- m3.com 電子書籍
- 「Medical Technology」別冊 超音波エキスパート22 下肢静脈超音波検査 深部静脈血栓症,下肢静脈瘤,下肢浮腫をエコーで診る
商品情報
内容
臨床での検査・診断に活用できる,役立つ超音波アトラス!
●月刊「Medical Technology」別冊の好評シリーズ,「超音波エキスパート」第22弾!「超音波エキスパート6 下肢静脈疾患と超音波検査の進め方―いかに深部静脈血栓症・下肢静脈瘤をエコーで診るか」の続編が刊行!
●「肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断,治療,予防に関するガイドライン」「超音波による深部静脈血栓症・下肢静脈瘤の標準的評価法」など最新のガイドラインをふまえて,下肢静脈超音波検査を行う際に必要な知識および技術的事項を豊富なカラー写真でビジュアルにまとめた.
序文
序
長年の友,“血管エコー職人” 山本哲也先生と組み,本を出すことができました.
2004 年にスタートした“超音波エキスパート” は,20 年という時間を経て,本書で22 冊目です.超音波検査の書籍として,多くの領域が出版されています.本ごとに,様々なジャンルのエキスパートの熱い思いが様々な形で綴られています.私自身はこうして序文を書かせていただくことが6 度目となります.なんとも光栄なことです.今回,企画スタートから発行までに時間がかかってしまいましたが,根気よく付き合っていただきました共著の先生方にお礼申し上げます.
本書は,「超音波エキスパート6 下肢静脈疾患と超音波検査の進め方―いかに深部静脈血栓症・下肢静脈瘤をエコーで診るか」の続編となります.2007 年出版ですから17 年前も前,今春臨床検査技師になった方だと,まだ小学生にもなっていない頃の出版です.
この17 年にあった出来事を振り返ると,2007 年当時の私は,京都大学医学部附属病院検査部に在籍して日々の超音波検査に加え,年間50 回程度の講演をこなしながら,雑誌連載もかかえ,血管領域の第1 回目の超音波検査士試験委員としての準備作業,さらには,2008 年1 月に公示される日本超音波医学会“下肢深部静脈血栓症の標準的超音波診断法” 委員としての作業など多忙な日々を送っていました.
2011 年3 月11 日発生の東日本大震災では,避難所での肺塞栓予防のために下肢静脈超音波検査の需要が多く,私自身も震災から約3 週間後に,福島県立医科大学の医療チームに加わり,1 週間ではありましたが福島県内の避難所検診に参加していました.その時の経験が,その後の自身の学術活動に少なからず影響を与えています.
2018 年には,日本超音波医学会から「超音波による深部静脈血栓症・下肢静脈瘤の標準的評価法」(2020 年一部訂正)が発表されました.委員長であり,師匠の松尾 汎先生のご尽力もあり,日本超音波医学会だけではなく,日本脈管学会,日本静脈学会との合同で発表できたことは,委員として活動した者としてとても嬉しいことでした.
日本静脈学会からは,「下肢静脈瘤に対する血管内治療のガイドライン」が2010 年に発表され,その9 年後に「下肢静脈瘤に対する血管内焼灼術のガイドライン2019」が発表されました.
下肢深部静脈血栓症は,肺血栓塞栓症の原因疾患として,予防と早期診断が求められます.多くの診療科が関係する疾患ですので,その診断に不可欠な超音波検査は医療機関内での需要が多い検査といえます.超音波検査に関わられている方は,専門外領域であってもぜひとも習得していただきたい検査項目です.
下肢静脈瘤については,血管内焼灼術が治療の主体となり,超音波検査にて詳細な病態評価がとても重要になっています.
本書の執筆は,深部静脈血栓症については,山本哲也先生,そして私の師匠の松尾 汎先生にお願いしました.静脈瘤については,この領域のエコーの第一人者である松原 進先生,そして彼の師匠の杉山 悟先生にお願いしました.人選だけで良い本ができることは確信していましたし,校正原稿をみるとやはり良い仕上がりです.日本超音波医学会の“標準的評価法” では書ききれなかったことも本書では余すことなく書かれていると思います.私は,解剖,生理や装置条件設定,そして下肢腫脹・浮腫の評価を担当しました.普段の検査中に,教科書的でない血管走行に出会うことはまれではありません.初学者にとっては難しい解剖理解をなんとかしたいと考えて,下肢静脈の解剖そして破格について相当文献を調べて記述しました.何度徹夜して文献を読んだことでしょう.学問に対する欲求は,60 歳を超えても衰えることはないのだなと思いました.こういう機会をいただけたことに感謝します.
2024年4月
桜咲く景色を眺めながら 編集代表 佐藤 洋
目次
1 下肢静脈の解剖と生理
(佐藤 洋)
1)下肢静脈の解剖
1.下肢静脈の分類
2.下肢深部静脈の解剖
3.下肢表在静脈の解剖
4.下肢穿通枝
2)下肢静脈の生理
1.筋肉のポンプ作用
2.静脈弁
3.呼吸,右房圧減少による吸引
4.四肢の高さの変動
5.流入する動脈血の押し上げ
3)下肢静脈の破格(anomaly)
1.下大静脈,腸骨静脈
2.大腿静脈
3.膝窩静脈
4.下腿3分枝
5.大伏在静脈-大腿静脈接合部
6.小伏在静脈
2 検査法概要
(佐藤 洋)
1)深部静脈血栓症評価と下肢静脈瘤評価
1.深部静脈血栓症評価
2.下肢静脈瘤評価
3 装置の条件設定
(佐藤 洋)
1)探触子の選択
2)断層法の画像調整
1.ゲイン
2.フォーカス
3.STC
4.ダイナミックレンジ(DR)
5.ティッシュハーモニックイメージング(THI)
3)カラードプラ法の条件設定
4)パルスドプラ法の条件設定
5)静脈検査と動脈検査の条件設定の違い
6)超音波検査室の照度とモニタ画面
7)超音波装置と画像システム端末の画像調整
4 下肢深部静脈血栓症評価
1)下肢深部静脈血栓症における超音波検査の役割(山本哲也)
1.検査の目的
2.検査の診断精度
3.検査の役割
2)深部静脈血栓症の病態と治療(松尾 汎)
1.診療に際しての基本的事項
2.病態
3.医療安全からみたVTE
4.診断
5.DVTの治療
3)検査対象と適応(山本哲也)
1.危険因子発生要因
2.検査対象
3.検査の適応(臨床確率)
4)検査法の実際(山本哲也)
1.診断基準
2.検査範囲と手順
3.描出方法と正常像
4.観察・評価方法
5.診断のポイント
6.急性期DVTと慢性期DVTの鑑別ポイント
7.DVT検索時に遭遇する所見と見落としやすいポイント
5)予防・治療後の評価(山本哲也)
1.抗血栓療法
2.下大静脈フィルタ留置術
6)レポートサンプル(山本哲也)
5 下肢静脈瘤評価
1)下肢静脈瘤における超音波検査の役割(松原 進)
2)CEAP分類について(杉山 悟)
1.C;臨床分類(clinical classification)
2.E;病因分類(etiological classification)
3.A;解剖学的分類(anatomical classification)
4.P;病態生理分類(pathological classification)
3)下肢静脈瘤の病態と治療(杉山 悟)
1.病態と疫学
2.症状
3.治療の適応
4.治療方法
5.治療成績
6.合併症(特に焼灼術について)
4)検査対象,適応(杉山 悟)
5)検査法の実際(松原 進)
1.検査環境
2.超音波装置
3.検査体位
4.プローブの持ち方
5.表在静脈の解剖とBモード画像
6.逆流評価
7.ミルキング
8.カラードプラ法
9.パルスドプラ法
10.静脈径の計測
11.検査の進め方
12.SSVの評価
13.GSVの評価
6)血管内治療前の評価(杉山 悟)
7)下肢静脈瘤における血管内焼灼術の手技と超音波の役割(杉山 悟)
8)下肢静脈瘤の手術後の超音波検査(杉山 悟)
1.血管内焼灼術後の超音波検査の時期
2.術後早期の超音波検査
3.術後中長期の超音波検査
9)レポートサンプル(松原 進)
6 下肢腫脹・浮腫の評価
(佐藤 洋)
1)腫脹・浮腫の定義
2)体内の水分布
3)下肢腫脹・浮腫に対する超音波検査の役割と診断方法
1.問診
2.視診
3.触診
4.鑑別診断のために実施される検査
5.超音波検査の検査範囲
4)浮腫の超音波所見
5)超音波検査の実際
6)下肢腫脹・浮腫の原因疾患と超音波所見および臨床所見
1.深部静脈血栓症
2.血栓後症候群
3.うっ血性心不全
4.下大静脈閉塞性疾患
5.骨盤内腫瘍
6.下肢静脈瘤
7.血栓性静脈炎
8.低アルブミン血症
9.蜂窩織炎
10.リンパ浮腫
11.動静脈奇形(Klippel-Trenaunay-Weber症候群)
12.単一でない浮腫の原因
13.片側浮腫と両側浮腫
14.薬剤性浮腫
15.廃用性浮腫
7)浮腫ではない下肢腫脹病変
1.Baker嚢胞
2.膝窩動脈瘤
3.皮下血腫,皮下出血
4.仮性動脈瘤
5.腫瘍性病変
6.深部静脈血栓と鑑別を要する下腿病変
便利機能
- 対応
- 一部対応
- 未対応
-
全文・
串刺検索 -
目次・
索引リンク - PCブラウザ閲覧
- メモ・付箋
-
PubMed
リンク - 動画再生
- 音声再生
- 今日の治療薬リンク
- イヤーノートリンク
-
南山堂医学
大辞典
リンク
- 対応
- 一部対応
- 未対応
対応機種
-
iOS 最新バージョンのOSをご利用ください
外部メモリ:38.6MB以上(インストール時:88.1MB以上)
ダウンロード時に必要なメモリ:154.3MB以上
-
AndroidOS 最新バージョンのOSをご利用ください
外部メモリ:38.6MB以上(インストール時:88.1MB以上)
ダウンロード時に必要なメモリ:154.3MB以上
- コンテンツのインストールにあたり、無線LANへの接続環境が必要です(3G回線によるインストールも可能ですが、データ量の多い通信のため、通信料が高額となりますので、無線LANを推奨しております)。
- コンテンツの使用にあたり、m3.com電子書籍アプリが必要です。 導入方法の詳細はこちら
- Appleロゴは、Apple Inc.の商標です。
- Androidロゴは Google LLC の商標です。
書籍情報
- ISBN:9784006129472
- ページ数:144頁
- 書籍発行日:2024年6月
- 電子版発売日:2024年6月21日
- 判:A4変型
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
お客様の声
まだ投稿されていません
特記事項
※ご入金確認後、メールにてご案内するダウンロード方法によりダウンロードしていただくとご使用いただけます。
※コンテンツの使用にあたり、m3.com 電子書籍が必要です。
※eBook版は、書籍の体裁そのままで表示しますので、ディスプレイサイズが7インチ以上の端末でのご使用を推奨します。