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画像診断 2021年5月号(Vol.41 No.6)これだけおさえる胸腹部解剖-血管と管腔のvariation&anomaiy-
画像診断実行編集委員会 (監) / Gakken
商品情報
内容
*都合により,紙版の誌面と異なり割愛される箇所があることがございます(p.579「肝内肝外胆管系の解剖学的破格」図11は未収載となっております).
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序文
序説
衣袋 健司(日本大学医学部放射線医学系放射線医学分野)
今から30年前,本特集号の著者の一人である吉満研吾先生とともに,米国テキサス州立MD Anderson Cancer Center(MDACC)の放射線科に短い期間ではあったが勤務していた.その際,同センターの腹部画像診断のトップともいえる,故 Chusilp Charnsangavej先生に師事する機会を得た.当時,先生は膵癌の画像診断の研究を行っており,血管を主軸に据えてCT画像を読影する方法を考案していた.大腸癌リンパ節転移についても,癌の部位から考えてどの血管に沿ったリンパ路があるかを想定してその血管周囲をチェックしていくことなどを,ランチタイムのミニレクチャーで話されていた.さらに,こういった論理的なアプローチ法を単なる講義だけではなく,学会や論文にまとめて発表されていた.のちに先生は,『Meyers’ Dynamic Radiology of the Abdomen』の共著者として名前が載るようになった.
その頃,金沢大学の松井 修先生が考案されたCT during arterial portography(CTAP)が,小さな腫瘤を発見できる方法としてMDACCでも数多く行われていた.この検査のおかげで肝内/肝外門脈のvariation/anomalyが次々と(再)発見されるようになり,当時CTAP関連の論文を読むのを毎月心待ちにしていた記憶がある.また当時,大分大学の森 宣先生は,CTにおける膵頭部周囲の小静脈の所見から膵癌の周囲への浸潤について論文を発表されていた.小さな血管がCTで認識でき,かつ臨床的に重要であることに気づかされ,CTが血管造影を凌駕する時代の到来を予感させていた.
さて,本特集は特に腫瘍と血管の関係ではなく,日常診療でも目にするかもしれない血管のvariation(破格)をまず認識しようという企画である.日頃(昨今では)肺炎像があるのか? その性状は? などといった質的な診断が多いと思うが,ちょっと視線をずらして近くにある血管を眺めてみると,いろいろな破格に気づくことがある.30年前とは異なり,thin slice dataでみれば連続性から血管かリンパ節かの区別がつく/つけなければならない時代である.血管に関しては特に鑑別診断をする必要性はほとんどなくストレートな診断ができる,というか気づくか気づかないかである.腹腔鏡手術が増加する中で,我々が軽微と考えている血管の破格が,もしかすると実際には外科医にとっては重要なポイントになるかもしれない.
血“管”ついでに管状の構造物(膵管・胆管・消化管)もまとめてしまおうという大胆な企画で,各著者の皆さんにご迷惑をおかけしたと思う.そのため,多くの先生が初稿では血管と臓器の発生から丁寧に説明されていたのだが,誌面の関係で私の責任でかなり割愛させていただいたことをこの場を借りて深くお詫びしたい.この1冊で,大まかではあるが,体幹部の血管の破格を概観できることを期待する.
目次
序説 ●衣袋 健司
特集
1.胸部
気管支動脈の解剖とIVRの実際 ● 塚田 実郎,衣袋 健司ほか
大動脈弓・肺動静脈のvariation & anomaly ● 堤 義之
上大静脈・奇静脈のanomaly ● 田所 導子
肺分画症と肺静脈還流異常 ● 桑島 成子
胸郭出口症候群 ● 荒井 学,陣崎 雅弘
胸壁・腹壁の側副路 ● 岸野 充浩
2.腹部
(1)肝臓
肝動脈の変異と注意すべき肝外動脈 ● 宮山 士朗
肝内肝外胆管系の解剖学的破格 ● 吉満 研吾
門脈の解剖変異 ● 清末 一路,丸野 美由希
(2)膵臓・脾臓
膵・十二指腸の破格と血管解剖 ● 田村 謙太郎,井上 政則ほか
(3)腸管
腸回転異常・血管との関係 ● 森田 孝一郎,相部 仁ほか
(4)腎臓
腎・尿管の解剖とanomaly ● 加茂 実武,秋田 恵一
腎静脈と下大静脈変異 ● 市川 珠紀,原 拓也ほか
後腹膜の構造 −腎周囲静脈との関係から− ● 越智 敦彦,秋田 恵一
(5)骨盤
骨盤静脈の破格 ● 松岡 勇二郎,高橋 正道ほか
卵巣静脈と精巣静脈 ● 泉 雄一郎,岡田 浩章ほか
大腿動脈穿刺に有用な解剖 ● 衣袋 健司,塚田 実郎ほか
連載
すとらびすむす
vision ● 城戸 輝仁
画像診断と病理
嚢胞変性を伴う膵神経内分泌腫瘍 ● 内田 政史,久能 由記子ほか
ここが知りたい!
画像診断2020年12月号特集「急性期脳梗塞診断と治療法の進歩
─ Time is brainからImaging is brainへ ─」 ● 井上 学,服部 憲明
Picked-up Knowledge from Foreign Journals
膝関節のMRI ● 平野 七津美,青木 隆敏
CASE OF THE MONTH
Case of May ● 夕永 裕士,藤井 進也
The Key to Case of March ● 三好 秀直,藤井 進也
General Radiology診断演習
痛くもない腹を探る ● 井上 明星
AI画像診断は,いま
国内の画像AI活用状況 ─ 導入に向けての課題 ─ ● 林 直人
Refresher Course
腹部超音波検査の進歩 ● 丸上 永晃,平井 都始子
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書籍情報
- ISBN:9784780905403
- ページ数:144頁
- 書籍発行日:2021年4月
- 電子版発売日:2021年5月12日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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