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- 看護のための放射線学 放射線生物学・医科学から放射線看護まで
商品情報
内容
●放射線医学の発展や原子力災害を背景に,放射線への正しい理解が看護職にもいっそう求められる中で,必要な知識を網羅した最新テキストです.
●第1章~第4章では,放射線の基礎知識から,細胞レベルの作用,各臓器への健康影響まで,基礎となる内容を噛み砕いて説明しています.
●第5章~第8章では,放射線防護の法令や原則とリスクコミュニケーション,診断・治療のそれぞれから見た放射線の医学利用,原子力災害まで,臨床的な内容を扱っています.ここでは章の前後半を知識編・看護編に設定し,特に看護職の役割が大きい核医学検査や小線源治療,内用療法などについては,治療の流れから患者説明の留意点まで,実際の看護を明らかにしています.
●理解を助けるコラムを随所に盛り込んだほか,章の冒頭には到達目標を明示し,末尾には要約内容を列挙した「本章のまとめ」を付すなど,教えやすく学びやすい内容を指向しました.
序文
推薦の言葉
「看護に求められる放射線のすべてがわかる本書」は,宇宙から届く放射線や大地に含まれる放射線環境の中で暮らす人に言及しながら,医療の領域で放射線がどのように用いられ,どんな影響を人に及ぼすのかといった放射線に関する知識が,丁寧にわかりやすく解説された「放射線看護の教科書」です.
特筆すべきは,本書が放射線の専門家と看護専門職者によって執筆されており,看護理論で一般的な4つの概念である〔人,環境,健康,看護(目的・役割・機能)〕に関する放射線の知識が随所にちりばめられているという点です.臨床の場で問いかけられた患者さんやご家族からの放射線に関する疑問,あるいは地域で暮らすなかで沸き起こった自然放射線に関する疑問等,これらに本書は多くのヒントや回答を与えてくれることでしょう.「こんなに何度もCTやMRIを撮って大丈夫でしょうか?」という不安の声に,「大丈夫ですよ」と微笑むだけでは当事者の不安は軽減しません.「大丈夫」の一言で片付けないで,専門職として確かな看護を提供することができるように,本書で「放射線リテラシー(知識や能力を活用する力)」を身につけましょう.そして,本書で学んだ知識をチーム医療のなかで活かし,放射線に関する確かな看護実践につなげましょう.
2022年には日本看護協会の専門看護分野に「放射線看護」が特定され,同年12月には3名の放射線看護専門看護師が登場して活躍しています.放射線による人体への影響や心理社会的な特性をふまえての看護は,社会のニーズに応じて,今後も求められていく分野だと考えられているのです.
最後に,本書には各章に若干の重複が存在しています.この重複は,必ずしも第1章から読み進めなくても,読者が関心を寄せる章から読んでも内容が理解できるように配慮された必要な重複であり,まさにキーポイント部分となっています.したがって,医療者だけでなく,放射線治療を受けるご本人やご家族が,読みたい章を選んで読むという活用法もあわせもっているといえます.
年々増え続ける画像診断や放射線治療は侵襲性を伴う医療行為であり,その行為を受ける人・実践する人,双方の安全を守りながらQOL(生活の質)の維持・向上を目指すうえで,今読んでおきたい「看護に役立つ推しの1冊」です.
2023年7月
富山県立大学名誉教授・前看護学部長 竹内登美子
編集にあたって
このたび,医歯薬出版より「看護のための放射線学─放射線生物学・医科学から放射線看護まで─」を発刊できましたこと,大変うれしく存じます.
従来,医学部医学科での放射線教育は長く行ってきましたが,看護学科での放射線教育の経験は少なく,富山大学で学部および大学院教育で1コマを実施してきました.そのような折,2019年富山県立大学に看護学部が設置されることになり,その際,放射線教育も必須となり,当時の竹内登美子看護学部長から講義依頼がありました.医学教育でも放射線教育の基準をどうするかが全国レベルで話し合われていた時期でもあり,ここでの議論をもとに8回の講義を組み立てました.2年ほどの講義を経て講義内容をなんとか冊子にできないかと思ったとき,竹内先生から医歯薬出版を紹介いただき,本出版に道が開けた次第です.ご多忙のなか,執筆いただいた先生方および出版の労を取っていただいた医歯薬出版の浦谷様に心より感謝申し上げます.
東日本大震災に続く国民を震撼させた原子力発電所の事故以来,放射線の安全性について国民の関心は大いに高まりました.一方で,医療において放射線は診断上の必須の手段となり,また,がん治療においてもその利用が急速に増えております.実際,日本の年間の医療被ばく線量は自然からの被ばく線量を上回り,世界一であります.この医療の最前線にいて,患者さんに直接,また長く接する医療者である看護職の方々が放射線に関する知識を身につけることは,言うまでもなく重要なことです.患者さんから相談されたときに適切に受け答えできること,また,自身の身を守るためにも放射線を知り,放射線防護を理解しておくことはまさに時代の要求と思われます.
本書の特徴として,前半第1章~第4章は放射線の基礎科学と生物学,いわゆる放射線のサイエンスに関する内容であるのに対し,後半第5章~第8章は応用編で,各章が医学関係者と看護関係者の分担執筆となっております.本書の内容が看護の臨床にどう活かせるかに注力し,同じ章のテーマについて,看護学の専門家からも執筆いただきました.このような試みは世界的にもユニークなものと思われます.
本書の内容が将来の看護師を目指す学生諸氏およびすでに臨床現場で活躍されている看護職の方にとって,放射線に関する理解が深まる一助になれば望外の喜びです.
2023年7月
近藤 隆
目次
第1章 放射線概論:看護への活用指針
第2章 放射線の基礎
第3章 放射線の生物影響
第4章 放射線の人体・健康への影響
第5章A 放射線の防護─知識編
第5章B 放射線の防護─看護職の役割
第6章A 放射線の医学利用(診断・核医学)─知識編
第6章B 放射線の医学利用(診断・核医学)─看護職の役割
第7章A 放射線の医学利用(治療・内用療法)─知識編
第7章B 放射線の医学利用(治療・内用療法)─看護職の役割
第8章A 原子力災害,被ばく医療,医療被ばく─知識編
第8章B 原子力災害,被ばく医療,医療被ばく─看護職の役割
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書籍情報
- ISBN:9784263237731
- ページ数:164頁
- 書籍発行日:2023年9月
- 電子版発売日:2023年9月19日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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