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- 産婦人科の実際 2022年10月号 71巻11号 特集 子宮体がんup to date 【電子版】
商品情報
内容
1.子宮体癌の代謝内分泌学的リスク因子とメトホルミンの作用機序
2.子宮体がんの予防 −ホルモン剤、肥満予防・減量と身体活動のエビデンス−
3.子宮体がんサバイバーのヘルスケア ほか
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序文
企画者のことば
子宮体癌は,米国では女性のがんの4位を占め欧米では肥満との関連から近年増加傾向にあります。わが国でも生活習慣の変化からここ20年で急増し,日本産科婦人科学会婦人科腫瘍委員会の登録数も6倍以上増加しています。肥満・インスリン抵抗性・糖尿病は,子宮体癌の発がんリスクとして知られる一方で予後にも関連します。子宮体癌患者の死因は,長期的にはがん死より心血管性疾患による死亡が多いことも知られており,がんサバイバーの管理が重要な課題となっています。また,子宮体癌はホルモン依存性ですが,経口避妊薬(oral contraceptives;OC)/低用量ピル(low dose estrogenprogestin;LEP)投与により発がんリスクが減少すること・術後のホルモン補充療法(hormonereplacement therapy;HRT)のメリットなども報告されています。そのため,子宮体癌の予防や術後管理におけるホルモン療法の適切な使用法を熟知する必要があります。
また子宮体癌では,ミスマッチ修復機能の低下が発がん・予後と関連することが報告され,その生殖細胞系列病的バリアントで生じるリンチ症候群も注目されています。TCGAのデータ解析で,従来の病理学的分類とは異なる分子遺伝学的分類が予後と関連することが報告され,欧米では臨床に即してmodifyされた分子遺伝学的分類がすでに臨床試験に応用されています。薬物療法では,2018年に免疫チェックポイント阻害薬ペムブロリズマブがMSI陽性例に承認され,2021年12月にはレンバチニブとペムブロリズマブの併用療法が「がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の子宮体癌」を対象に薬事承認されました。このように,これまであまり進展のなかった子宮体癌の治療薬が近年めざましく進歩しています。手術療法に関しても,若年者の卵巣温存や,リンパ節郭清の範囲・省略など,これまで様々な議論があるものの未解決だった問題に対しても新しいエビデンスが集積してきました。
そこで今回は,子宮体癌に関連するエキスパートの先生にoncologyだけではなくhealthcareの側面で最新の知見について執筆をお願いしました。最新知識の習得のほか,今後さらに増加する子宮体癌の予防や新たな治療戦略の一助になれば幸甚です。
三橋 暁
目次
特集 子宮体がんup to date
1.子宮体癌の代謝内分泌学的リスク因子とメトホルミンの作用機序
羽生 裕二
2.子宮体がんの予防 −ホルモン剤、肥満予防・減量と身体活動のエビデンス−
高松 潔
3.子宮体がんサバイバーのヘルスケア
添田 わかな
4.リンチ症候群と子宮体癌
植野 さやか
5.子宮体癌のMolecular Pathologyと臨床応用
蜂須賀 一寿
6.脱分化癌についての最新の話題
原賀 光
7.子宮体がんの手術療法の最近の話題
1)リンパ節郭清について 金野 陽輔
2)若年子宮体がん患者の卵巣温存、肥満の手術 秋山 梓
8.子宮体癌の妊孕性温存療法
山上 亘
9.MSI-Highと免疫チェックポイント阻害薬(作用機序)
織田 克利
10.子宮体癌に対する最新薬物療法
橋本 千明
診療
ART患者の卵巣刺激−アンタゴニスト法−
吉田 淳
臨床経験
骨盤内炎症性疾患の診断で入院を要した症例に関する後方視的検討−外科治療へのリスクファクターの検討−
勢多 真理子
症例
進行した膵臓癌が右卵巣に転移して茎捻転を起こし、1年後に左卵巣に再発した1例
田邉 昌平
腹腔鏡下手術を契機に診断されたIntravenous Leiomyomatosis (IVL)の2症例
大谷 清香
海外文献から
・産後うつ病と抑うつ症状の危険因子:観察研究のシステマティックレビューとメタアナリシスによる現在のエビデンスのアンブレラレビュー
京都大学大学院医学研究科婦人科学産科学
・月経前不快気分障害に対するsepranoloneの有効性と安全性に関する研究
京都大学大学院医学研究科婦人科学産科学
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書籍情報
- ISBN:9784003107111
- ページ数:114頁
- 書籍発行日:2022年10月
- 電子版発売日:2022年10月14日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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