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シリーズGノート 骨粗鬆症の薬の使いかたと治療の続けかた

  • ページ数 : 245頁
  • 書籍発行日 : 2023年10月
  • 電子版発売日 : 2023年10月13日
5,500
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商品情報

内容

骨折・転倒予防のための、治療薬・食事・運動療法のすべて!
かかりつけ医の強みを生かして,患者さんに合わせた骨粗鬆症の診断・予防・治療を行うための必読書!高齢者の転倒・骨折を予防するための治療薬,食事療法,運動療法を網羅!

序文


高齢者の骨折はADL/QOLや生命予後に及ぼす影響が大きく,骨粗鬆症を含めた予防・治療はかかりつけ医や骨粗鬆症を専門としていない実地医家においても重要な課題となっている.高齢者における骨折の発生には,筋力低下に伴う転倒予防機能の低下に加えて,骨粗鬆症に伴う骨強度低下が大きなリスク因子として知られている.その一方,骨・血管相関や筋骨連関をはじめとする新たな臓器連関やクロストークの解明,治療薬の開発などが進み,骨粗鬆症の予防・診断・治療において大きな進展,パラダイムシフトが認められてきている.こうした中,「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版」が日本骨粗鬆症学会・日本骨代謝学会・骨粗鬆症財団より刊行され,薬物評価・推奨の見直しを含めて多くの新しい概念,項目が加えられて現在も用いられている.加えて,その後も新たな骨粗鬆症治療薬や剤形などを含めた保険適用,骨代謝マーカーの充実など,骨粗鬆症の診断や治療に対する選択肢や可能性がますます広がってきている.最近では,2022年度の診療報酬改定において二次性骨折予防継続管理料が新設され,大腿骨近位部骨折後の骨粗鬆症の評価・治療が再骨折予防に重要であるという共有理解のもと,骨粗鬆症性骨折や骨粗鬆症の診療現場で,かかりつけ医と他医療機関の連携,骨粗鬆症リエゾンサービスの推進などがいっそう重要になってきている.

本書では,骨粗鬆症の薬物治療や非薬物療法を中心とした治療戦略,ならびに骨粗鬆症の予防・診断・合併症を含めて,第一線でご活躍の先生方にわかりやすく解説いただいた.その中では,「第1章 骨粗鬆症の治療の始めかた~誰に始めるか・いつ始めるか」,「第2章 骨粗鬆症治療薬の選びかた・使いかた」,「第3章 骨粗鬆症治療薬の切替の判断~患者さんに合わせた治療」,「第4章 骨粗鬆症と合併症~注意すべきリスクとその管理」,「第5章 骨粗鬆症に対する薬以外の治療と骨折予防」,と実際的かつ重要なテーマやエビデンスに基づいて章立てを行った.さらにまた,各章内のそれぞれの項目では,診療ですぐに役立つような内容や診療現場をイメージしやすい解説に注力し,日頃骨粗鬆症に馴染みの少ない方にとっても,実践的で体系的な理解を効率よく深めることができるよう努めた.

本書を通じて,骨粗鬆症の予防・診断・治療についていっそう理解が深まり,かかりつけ医や骨粗鬆症を専門としていない実地医家の先生方においても,日常臨床の中で骨粗鬆症や骨折リスクに配慮した診療,ならびにチーム医療や多職種連携のさらなる推進につながれば幸いである.


2023年9月

東京大学大学院医学系研究科 老年病学
 小川純人

目次

序[小川純人]

略語一覧

執筆者一覧

第1章 骨粗鬆症の治療の始めかた ~誰に始めるか・いつ始めるか

1 骨粗鬆症のリスク因子とその評価[矢可部満隆]

2 骨粗鬆症の定義・診断基準[今井教雄]

3 骨密度測定[鷹見洋一]

4 骨代謝マーカー測定の意義[佐藤友紀]

5 骨粗鬆症性(脆弱性)骨折の診断・評価[森 諭史]

6 骨粗鬆症の診断において鑑別すべき疾患[田井宣之]

7 骨粗鬆症薬物治療の開始基準[金沢一平]

第2章 骨粗鬆症治療薬の選びかた・使いかた

1 骨粗鬆症診療の現状[中藤真一]

2 骨粗鬆症薬物療法の第一選択薬の考えかた[沖本信和]

3 カルシウム製剤[田中健一,岡田洋右,田中良哉]

4 活性型ビタミンD3製剤[遠藤逸朗]

5 ビスホスホネート(BP)製剤[井戸田裕貴,井上玲子,井上大輔]

6 選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)[寺内公一]

7 副甲状腺ホルモン(PTH)製剤[田中伸哉]

8 RANKL阻害薬[髙士祐一]

9 ロモソズマブ[髙田潤一]

第3章 骨粗鬆症治療薬の切替の判断 ~患者さんに合わせた治療

1 薬物療法開始後の経過における注意点と治療評価[山内美香]

2 治療効果不十分と判断する場合と切り替えのタイミング[蛯名耕介]

3 副甲状腺ホルモン(PTH)製剤からの切り替え,逐次療法[宮城正行]

4 ロモソズマブからの切り替え,逐次療法[宮内章光]

5 RANKL阻害薬(デノスマブ)からの切り替え,逐次療法[小早川知範]

第4章 骨粗鬆症と合併症 ~注意すべきリスクとその管理

1 カルシウム製剤,活性型ビタミンD3製剤,PTH製剤における高カルシウム血症のリスクとその管理[野津雅和]

2 ビスホスホネート(BP)製剤における顎骨壊死のリスクとその管理[田口 明]

3 エストロゲン製剤やSERMにおけるリスクとその管理[倉林 工,森川香子]

4 RANKL阻害薬を用いた際の有効性,有害事象のリスクとその管理 ~ステロイド性骨粗鬆症を含めた骨粗鬆症における栄養・運動・薬物療法とわれわれの取り組み[中村幸男]

第5章 骨粗鬆症に対する薬以外の治療と骨折予防

1 骨粗鬆症における運動療法の意義と注意点[新井智之]

2 骨粗鬆症における食事療法の意義と注意点[上西一弘]

3 転倒と骨折[渡邉 剛]

4 転倒予防の方法[和田 崇,尾崎まり]

5 サルコペニアと筋骨連関[小川純人]

6 骨粗鬆症検診[堀井千彬,吉村典子,田中 栄]

索 引

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書籍情報

  • ISBN:9784758123594
  • ページ数:245頁
  • 書籍発行日:2023年10月
  • 電子版発売日:2023年10月13日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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