入門 金匱要略

  • ページ数 : 201頁
  • 電子版発売日 : 2011年5月31日
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商品情報

内容

漢方の原典である「金匱要略」を学ぶための初心者向け解説書「入門 金匱要略」が電子書籍になりました。

序文

本書は,『金匱要略』を学ぶための初心者向けの解説書です.『金匱要略』の中で薬方と適応症状の記載のそろった条文のみを解説し,それ以外の薬方のない条文などは思い切って削除しました.薬方のある条文が『金匱要略』の中で主要で重要な部分であるからです.また,初めて『金匱要略』に触れる学習者が,難解な条文の樹海の中で迷子になり,学習を断念することを恐れるためです.

『金匱要略』は『傷寒論』とともに漢方の2大原典です.『金匱要略』と『傷寒論』は,もとは1つの本(『傷寒雑病論』)であったものが,歴史の経過の中で,2つの本に分かれ,『傷寒論』は急性熱病の診断と治療が書かれており,『金匱要略』は,雑病(内科,婦人病など)に関して記載されています.

『金匱要略』は,錯簡が多く,処方や条文の脱落がしばしばみられます.しかし,薬方は,神のごとくの効果を示すものがあり,薬方と適応症の条文がそろったものは,大変な価値があることが古より知られていました.

漢方を志して約20年が経ちますが,実際の診療の中で『金匱要略』の薬方を1つひとつ学習する毎に,漢方医としての階段を昇ってきたように思います.例えば,桂枝茯苓丸や当帰芍薬散などを学習して婦人病の治療ができるようになり,また,桂枝加黄耆湯を会得してアトピー性皮膚炎や湿疹の治療の戦略を組み立てることができるようになり,続命湯を学んで,糖尿病や脳卒中の漢方治療の方針が立つようになりました.『金匱要略』の薬方は,漢方医に多くの有力な武器を授けてくれます.本書が,漢方医学を学ぶ方の少しでもお役に立てば幸いです.また,本書を読まれた方は,早く本書を卒業して『金匱要略の研究』(大塚敬節著),『金匱要略講話』(大塚敬節著)などへ進まれることを希望します.

本書の底本は,多紀元簡著『金匱要略輯義』(名著出版社),森 立之著『金匱要略攷注』(『傷寒論攷注』下冊に付録としてある.中国,学苑出版社),日本漢方協会学術部編『傷寒雑病論』(東洋学術出版社,)です.その他,寺師睦宗著『臨床八十方金匱要略』(泰生堂),大塚敬節著『金匱要略の研究』(谷口書店),大塚敬節著『金匱要略講話』(創元社),呉 謙著『医宗金鑑』(中国,人民衛生出版社)など,多くの金匱要略の解説書を参考にしました.

最後に,漢方への道を温かく導いて下さいました山田光胤先生,寺師睦宗先生,丁 宗鐵先生に深く感謝申し上げます.


2010年 1月 泥亀書屋にて
森 由雄

目次

総 説 金匱要略についての簡単な解説

第1章 けい湿えつ病の脈と証

第2章 百合,狐惑,陰陽毒病の脈証并びに治

第3章 瘧病の脈証并びに治

第4章 中風,歴節病の脈証并びに治

第5章 血痺,虚労病の脈証并びに治

第6章 肺痿,肺癰,がい嗽上気病の脈証と治

第7章 奔豚気病の脈証と治

第8章 胸痺,心痛,短気病の脈証と治

第9章 腹満,寒疝,宿食病の脈証と治

第10章 五臓の風寒,積聚病の脈証并びに治

第11章 痰飲,がい嗽病の脈証并びに治

第12章 消渇,小便利,淋病の脈証并びに治

第13章 水気病の脈証并びに治

第14章 黄疸病の脈証并びに治

第15章 驚悸,吐衄下血,胸満,お血病の脈証と治

第16章 嘔吐,えつ,下利病の脈証と治

第17章 瘡癰,腸癰,浸淫病の脈証并びに治

第18章 趺蹶,手指臂腫,転筋,陰狐疝,かい虫病の脈証と治

第19章 婦人,妊娠病の脈証并びに治

第20章 婦人産後病の脈証と治

第21章 婦人雑病の脈証并びに治

第22章 雑療方

第23章 禽獣魚蟲禁忌并びに治

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書籍情報

  • ISBN:9784525472115
  • ページ数:201頁
  • 電子版発売日:2011年5月31日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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