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- 長澤先生、腎臓って結局どう診ればいいですか?~適切な判断のための診療センスが身につき、食事・薬物療法からコンサルトまで自信をもってできるようになる
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内容
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序文
推薦の言葉
医学研究の用語で,トランスレーショナルメディシン,というものがあります.基礎研究の成果を実臨床での患者治療に実効的につなげるための研究領域のことですが,本書を拝読しながら,ふとそのような用語が頭をよぎりました.
腎臓病学に関連する成書には,腎生理学など基礎医学領域のものから臨床内科学系の教科書,さらには腎臓病学専門書など,古典とよばれる名書が数多くあります.これらは医学生から研修医,一般診療医,専門医とそれぞれの段階で必ず手にとり,インターネット全盛の現代においても医学知識を振り返るうえで最も重要な拠り所となるものです.しかしながら,これらの知識を目の前の患者さんに実践するノウハウについては,なかなか触れられる機会がありませんでした.あるいはこう言い換えてもよいかもしれません.患者さんへの還元を前提として医学知識を整理するような試みは,どちらかと言えば限定的でした.こういった,エビデンスとクリニカルプラクティスのギャップに上手く問いかけてくれるのが本書の最大の特徴かと思います.
このようにご紹介してみると,対象読者層は主に初期研修医から内科専攻医,一般診療医の先生方が中心かと思われましたが,本書はそこに留まりません.所々に腎臓病学のマイルストーンとなった発見や研究成果,さらには医療政策・法制上の重要な背景知識に関する記載なども散りばめられており,腎臓専門医にとっても勉強になり,十分以上に楽しめる内容になっています.私自身も,インドのヒンドゥー教の医師が紀元前4000 年前に尿タンパクを見つけたという話(「6.尿タンパクの捉え方」より)など,全くもって知る由もありませんでした.
本書を手にとられるすべての先生方に腎臓病学を楽しんでいただけることを,そして何らかの形で明日の日常診療のお役に立てていただけることを,心より願っています.
2022年 夏
東北大学病院 腎・高血圧・内分泌科 教授 田中哲洋
はじめに
東北大学の腎臓内科の長澤将(たすく)です.今回は羊土社より「長澤先生、腎臓って結局どう診ればいいですか?」を上梓できたことを嬉しく思います.思い返せば2017 年の腎臓学会東部会の際に羊土社の鈴木美奈子様に書籍「誰も教えてくれなかった血液透析の進めかた教えます」の依頼を受けたのが私の執筆活動のスタートでした.そこがキッカケとなり,その後何冊かの本を出せております.
さて,今回は腎臓内科的な部分を中心に解説しております.最近ではどの分野もガイドラインなどが出ており知識のアップデートは容易になりました.ガイドラインとはこれまでの経験をもとに研究が行われたものの集大成であり,重要なものですが,その重要度を臨床研究の大きな流れの中での最新の知見という捉え方をするとよりよく使えると思います.忘れがちな部分ですが,これまでの知見に基づく診療を十分に行ったうえで最新の治療を上乗せして行うことが大事です.
また,日常臨床においては「新薬が腎臓にいい!」という見出し記事だけで薬を使うわけにはいかないので,どのような患者にどのようなタイミングで使うか,またそのときに気を付ける部分はどんなことか?を意識して解説しました.さらに日常臨床で私が先輩方から受け継いで発展させたコツなども入れております.
各章の枕として,腎臓病学の発展の歴史をいれております,このような先人たちの観察と努力のうえに診療が成り立っているんだなぁと感謝していただいてもよいですし,単なる読みものとして楽しんでいただければとも思います.
今回担当していただいた編集部の大家有紀子様(ONE PIECE が好きという話で盛り上がりました),同じく編集部の中島由介様(このキャッチーな書名を考えていただき,すごくたいへんな校正をしていただきました),素敵な表紙をデザインしていただいた株式会社tobufune 阿部早紀子様に感謝を申し上げます.
特に腎臓病の初学者の方においては日常臨床でよく使う場所に本書を置いてご活用いただき,本書をベースにしてさらに発展させていってほしいと考えております.ぜひ7 回ほど読んでいただければと思います.
2022年 夏
東北大学病院 腎・高血圧・内分泌科
長澤 将
目次
・推薦の言葉[田中哲洋]
・はじめに[長澤 将]
§1 高血圧と腎臓
降圧の目標/薬物治療の実際/血圧の下限/ SGLT2 阻害薬の登場
§2 高カリウム血症のマネージメント
本当にRAA系が必要な患者か考えよう/偽物の高カリウム血症に注意/緊急でのマネージメント/慢性期のKのマネージメント
§3 最近の減塩
塩と血圧の関係/減塩の第一歩は血圧測定から/減塩がうまくいっているかをどうチェックする?/代替塩をどう捉えるか?/飲水励行をどう捉えるか?
§4 CKDの食事指導
「腎臓病といえば低たんぱく食」の考えは古い/カリウム摂取の考え方/リンについてはどうする?
§5 血糖と腎臓
糖尿病の歴史/糖尿病治療の目標は?/具体的な治療/SGLT2阻害薬かGLP-1受容体作動薬か?
§6 尿タンパクの捉え方
検尿の重要性/原疾患を意識しよう
§7 腎性貧血の治療
腎性貧血治療の歴史的背景/腎性貧血の診断/治療の実際/貧血がよくならないときにどうするか?
§8 尿酸と腎臓
何のために尿酸を下げるか?/重み付けをして診療をしよう/具体的な処方は?/抗酸化作用は?
§9 造影剤腎症
実際のリスク管理/本当はどのくらいの頻度で造影剤腎症が起こるか?
§10 薬剤性腎障害
薬剤性腎障害の歴史的経緯/日常臨床上注意する薬
§11 急性腎障害
AKIからCKDになることが問題/AKIは防ぎえるか?/AKIの診断基準/RRTのタイミング/RRTからの離脱への道筋/バイオマーカーや治療法はあるか?
§12 急速進行性糸球体腎炎の捉え方
日常臨床に潜むRPGN/RPGNの疫学/治療について/治療強度はどうするか?/抗GBM糸球体腎炎はどうする?/診断は大丈夫?
§13 IgA腎症
本邦におけるIgA腎症の疫学/非専門医がIgA腎症発見のためにするべきこと/IgA腎症の治療の歴史
§14 ネフローゼ症候群
ネフローゼ症候群の診断/ネフローゼ症候群の疫学/ネフローゼ症候群の診療に腎生検は必要か?/治療について/再発についてどうするか?
§15 常染色体優性多発性囊胞腎
疾患概念/ADPKDの合併症/ADPKDの診断/遺伝子検査まで必要?/トルバプタンの実際の使用/囊胞感染のときにどうするか?/ ADPKDにまつわるQ&A
§16 腎生検について
診断面から考える腎生検の重要性/腎生検の方針/出血量と合併症に関係はあるか?/実臨床に落とし込むには
§17 ベストな血液透析導入のタイミング
どのような患者が透析導入になるか?/何をもってよい血液透析導入とするか?/いきなり週3回の透析がベストか?
・索引
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書籍情報
- ISBN:9784758123945
- ページ数:213頁
- 書籍発行日:2022年9月
- 電子版発売日:2022年9月15日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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