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- 整形・災害外科 2022年7月号 65巻8号 特集 足関節周囲外傷の治療 【電子版】
商品情報
内容
新鮮外側靱帯損傷の治療― 超音波による受傷度評価を中心に
解剖学的知見に基づいた新鮮三角靱帯損傷の診断から治療
新鮮遠位脛腓靱帯損傷の治療― 鏡視下評価法を中心に ほか
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序文
足関節周囲外傷の治療
直立二足歩行を行うわれわれ人間の足関節は，全体重を受け，地面に接する足に力を伝達する重要な関節である。逆に，足から入力された負荷は足関節機能によって減退する。このように，地面に近く，全体重が集中する足関節は大変過酷な環境にさらされており，外傷が起こりやすい関節である。
足関節を捻って受傷する足関節捻挫は，スポーツ外傷の中で最も頻度が高い。足関節には多方向に多数の靱帯が付着しており，捻挫によって多彩な靱帯損傷が生じる。外側靱帯損傷の発生頻度が高いが，三角靱帯や遠位脛腓靱帯損傷も少なくない。その評価と治療法はいまだ確立されていない。
足関節は脛骨の内果と天蓋，そして腓骨の外果に距骨がはまり込む「ほぞ」と「ほぞ穴」構造であり，骨性に安定した関節である。そのため骨折を生じることも多い。足関節果部骨折は手術治療が必要なことが多く，その治療法は時代とともにアップデートしている。足関節機能を維持するために果部はもちろんのこと，脛骨天蓋，距骨滑車の修復も必要であるため，ピロン骨折や距骨骨軟骨損傷に対する治療も重要となる。
足関節周囲は多くの腱が滑走する。足関節周囲外傷の中でも腓骨筋腱脱臼は比較的見逃されやすく，治療に難渋することも多い。いずれの外傷も正確な診断と適切な治療によって構造の修復を行うことが必須である。その上で，機能回復を目指したリハビリテーション介入が必要となる。外傷の種類，治療の内容と時期によって，リハビリテーションの内容は変化する。足関節周囲外傷の種類は非常に多く，治療に携わる医師も一般整形外科医から足の外科医，スポーツ医，外傷医と幅が広い。治療に用いるツールも超音波，関節鏡，インプラント，創外固定など様々である。そして，術後リハビリテーションも非常に重要である。バラエティ豊富な内容を盛り込んだ本特集は，とりわけ足関節に造詣の深い先生方に執筆していただき，即座に応用できる実践的な内容となっている。足関節周囲外傷について理解を深めていただくと同時に，日常診療の一助になることができれば幸甚である。
（寺本篤史）
目次
特集：足関節周囲外傷の治療（企画：寺本篤史）
新鮮外側靱帯損傷の治療― 超音波による受傷度評価を中心に 服部惣一
解剖学的知見に基づいた新鮮三角靱帯損傷の診断から治療 添田沙織 ほか
新鮮遠位脛腓靱帯損傷の治療― 鏡視下評価法を中心に 伊東勝也
足関節果部骨折の評価と治療選択 伊勢福修司
足関節果部骨折手術におけるインプラント選択 松井健太郎
足関節後果骨折に対する関節鏡視下手術 滝 正徳
ピロン骨折における軟部組織合併症を回避するためのコツ 野坂光司 ほか
新鮮距骨骨軟骨損傷の治療 中佐智幸 ほか
腓骨筋腱脱臼の治療トピックス 西村明展 ほか
足関節周囲外傷の術後リハビリテーション 小林 匠
―Personal View―
「エビデンス」という言葉のもつ危うさ 岩渕真澄
―新しい医療技術―
力が骨を強くする仕組み― 配向性を指標とした新しい骨医療 松垣あいら ほか
―臨床―
大腿骨転子部骨折術後の遅発性骨頭圧潰 越智龍弥 ほか
大腿骨近位部骨折におけるHb値の変化― 輸血と抗血栓薬との関連 若杉正嗣 ほか
―症例―
受傷後1カ月以上経過したハムストリング総腱完全断裂に対し観血的治療を施行した1例 勝又 顕 ほか
総腓骨神経麻痺による下垂足に対し後脛骨筋腱前方移行術（Watkins‒Barr法）を行った1例 石橋 光 ほか
整形外科手術 名人のknow‒how
「粉砕骨折に対する内固定術のコツ― 肘頭骨折を中心に」 高橋信行ほか
スポーツ医学 つれづれ草（31）
「二つの矢を持つことなかれ」 武藤芳照
机上の想いのままに（50）
「儒学，道教と仏教についての雑考」 西野仁樹
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書籍情報
- ISBN：9784003306508
- ページ数：136頁
- 書籍発行日：2022年7月
- 電子版発売日：2022年6月30日
- 判：B5判
- 種別：eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数：3
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