別冊「医学のあゆみ」再生医療はどこまで進んだか

  • ページ数 : 144頁
  • 書籍発行日 : 2021年5月
  • 電子版発売日 : 2022年11月23日
4,950
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商品情報

内容

再生医療の現在地と未来がここに!

●がんや糖尿病など,各分野における再生医療と創薬の動向を解説!
●オルガノイドをはじめ,今後臨床応用が期待される技術も紹介.
●現時点での再生医学・医療のスタンダードとして,また後世の知見との比較対象としても役立つ内容.

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序文

はじめに


2007年,京都大学・山中らによるヒトiPS細胞(人工多能性幹細胞)の樹立を契機として,再生医療の開発研究が著しく加速され,2014年秋には世界初のiPS細胞を用いた臨床試験である網膜細胞シート移植が本邦において開始された.

この再生医療の節目の時期に合わせて,2014~2015年に本誌にて「iPS細胞研究最前線―疾患モデルから臓器再生まで」が連載されたが,その後約5年が経過した.その間にもiPS細胞を用いた再生医学研究は進捗を続け,2020年3月末の時点で,網膜疾患に加え,パーキンソン病,角膜上皮幹細胞疲弊症,重症心不全などの難治性疾患に対するiPS細胞由来細胞種の患者への移植が開始され,今後数年内に他の複数の疾患に対する細胞療法の臨床試験も開始予定である.また,細胞療法に加え,疾患特異的iPS細胞を用いた疾患モデル作製と創薬研究によって多くの治療薬候補化合物が同定され,神経・感覚器や骨軟骨疾患において同定化合物を用いた治験も進行中である.

本書「再生医療はどこまで進んだか」においては,iPS細胞に加えて体性幹細胞も含め,すでに臨床試験開始または開始間近の細胞療法と疾患モデル作製研究で見出された薬剤の治験を進行中の研究者を中心に玉稿を執筆いただいた.また近年,世界的に開発研究が進められている他家移植による再生医療において,免疫拒絶反応のリスクを低減する低抗原性iPS細胞株の樹立研究と,今後より高次な再生医療や疾患モデル作製を可能とするオルガノイド,organ-on-a-chip,胚盤胞補完法などのiPS細胞由来の機能的な組織・臓器の作製に向けた研究領域をリードする研究者にも執筆をお願いした.2020~2021年時点の再生医学研究のスタンダードとして,また後世の知見との比較対象としても役立つことを期待したい.読者の皆様の再生医療の知識の整理のために,活用していただければ幸甚である.


長船健二
京都大学iPS 細胞研究所増殖分化機構研究部門

目次

はじめに(長船健二)

体性幹細胞・体細胞を用いた細胞療法開発と臨床試験

1.再生医療が切り開く炎症性腸疾患治療の新時代─炎症性腸疾患に対する腸幹細胞移植の開発と展望(高橋純一・岡本隆一・渡辺 守)

KeyWord オルガノイド,炎症性腸疾患,粘膜治癒,腸幹細胞移植

2.水疱性角膜症に対する培養ヒト角膜内皮細胞注入療法(上野盛夫・木下 茂)

KeyWord 培養ヒト角膜内皮細胞,水疱性角膜症,細胞注入,Rhoキナーゼ阻害薬

3.間葉系幹細胞投与による肝線維化改善,再生誘導効果─基礎研究成果の臨床応用(寺井崇二・土屋淳紀)

KeyWord 肝硬変,間葉系幹細胞,エクソソーム,マクロファージ,再生,線維化

iPS/ES細胞を用いた細胞療法開発と臨床試験

4.iPS細胞を用いた網膜疾患に対する再生医療(杉田 直)

KeyWord 眼科再生医療,iPS細胞,網膜色素上皮細胞(RPE),移植

5.iPS細胞を用いたパーキンソン病に対する再生医療(森実飛鳥・髙橋 淳)

KeyWord 細胞移植,iPS細胞,パーキンソン病,ドパミン神経

6.iPS細胞を用いた脊髄損傷に対する再生医療(鎌田泰裕・名越慈人・中村雅也)

KeyWord 脊髄損傷,iPS細胞,細胞移植,臨床応用

7.iPS細胞技術を用いた輸血治療の展望(藤尾康祐・江藤浩之)

KeyWord iPS細胞,赤血球,血小板,HLAクラスI,臨床応用

8.同種iPS細胞由来軟骨を用いた関節軟骨損傷に対する再生医療(妻木範行)

KeyWord 関節軟骨,細胞外マトリックス(ECM),iPS細胞,同種移植

9.iPS細胞を用いた心疾患に対する再生医療(澤 芳樹)

KeyWord 心筋再生治療,iPS細胞由来心筋細胞シート,大量培養法,安全性確保

10.iPS細胞を用いた角膜疾患に対する再生医療(相馬剛至・西田幸二)

KeyWord iPS細胞,角膜上皮幹細胞疲弊症,再生医療

11.iPS細胞を用いたがんに対する免疫療法(金子 新)

KeyWord CAR-T細胞,CAR-NK細胞,TCR遺伝子

12.ES細胞を用いた先天性代謝異常症に対する再生医療(梅澤明弘)

KeyWord ヒトES細胞,肝細胞移植,尿素サイクル異常症,高アンモニア血症,橋渡し的治療

13.iPS細胞を用いた腎疾患と糖尿病に対する再生医療の開発(畑野 悠・木村 東・長船健二)

KeyWord iPS細胞,慢性腎臓病,糖尿病,細胞療法,臓器再構築

疾患特異的iPS細胞を用いた創薬と臨床試験

14.疾患特異的iPS細胞を用いた骨格系統疾患の病態解明から創薬へ(戸口田淳也)

KeyWord 骨格系統疾患,分化誘導,病態再現,創薬

15.内耳性難聴に対するiPS細胞創薬(藤岡正人)

KeyWord 内耳性難聴,iPS細胞創薬,推定最小有効濃度

16.神経変性疾患に対するiPS創薬と臨床試験(坂野晴彦・奥宮太郎・井上治久)

KeyWord 神経変性疾患,疾患特異的iPS細胞,創薬,臨床試験

今後の応用が期待される技術開発

17.iPS細胞臨床応用をめざしたゲノム編集による低抗原性iPS細胞の作製(徐 淮耕・堀田秋津)

KeyWord CRISPR-Cas9,HLA,iPS細胞,移植,免疫拒絶,ゲノム編集

18.臨床応用をめざすヒューマンオルガノイド研究(髙山真秀・米山鷹介・武部貴則)

KeyWord オルガノイド,NAFLD/NASH,がんオルガノイド(tumoroid),精密医療(precision-medicine)

19.マイクロ生体機能模倣システム(MPS)を用いた創薬研究の現状と展望(横川隆司)

KeyWord マイクロ生体機能模倣システム(MPS),Organ-on-a-Chip,微小流体デバイス,マイクロ・ナノ加工技術,ヒトiPS細胞

20.異種動物を用いた三次元臓器の作出(山口智之)

KeyWord 多能性幹細胞,異種間キメラ,胚盤胞補完法

サイドメモ

角膜内皮細胞の評価法

LogMAR視力

PDに対する胎児中脳由来細胞移植

ヒトES細胞

マイナー抗原

NK細胞の免疫応答

さまざまな免疫抑制機構と抑制遺伝子

Organ-on-a-ChipとMPS

3Rの原則

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書籍情報

  • ISBN:9784006528532
  • ページ数:144頁
  • 書籍発行日:2021年5月
  • 電子版発売日:2022年11月23日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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