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- あらゆる場面で使える 救急・ICUナースのための家族ケア
商品情報
内容
救急・ICUという特殊な環境下での家族への対応は悩ましく、難しい。生命の危機を前に短時間で意思決定が求められるなど、ナースには、さまざまな状況や場面に応じた適切な対応や振る舞いが求められる。日々いのちの危機と向き合う中で、しっかり家族に寄り添い、医療者自身のこころも大切にできる、家族ケアの実践と理論が結びついた渾身の1冊。
序文
はじめに
救急・集中治療に携わる私たち看護師は、患者への医療やケアと同等に、家族へのケアも重要な看護として当たり前に日々実践しています。近年では、重症患者を抱えた家族の長期的なメンタルヘルスの障害が問題視されるようになったことで、家族ケアへの関心はさらに高まっていることを肌で感じるようになりました。
一方、限られた時間で、重症患者を抱えて、心理的に不安定な状況にある家族に関わることは時に困難を伴い、苦手意識をもっているとの声も聞かれます。確かに、初対面であることが多い上に、動揺の激しい家族に声を掛け、関わることは容易ではありません。私たちは基礎教育でも継続教育でも、重症患者の家族へのケアに関する学習の機会は少なく、ほとんどが現場で経験値を重ねて対応スキルを習得しているのが現状ではないでしょうか。
長きにわたり救急・集中治療に携わってきた私自身も、家族ケアに悩むことがありました。しかし、大学院に進学し、家族ケアに関連した理論や研究論文から学習を進めるうちに、家族ケアに必要な知識やスキルを修得し、実践につなげられるようになりました。いつかこの学びを同じ領域の仲間に伝えることができたらと思っていましたが、このたび、その機会をいただきました。大変光栄に存じます。
私は、家族ケアを学習するにあたり、日々の日常業務の中で当たり前に実践する家族ケアについて、その根拠やあり方を理論などから押さえていくことが基本であり、かつ最も重要であると思っています。なぜなら、日々の丁寧かつ根拠に基づいた家族ケアが、医療や看護への信頼を生み、家族の心を支えることになると思うからです。
本書では、2章に日常業務の中での家族ケアを取り上げましたので、この機会に、自身の実践の振り返りや教育に活用してほしいと思います。そして、3章ではさまざまな特殊状況にある家族へのケアについて、4章では家族ケアに関わる医療者のジレンマやストレスへの対応についても解説しています。タイトルを見て、興味や関心のある箇所から読み進めて活用してほしいと思います。
本書が、救急・集中治療に携わる多くの看護師のお役に立てれば幸いです。
2023年11月
立野淳子
目次
1章 家族ケアに役立つ理論、概念、モデル、技術
1 家族理論
2 ストレス・コーピング理論
3 危機理論・危機モデル
4 ニード論
5 悲嘆理論・悲嘆ケア
6 ACP(アドバンス・ケア・プランニング)
7 意思決定支援
8 DNAR(Do Not Attempt Resuscitation)
9 コミュニケーションスキル(傾聴・NURSE)
2章 日常業務の中での家族ケア
1 面会時の家族ケア
2 待機中の家族ケア
3 家族への電話対応
4 終末期から臨終時の家族ケア
5 インフォームド・コンセント時の家族ケア(Bad Newsの告知)
3章 特殊状況における家族ケア
1 怒りや不安など感情を強く表出する家族へのケア
2 終末期患者の面会ができない状況にある家族へのケア
3 ACPを提示し、治療の中止を訴える家族へのケア
4 小児の家族へのケア
5 治療方針の決定を求められている家族へのケア
6 意思決定過程にある家族間で意見の相違がある場合の家族ケア
7 脳死患者の家族に臓器移植について提示する場合の家族ケア
4章 家族ケアに関わる医療者のジレンマ、ストレスへの対応
1 DNARが決定している患者の家族と医師との間で人工呼吸療法の開始が決定したことへのジレンマの対応
2 患者の死により悲嘆感情を抱く医療者へのケア
3 面会を多く求めたり、医療者へ過剰な要求をしたりする家族に対応する医療者のストレスへのケア
4 医療者の態度に不満を訴える家族に対応する医療者のストレスへのケア
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書籍情報
- ISBN:9784840484473
- ページ数:256頁
- 書籍発行日:2024年1月
- 電子版発売日:2023年12月19日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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