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- 産婦人科の実際 2024年10月号 73巻10号 特集 多職種連携による婦人科がん治療の実践 【電子版】
商品情報
内容
序文
企画者のことば:進化する婦人科がん治療を多職種連携で最適化するために
近年,婦人科がん治療における薬物療法は過去20年のなかで最も大きな変革を迎えている。PARP阻害薬,マルチキナーゼ阻害薬,免疫チェックポイント阻害薬などが保険適用となり,さらなる開発が進んでいる。一方で,従来の殺細胞性抗がん薬では経験したことがない副作用の対策には,様々な科や薬剤師など多彩な職種の方々との連携が必要となった。
がん治療の中心は手術療法・薬物療法・放射線療法である。婦人科がん治療は上述した薬物療法における多職種との連携以外に,手術療法や放射線治療などにおいても連携を必要とする機会が少なくない。例えば,卵巣がんの治療などにおいては肉眼的に残存病変を認めない(R0)手術を達成するために,消化管外科や泌尿器科と合同での施術が必要となる。そのため,周術期管理や実際の手術機器や術式に精通する必要がある。また,放射線治療については重粒子線の子宮頸がんへの適応拡大やオリゴ転移への積極的な治療の導入など様々な進歩を認め,さらなる連携が考慮される。
このように,治療方法の進化が著しい婦人科がん治療であるが,がん治療においては治療中・治療後の患者さんの身体症状だけでなく精神的,経済的,就業を含めた社会的な側面に対する支持体制の充実も重要である。そのため,がん治療に携わる婦人科医は様々な診療科との連携だけでなく,看護師,薬剤師,栄養管理士,理学療法士,医療ソーシャルワーカーなど多職種合同での患者さんを中心としたチーム医療の実践が必要となる。また,多職種合同でがん治療に臨むことは,患者さんの治療結果を改善することが期待されるとともに,医師の働き方改革におけるタスクシェアにもつながり,医師自身の質が改善することにつながると予測する。
そこで本特集号では,婦人科がん治療における様々な多職種での連携体制の構築を取り上げ,それらの連携のポイントと婦人科がんに携わる医師が知っておくべきポイントについて解説をいただく特集を企画した。
本特集号が,患者さんへの最適ながん治療の提供に寄与することを願う。
添田 周
目次
特集 多職種連携による婦人科がん治療の実践
1 婦人科がん手術での消化管切除と消化器外科との連携
楯 真一
2 婦人科がん手術での泌尿器臓器処理と泌尿器科との連携
加藤 一喜
3 抗がん薬の婦人科がん治療における進歩と腫瘍内科との連携
須藤 洋崇
4 放射線治療の婦人科がんにおける進歩と放射線腫瘍科との連携
榊 宏諭
5 緩和医療の婦人科がん治療における特徴と連携
佐藤 薫
6 がん専門薬剤師の婦人科がん治療での役割と連携
徳永 英樹
7 子宮体がん患者に対するライフスタイルの指導は有効か?−肥満と腫瘍免疫の関連からの考察
松村 謙臣
8 リハビリテーションの婦人科がん治療における実際と連携
高橋 良輔
9 社会的サポート・リソースの婦人科がん治療における実際
宮本 強
10 チャイルド・ライフ・スペシャリストなどの多職種連携による婦人科がん患者とその子どもの支援
伏見 幸弘
11 婦人科がん治療におけるタスクシェアと働き方改革
宮城 悦子
シリーズで学ぶ最新知識
傍頸管ブロックを極める 第1回 傍頸管ブロック−総論
中山 敏男
今日の話題
外国籍妊婦受け入れ状況とその対応について
榊原 咲弥子
臨床経験
培養上清中に含まれる遊離DNAを用いた非侵襲的着床前胚異数性検査(niPGT-A)の最適な培養液採取時期の検討
神田 晶子
症例
術前診断が困難であった多嚢胞性腹膜中皮腫の1例
東元 孔志
急性骨髄性白血病に対する同種造血幹細胞移植後の移植片対宿主病により発症した腟内血腫を伴う腟閉鎖の1例
上山 恭平
海外文献から
宮崎大学産婦人科
・平滑筋肉腫に対するドキソルビシン?トラベクテジン療法とトラベクテジン維持治療
・妊娠早期に診断された妊娠糖尿病の治療
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書籍情報
- ISBN:9784003107310
- ページ数:128頁
- 書籍発行日:2024年10月
- 電子版発売日:2024年10月18日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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