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- J. of CLINICAL REHABILITATION32巻12号 生活期の高次脳機能障害者に対するリハビリテーション支援
商品情報
内容
●本特集では,こうした高次脳機能障害に関連する社会生活上の課題に対処するために,外来と他機関との連携や,就労継続支援,自動車運転支援,スポーツへの参加支援などさまざまな支援やアプローチを紹介.
●高次脳機能障害への多面的な方法を知ることで,認識拡大や各施設の活用増加に寄与することを期待した一冊.
序文
特集にあたって
高次脳機能障害には認知障害として,記憶障害,注意障害,遂行機能障害,失行症状,失語症等があり,病院でのリハビリテーション医療面では,急性期リハビリテーション,回復期リハビリテーションにおける入院リハビリテーションが主体であるため,この評価,回復のためのリハビリテーションに主眼が置かれることが多い.しかしながら,高次脳機能障害には脱抑制のために感情や欲求が抑えられない,易怒性がある,自発性が低下している,感情失禁がある,性衝動が抑えられない等の症状を示す社会的行動障害,気分のひどい落ち込み,何事にも興味がもてなくなる等のうつ症状,反対に上機嫌でアイデアが次から次へと湧き出ることからじっとしていられなくなる,気分が高揚したり,イライラしやすくなる躁症状を繰り返す双極性障害等の感情障害もあり,生活上大きな問題となる.高次脳機能障害者ではADL は自立するが,復学,復職,再就労ができないという社会生活上の大きな問題を抱えることが多い.記憶障害では,見当識障害のため公共交通機関が利用できない,スケジュールを忘れてしまい次の仕事ができない等の障害が生じ,注意障害では仕事上で見落としが多く,ミスが目立つ,集中力を持続できない,自動車運転に支障がある等の障害が生じ,遂行機能障害では作業スピードが著しく低下する,同時に2 つ以上の作業ができない等の障害が生じる.社会的行動障害では,脱抑制や易怒性によるコミュニケーション障害,自発性の低下等の障害を生じ,感情障害ではうつ症状や双極性障害のため,コミュニケーション障害を生じる.
本特集ではこれら高次脳機能障害者に生じる社会生活上の問題に対してさまざまな立場,機関からの支援があり,これらの活動を専門家の先生方からご紹介いただくために企画した.渡邉修先生からは「リハビリテーション科外来からの支援」として,リハビリテーション科外来でのフォローだけではなく,さまざまな機関との連携での対応も含めた内容で執筆いただいた.豊岡志保先生からは「高次脳機能障害支援センターからの支援」として,通所教室でのグループワークや医療機関,行政機関との連携について執筆いただいた.青木重陽先生からは「就労移行支援施設からの支援」として,職業準備性獲得の重要性,移行支援の内容,就労継続支援について執筆いただいた.武原格先生からは「自動車運転支援」として,高次脳機能障害者に対する自動車運転に必要な評価の内容,運転訓練について執筆いただいた.栗林環先生からは「高次脳機能障害者に対するスポーツへの参加支援」として,高次脳機能障害者に対する障害者スポーツの必要性,導入方法,継続への工夫について執筆いただいた.筆者からは「自立訓練施設からの支援」として,高次脳機能障害者に対する自立訓練での日常生活管理,対人技能,基本的労働習慣等の社会生活のベースとなる能力を再獲得することの重要性,訓練プログラムの内容について執筆した.今回の特集がさまざまな側面からのアプローチ方法に対する認知の拡大,施設利用の増加につながれば幸いである.
(編集委員会 企画担当:菊地尚久)
目次
特集 生活期の高次脳機能障害者に対するリハビリテーション支援
特集にあたって(菊地尚久)
リハビリテーション科外来からの支援(渡邉 修)
高次脳機能障害支援センターからの支援~通所教室で医療と地域をつなぐ~(豊岡志保)
自立訓練施設からの支援(菊地尚久)
就労移行支援施設からの支援(青木重陽)
自動車運転に対する支援(武原 格)
高次脳機能障害者に対するスポーツへの参加支援(栗林 環)
コラム:高次脳機能障害に対するリハビリテーション活動の地域差(小林康孝)
座談会 災害リハビリテーションの普及にむけて―JRATの取り組み
(栗原正紀 冨岡正雄・他)
新連載 知っていてほしい義肢装具とその実際
1.治療用装具と補装具の違い(樫本 修)
連載
巻頭カラー デザインが拓くリハビリテーションの未来
7.体内植え込み型治療機器 髄腔内薬剤投与ポンプシステム:ITB療法(根本明宜)
ニューカマー リハ科専門医
(高嶋俊治)
知っておきたい神経科学のキィワード
21.脳機能結合(新藤恵一郎)
認知症の基礎知識とリハビリテーション
5.認知症を合併した身体障害に対するリハビリテーション治療(田中尚文)
リハビリテーション医療における安全管理の一工夫
II.回復期リハビリテーション病院における安全管理:3.急変に備える院内体制と院外連携(加世田ゆみ子)
リハビリテーション診療におけるEvidence-Based Practice
7.Evidence-Based Practiceとシステマティックレビュー(杉田 翔 藤本修平)
地域リハビリテーションの現状と今後
2.都道府県支援センターにおける地域リハビリテーション(岩手県)(佐藤義朝 大井清文)
リハビリテーション医学・医療の歴史秘話“あの時なにが?”
11.日本リハビリテーション栄養学会(藤原 大)
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書籍情報
- ISBN:9784006203212
- ページ数:100頁
- 書籍発行日:2023年11月
- 電子版発売日:2023年11月2日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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