入門 傷寒論

  • ページ数 : 266頁
  • 電子版発売日 : 2011年3月3日
3,300
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商品情報

内容

漢方医学の原典である「傷寒論」に関心がある方々の最適な入門書「入門 傷寒論」が電子書籍になりました。

序文

内科医として研修を終了後,多忙な勤務医の生活を過ごすなかで,多くの難病の患者さんの診療を行ってきました.毎日,患者さんと向き合い,何とか現状を少しでも打開したい,良い診療をしたいと考えていました.そのようななかで,偶然に大学の図書館で『漢方診療三十年』(大塚敬節著,創元社)を手に取り,読み進めていくにつれて,自分の求めているものに出会ったという感動を覚えました.

独学で漢方の勉強を始めて,漢方薬を一部用いてみましたが,思うような効果は得られませんでした.漢方という伝統的な医術を学ぶには基礎から師匠に習うのが早道であると悟り,大塚敬節門下の寺師睦宗先生の門を叩きました.その後,山田光胤先生の医術を学ぶ機会を得,縁あって丁宗鐵先生の御好意によって大学において漢方を研究する機会を与えていただきました.そのようななかで,私自身漢方を学ぶ過程で,『傷寒論』をいかに学び応用するかが,常に重要な課題でありました.

『傷寒論』は漢方医学の原典であり,漢方医学を学ぶためには,必ず読破しなければならない基本中の基本文献です.『傷寒論』には,急性熱性疾患の発症から治癒または死亡までの過程について,診断と治療に関して詳細に記載されています.そして『傷寒論』の内容は急性熱性疾患だけでなく,様々な慢性疾患に対しても応用されています.医師が現代医学上の病気を治療する場合,必ず基礎医学の知識と臨床医学の知識の上に立って治療を行うわけですが,漢方医学においても同じ構造です.『傷寒論』という基礎と臨床を包含した漢方医学の原則に基づいて的確な漢方の治療が行われるのです.

本書は,『傷寒論』を学ぶための初学者向けの解説書です.『傷寒論』の原文と実際の臨床の間の橋渡しをすることを目的として,私の経験を基にして本書を著しました.『傷寒論』は,実際の臨床との関連のなかで読むことにより理解が深まると考えます.私自身『傷寒論』を書斎において,姿勢を正して学習したことは,多くは頭には残りません.しかし,患者さんの枕元で迷い悩み苦しんで,身を以て読んだ条文は忘れることはできません.

本書は大部の書物ではありません.小さくてわかりやすく電車の中でも片手で読める本というイメージで著しました.本書が,漢方医学を学ぶ方の少しでもお役に立てば幸いです.

本書の底本は,森立之著『傷寒論攷注』(中国,学苑出版社),『翻刻宋版傷寒論』(自然と科学社),『傷寒雑病論』(日本漢方協会学術部編,東洋学術出版社)です.その他,木村博昭著『傷寒論講義』,大塚敬節著『傷寒論解説』,藤平健著『傷寒論演習』,奥田謙三著『傷寒論講義』,多紀元簡著『傷寒論輯義』,呉謙著『医宗金鑑』等,多くの先輩諸先生方の『傷寒論』の解説書を参考にしました.


2007年 5月

泥亀書屋にて
森 由雄

目次

総 説 傷寒論についての簡単な解説

第1章 太陽病の脈証ならびに治を弁ずる〈上〉(第1~30条)

第2章 太陽病の脈証ならびに治を弁ずる〈中〉(第31~127条)

第3章 太陽病の脈証ならびに治を弁ずる〈下〉(第128~178条)

第4章 陽明病の脈証ならびに治を弁ずる(第179~262条)

第5章 少陽病の脈証ならびに治を弁ずる(第263~272条)

第6章 太陰病の脈証ならびに治を弁ずる(第273~280条)

第7章 少陰病の脈証ならびに治を弁ずる(第281~325条)

第8章 厥陰病の脈証ならびに治を弁ずる(第326~381条)

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書籍情報

  • ISBN:9784525472016
  • ページ数:266頁
  • 電子版発売日:2011年3月3日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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