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医学のあゆみ290巻12号 SGLT2阻害薬を再考する―機序・効果・安全性の最新情報

  • ページ数 : 68頁
  • 書籍発行日 : 2024年9月
  • 電子版発売日 : 2024年9月24日
1,650
(税込)
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商品情報

内容

・インスリン非依存性の血糖降下薬として登場したSGLT2阻害薬は,近年,心不全や慢性腎臓病への有効性も示され,適応が拡大している.現在では糖尿病以外の治療にも広く使用され,不可欠な治療薬となった.
・SGLT2阻害薬から得られる利益は大きいが,残余リスクについて検討を要し,また,未知の薬効や副反応などに関する課題も多い.そのため,処方にあたっては薬理・薬効の正しい理解が必須である.
・本特集では,SGLT2阻害薬の交感神経制御への影響,尿路感染や膀胱機能障害,腎保護効果,心筋保護効果,肝臓保護,サルコペニアへの影響について解説する.適切な処方を考える一助となることを期待したい.

序文

はじめに


当初は糖尿病に対するインスリン非依存性の血糖降下薬として登場したSGLT2(sodium-glucose cotransporter 2)阻害薬であったが,EMPA-REG OUTCOMEの発表は,SGLT2阻害薬による心血管イベント,腎予後の双方に対する評価を一変させた.以後,CANVAS,DECLARE-TIMI 58,CREDENCEと,相次いでSGLT2阻害薬の糖尿病症例における心血管イベント抑制(主に心不全抑制),腎保護効果が示され,さらに糖尿病を有さない症例に対する心不全,慢性腎臓病に対する改善効果も示された.臓器保護,合併症進展抑止のみならず,治療介入の観点からもSGLT2阻害薬はもはや不可欠である.SGLT2阻害薬処方下における残余リスクをどうするか,SGLT2阻害薬を処方できない症例などをどうするのかを問う時代になっている.時代は“Post-SGLT2 inhibitor Era”を迎えたともいえる.

本特集では,SGLT2阻害薬の効果として,いまだ仮説の域を出ない交感神経制御への影響について,当科の林義大が最新の研究成果を交えて発表する機会をいただいた.また,尿路感染や膀胱機能障害に関する実際の状況については,島根大学泌尿器科の和田耕一郎先生にご解説いただく.SGLT2阻害薬の最も確固たるエビデンスである腎保護効果に関しては,滋賀医科大学糖尿病内分泌・腎臓内科の久米真司先生に,心筋保護効果に関しては,名古屋大学循環器内科の室原豊明先生にご教授いただく.また,優れた効果が報告されている肝臓保護については,金沢大学内分泌・代謝内科の竹下有美枝先生,篁俊成先生にご解説いただき,副作用としていまだ全貌が明らかでないサルコペニアへの影響については,京都府立医科大学内分泌・代謝内科の濵口真英先生,福井道明先生に概説していただく.

SGLT2阻害薬は病に苦しむ多くの患者にすでに多大な利益をもたらしてきた.しかし,SGLT2阻害薬処方に伴う利益がいまだかつてないほどではあっても,残余リスクは60~70%に認める.もちろん万能薬ではない.いまだわからない薬効発揮,副反応発症の分子機構など,解決しなければならない問題も多い.最近,薬剤の詳細な薬効などを理解せず,多くの医師が単にアルゴリズムで疾病制御をできると思い込んでいる.しかし,現実の慢性疾患の制御は簡単なものではない.本特集がSGLT2阻害薬の薬効薬理に対する正しい理解への近道となり,適切な処方活動につながることを期待している.


金﨑啓造
島根大学医学部内科学講座内科学第一

目次

特集 SGLT2阻害薬を再考する―機序・効果・安全性の最新情報

はじめに(金﨑啓造)

SGLT2阻害薬と交感神経活性(林 義大・金﨑啓造)

SGLT2阻害薬と尿路への影響(和田耕一郎)

SGLT2阻害薬と腎臓保護(久米真司)

SGLT2阻害薬と心筋保護(室原豊明)

SGLT2阻害薬と肝臓保護(竹下有美枝・篁 俊成)

SGLT2阻害薬とサルコペニア(濵口真英・福井道明)

TOPICS

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連載

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FORUM

死を看取る―死因究明の場にて(24) 死因究明の実践(7)(大澤資樹)

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書籍情報

  • ISBN:9784006029012
  • ページ数:68頁
  • 書籍発行日:2024年9月
  • 電子版発売日:2024年9月24日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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