膜症』,および別巻『心臓聴診エッセンシャルズ』,さらに2013 年発刊の『先天性心疾患』に続く,心エコーハンドブックシリーズ5 冊目になります.

冠動脈疾患は,日常の循環器診療においてもっとも頻度の高い疾患のひとつで,本症における心エコーは,心電図検査に続いて実施されるごく当たり前の一般的検査法です.しかし,冠動脈の全体像を捉えることができない,すなわち疾患の根源である冠動脈の狭窄部を確実には診断できないこと,壁運動の判定は主観的要素が大きいことなどにより,残念なことに冠動脈造影やマルチスライスCT,心筋シンチグラムなどに比べて,心エコーが軽んじられる傾向にありました.冠動脈疾患の患者が,最終的には主に冠動脈インターベンションに従事する医師の手に委ねられることも,その理由のひとつかもしれません.

しかし,心エコーは冠動脈疾患においても診断や治療,その効果判定などのために,実に多くの情報を得ることができ,非侵襲性を考え合わせると絶対的に必要不可欠な検査法です.とくに近年,冠動脈疾患に対する新たな技術や手法が開発・研究され,心エコーでなければ得ることができない臨床的価値の高い現象までもがわかってきました.今や冠動脈疾患においても心エコーの臨床的役割・価値は揺るぎないものになっています.

本書は,冠動脈疾患の病態生理に始まり,評価の基本となる壁運動評価や心筋梗塞の合併症,応用・新手法として,負荷心エコー,スペックルトラッキング法による局所壁運動評価,冠動脈エコー,さらには冠動脈バイパス術前後のグラフト血管の評価について,エキスパートの先生方に,丁寧にかつわかりやすく解説していただきました.また,本症に関連する知識として,冠動脈疾患の心エコー検査前に必ず確認すべき心電図波形の見方,冠動脈疾患の外科治療,インターベンション治療についてもトピックスとして章立てしました.

本書に掲載されている心エコー症例のほとんどは,いつでもインターネットで(スマートフォンやタブレットからも)鮮明な動画をご覧いただけます.とくに壁運動については動画を確認いただいてこそ,真にご理解いただけるものと思います.

心エコーで壁運動評価を少し苦手とする初心者の方,新手法を取り入れようと考えている諸兄はもちろん,冠動脈インターベンションに従事する方々にも,必ずや本書がお役に立つものと信じています.

最後になりましたが,本書の主旨をご理解いただき頻回の校正にも快くご協力くださったご執筆の先生方に厚く御礼を申し上げます.


平成26年7月

群馬県立心臓血管センター技術部

戸出 浩之

目次

1 冠動脈疾患の病態生理

2 壁運動評価:壁運動異常と責任冠動脈

3 心筋梗塞の合併症

4 運動負荷心エコー

5 薬剤負荷心エコー

6 スペックルトラッキング法の応用

7 冠動脈エコー

8 冠動脈バイパス血管の評価

9 検査前に心電図を読む

10 虚血性心疾患に対する外科治療

11 冠動脈インターベンションの実際

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書籍情報

  • ISBN:9784765316149
  • ページ数:160頁
  • 書籍発行日:2014年8月
  • 電子版発売日:2014年12月5日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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