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- わかる!身につく! 病原体・感染・免疫 改訂3版
商品情報
内容
イラストが豊富で,楽しみながら読み進めることができるやさしい教科書.各病原体の特徴とその感染機構を理解しやすいよう工夫している.また,話題となっている感染症等の新しい情報の提供にも力を入れている.「臨床現場」を意識した記述となっており,将来医療従事者を目指す方にぜひお勧めしたい.
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序文
序文
初版を発行してから10年目に改訂3版の出版となった.病原体・感染症とその対策に関する知識・技術およびその教育の重要性は,10年前といささかも変わらず,むしろ,より一層高まったと感じる.
本書は,医療系の学生が病原体・感染・免疫について自ら学べる教材として企画し,単なる言葉の丸暗記ではなく,基本的な概念を具体的なイメージでつかんで臨床現場で活かせるように様々に工夫した.この方針は,幸いにも,医療系の学生はもとより,他分野の学生,医療従事者や一般の方にも幅広く共感・支持をいただき,多くの方々に教科書や参考書として活用していただくことが出来ている.私たちにとってこの上ない喜びであるとともに,その責任の重さを痛感している.
もう一つ,読者に賛同いただいている本書の方針が,病原体・感染症とその対策に関して,最新の状況を内容に反映させることである.新たな感染症の出現,薬剤耐性菌の出現と蔓延,多剤耐性菌による院内感染など,社会における感染症の実情は刻一刻と変化し,検査や治療および予防対策も日々更新されている.現状に即した内容を出来るだけ早く読者に届けるために,初版から改訂3版にいたる間,各改訂時だけでなく,増刷のたびにも,新しい病原体や治療薬の追加,疾患の流行状況やワクチン接種スケジュールおよび各図表の統計データの更新など,多岐にわたる内容の追加や修正をこまめに行い,全体の内容を最新のものにしてきた.今回の改訂でも,本文や図表の内容で現状に合わないものを修正した.また,口絵では,既存の写真の一部をより良いものに差し替えるとともに,感染症サーベイランスの項目を追加した.季節性や流行パターンなど,疫学は感染症を理解するうえで大変重要である.ぜひ,活用して理解を深める一助としてほしい.
これまでの改訂および増刷時の追加・修正に際しては,読者からお寄せいただいたご意見・ご指摘が大変参考になった.この場を借りて心より御礼申しあげる.今後も忌憚のないご意見・ご批判を受けることにより,不十分な点をより良いものに改めたいと考えている.最後に,今回の改訂においても南山堂の関係者諸氏には大変お世話になった.ここに深謝する.
2017年2月
著者を代表して 藤本秀士
目次
第1章 ヒトと感染症
1 感染症とは
A.人間の社会生活と感染症
B.学習の目的と目標
2 ヒトと感染症の歴史
A.感染症の原因をめぐって
B.感染症の予防と治療,検査・診断のあゆみ
第2章 感染・感染症の機構と種類
1 感染の機構(しくみ)─感染はどうやって起こるのか─
A.病原体の種類と生物学上の位置
B.感染(症)の成立と経過
C.感染(症)発生の三大要因
2 感染症の種類
A.感染症と伝染病
B.感染症の流行
C.感染症の病名と分類
3 感染症の現状
A.新興・再興感染症
B.輸入感染症
C.人獣共通感染症
D.病院内感染(院内感染)
E.食中毒・食品媒介感染症
F.性感染症(性行為感染症)
4 感染症の検査・診断・治療の概要
A.感染症の検査・診断
B.感染症の治療
第3章 免疫と生体防御機構
1 免疫・生体防御の機構
A.免疫とその種類
B.自然免疫と生体防御
C.獲得免疫と生体防御
D.感染防御免疫と腫瘍免疫
2 医療における免疫の利用
A.予防接種,免疫血清・免疫グロブリン療法
B.血清反応と臨床検査
3 移植・輸血と免疫
A.移植と免疫
B.輸血と免疫
4 免疫病(免疫異常)
A.アレルギー
B.自己免疫疾患
C.免疫不全
第4章 感染症の予防と感染制御対策・技術
1 感染(症)予防の考えかた
A.感染源対策
B.感染経路対策
C.宿主の感受性対策
D.個人の取り組みと衛生教育
2 滅菌と消毒
A.滅菌と消毒の区別
B.滅菌法
C.消毒法
D.医療現場における滅菌・消毒の実際
3 予防接種
A.ワクチンの種類
B.ワクチンの実施
C.予防接種スケジュール
4 院内感染予防対策
A.院内感染
B.標準予防策と感染経路別予防策
C.医療従事者の感染予防
D.医療行為と感染
E.医療廃棄物対策
F.病院全体での院内感染対策
5 法律による感染症対策
A.「感染症法」による対策
B.その他の法律による対策
6 感染症の疫学と監視体制
A.感染症の疫学(感染疫学)
B.感染症発生動向調査(感染症サーベイランス)
第5章 細菌感染症
1 細菌の形態・構造と分類
A.細菌の形態
B.細菌の染色性
C.細菌の構造
D.細菌の化学的組成
E.細菌の分類・命名
2 細菌の生活現象
A.栄養と代謝
B.発育・増殖と環境の影響
3 細菌の遺伝と変異
A.細菌の遺伝
B.細菌の変異
4 細菌の病原性
A.細菌と宿主とのかかわり
B.細菌感染と疾病の成り立ち
C.細菌感染に対する生体防御・免疫応答
D.細菌感染の経過
5 細菌感染症の検査・診断
A.感染・排泄部位からの検体検査
B.細菌感染症の血清診断法
6 細菌感染症の治療と予防
A.化学療法(抗菌薬療法)の概念とあゆみ
B.化学療法の原理
C.主な抗菌薬
D.薬剤耐性
E.薬剤感受性試験
F.細菌感染症と化学療法の実際
G.細菌感染症の予防
7 主な病原細菌と疾患
A.グラム陽性通性嫌気性球菌
B.グラム陰性好気性球菌
C.グラム陰性通性嫌気性桿菌
D.グラム陰性好気性桿菌
E.グラム陽性有芽胞好気性および通性嫌気性桿菌
F.グラム陽性無芽胞桿菌
G.抗酸菌
H.アクチノマイセス属・ノカルジア属
I.グラム陰性微好気性らせん菌
J.偏性嫌気性菌
K.スピロヘータ
L.マイコプラズマ
M.リケッチア
N.クラミジア
第6章 ウイルス感染症
1 ウイルスの形態・構造と分類
A.ウイルスの形態と構造
B.ウイルスの分類
2 ウイルスの感染と増殖
A.ウイルスの増殖(部品ごとの大量複製)
B.ウイルスの遺伝と変異
3 ウイルスの病原性
A.ウイルスと宿主とのかかわり
B.ウイルスと感染臓器とのかかわり
C.ウイルス感染細胞の変化
D.ウイルスと発癌
E.ウイルス感染と発病の成り立ち
F.ウイルス感染に対する生体防御・免疫応答
G.ウイルス感染の経過
H.宿主間のウイルスの広がり(ウイルスの伝播様式)
4 ウイルス感染症の検査・診断
A.感染・排泄部位からの検体検査
B.ウイルス感染症の血清診断法
5 ウイルス感染症の治療と予防
A.ウイルス感染症の治療
B.ウイルス感染症の予防
6 主な病原ウイルスと疾患
A.DNAウイルス
B.RNAウイルス
付.プリオンとプリオン病
第7章 真菌感染症
1 真菌の形態と構造
A.真菌細胞の基本構造
B.真菌三要素
C.二形性と二形性真菌
D.真菌の抵抗性
2 真菌の生活現象と分類
A.栄養と増殖
B.有性世代と無性世代
C.真菌の分類
3 真菌の病原性
A.真菌(感染)症
B.真菌アレルギー症
C.真菌中毒症(マイコトキシン症)
4 真菌感染症の検査・診断
A.患者検体からの病原真菌検査
B.深在性真菌症に対する免疫学的検査法
5 真菌感染症の治療
A.真菌感染症の化学療法
B.主な抗真菌薬
6 主な病原真菌と疾患
A.深在性(内臓)真菌症を起こす主な真菌
B.深部皮膚真菌症を起こす主な真菌
C.表在性皮膚真菌症を起こす主な真菌
第8章 寄生虫感染症および衛生動物
1 寄生虫とは
A.寄生虫の分類
B.寄生虫症
C.宿主との関係
D.寄生部位
E.侵入方法
F.寄生虫の生殖
G.寄生虫の発育
H.寄生虫感染と免疫
2 線虫類
A.形態と構造
B.消化管に寄生する線虫
C.血液・組織に寄生する線虫
D.幼虫が感染する線虫
E.蠕虫類の検査と診断
3 吸虫類
A.形態と構造
B.消化管に寄生する吸虫
C.肝臓に寄生する吸虫
D.肺に寄生する吸虫
E.血管に寄生する吸虫
F.検査と診断
4 条虫類
A.形態と構造
B.消化管に寄生する条虫
C.幼虫が感染する条虫
D.検査と診断
5 原虫類
A.形態と構造
B.消化管に寄生する原虫
C.泌尿器に寄生する原虫
D.血液・組織に寄生する原虫
E.食中毒を起こす原虫
F.検査と診断
6 衛生動物
A.形態と構造
B.シラミ
C.ノ ミ
D.ダ ニ
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書籍情報
- ISBN:9784525162337
- ページ数:394頁
- 書籍発行日:2017年3月
- 電子版発売日:2023年2月15日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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